逝きし世の面影

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癌の早期検診「不利益も知って」専門家

2015年10月22日 | 放射能と情報操作
『生活習慣病(高齢者の病気)だといいながら、小学生相手に「将来クラスの2人に1人ががんになる」と脅す郡山市』

福島県郡山市が小学生の子供たち全員に配布している『クラスの2人に1人はガンになる』との驚愕的な全8ページの小冊子。(中川恵一東大医学部准教授が監修)
福島第一原発事故の放射能の影響を調べる小児甲状腺検査で、郡山市では2013年の8月から10月にかけて沢山の発症者が確認された時期と重なったことから市民が余りにも非常識な市当局の対応に怒りを爆発させた。
(郡山市は検討委の『図 2.実施対象年度別市町村』にある、『平成 24 年度検査実施市町村(12 市町村)』であるが、郡山市で小児甲状腺がんの検査が本当に実施された時期は翌年の平成25年度(2013年度)だった。
『年度』とは本来なら時期を示すが、福島県検討委に限っては時間では無くて場所を意味していた。
具体的には検査時期が放射能の汚染度合い別に区割りされていて、放射能汚染が一番酷い地域を最初に、比較的汚染されていない地域を最後に調べることで小児甲状腺がんの発症率が同一になるように細工していた)
小学生に配られたパンフレットの表紙には『将来クラスの2人に1人ががんになる?!』とあり、続けて『30人のクラスだったら、将来がんになる人は15人、がんで死ぬ人は10人になることに!』という刺激的な文言が並ぶ。
最早助からない末期がん患者などを対象とした緩和ケアの専門家である中川恵一准教授ですが、今回は小学生の子供相手でも容赦なく何時もの中川節が炸裂する。
ドクター中川は『命には限りがあります』としたうえで、『日本人のがんの知識は非常におそまつ』と断定し、『人はいつか死ぬ』、『生きてきて死ななかった人間は1人もいない』、『人間の死亡率は100%』、『限りある命を大切に生きよう』などと何時ものように上から目線で説教しているのである。
小学生の子供相手に喋っている事実を失念しているのだろうか。
レベル7の福島第一原発事故後の福島県の小学生を、丸っきり手遅れの中高年の末期がん患者扱いしているのである。
余りにも常識はずれな無茶苦茶にも程がある暴言の数々。この人物ですが、本当は何が言いたいのだろうか。
実に不思議だ。
郡山市保健所地域保健課によると、『がん検診受診率の向上』が目的だというが、フクシマのレベル7の核事故から4年目を向かえて天地が引っくり返る。今までの正誤や善悪が逆転してしまい、『確実な常識』(原理、原則)が無残にも崩壊してしまったのである。
何と現在の我がニホン国の専門家では逆に、『がんの早期検診の不利益』を言い出していた。


『(最悪なら発癌の危険性まである)癌の早期検診「不利益も知って」専門家』

10月21日付け毎日新聞では北斗晶さんの手術を機に、『乳がん検診の希望殺到』との記事を掲載しているが、記事のタイトルが紙面とウェブ上とで違いすぎる。
ネット記事のタイトルは、『乳がん検診:「人ごとでない」北斗さん報道で希望者が急増』毎日新聞 2015年10月20日 19時46分(最終更新 10月20日 21時34分)である。
ところが同じ記事が紙面では(ウェブ上には無い)『専門家「不利益も知って」』との大きなサブタイトルが付いていて読者にがん検診の危険性を警告しているのである。
毎日新聞の記事の前半部分では、
『タレントの北斗晶さん(48)が9月下旬、乳がんで右乳房の全摘出手術を受けたことをきっかけに、乳がん検診の受診希望者が急増している。』が、
続けて、
『早期発見早期治療で死亡率が下がる場合もあるが、専門家は「検診の不利益も知ったうえで受診の判断をしてほしい」と呼びかけている。』と、安易ながんの早期検診の動きに警告する。
後半部分ではもっと露骨である、
『こうした動きに対して聖路加国際病院(東京都中央区)放射線科乳房画像診断室の角田博子室長は「検診を受けていれば絶対に大丈夫と考えないで」と呼びかける。
がんにはさまざまな種類があり、進行が非常に速いがんは、検診による早期発見が難しい場合がある。
進行が非常に遅く、生きている間に症状が表れないがんは、検診で発見されると本来必要のない治療を受ける「過剰診断」となる恐れもある。
また結果的には良性腫瘍でも精密検査の負担が大きい「偽陽性」の問題もある。
X線を乳房に照射するマンモグラフィー検査を必要以上に受けると放射線被ばくによる乳がんの誘発リスクも生じる。
角田室長は「検診の利益と不利益を正しく知り、賢く検診と付き合ってほしい」と話した。』と癌の早期検診が万能ではないて『不利益がある』(最悪なら発癌の危険性まである)恐ろしい事実を指摘する。

『今まで「絶対に正しい」とされていた一般常識がコペルニクス的に180度変わる恐怖』

『フクシマの放射能で医療の敗北宣言?』

レベル7のフクシマの核事故の大爆発から4年目直前の今年2月5日(木)毎日新聞社が発行する医学雑誌編集長・高野聡の『MMJ編集長のコラム記事では、今回(10月21日記事)と同じように、がん検診や早期発見が『利益だけではなく、実は不利益も伴う。』ことを警告していた。
今までの一般的な常識医学とは正反対の『がん検診の利益が不利益より上回るのは(確実なのは)3例だけだった』と断定する。
『がん検診は大切だが、早期発見は万能ではない。』と結論付けている。
その2週間後の2015年2月18日毎日新聞連載記事『がん社会はどこへ』最終回が見出しが、『医師も人間  医療は不確実』。
この記事のサブタイトルの一つ目が『特別な治療は無い』、二つめが『両者が意識改革を』、そして最後の三つめの小見出し(結論部分)が『許しあう気持ちを』である。
2月5日毎日新聞の『早期検診は不利益を伴なう』との記事だけでも不気味だが、『医師も人間 医療は不確実』との18日記事と合わせて読むと『医療の専門家や大手マスコミが何を主張しているのか』が明瞭で、余計に不気味さが極まる。
多くの日本人は今まで日本の医療を全面的に信用していて、医者に依存(判断を丸投げ)していたのに、今さら『医療は不確実』で『医師も人間』と突き放されても うろたえ慌てて意味も無くおろおろするばかりである。
専門家(医者)が、『不確実なのだから→間違って当然だ』(今まで『間違っていた』が、どこが悪い)とケツをまくって開き直っているのである。
今までの日本なら決してありえない種類の出来事が、いま目の前で進行しているのですから恐ろしい。

『毎日新聞の10月21日記事の紙面の編集』


10月21日付け毎日新聞のウェブ上のタイトルは『乳がん検診:「人ごとでない」北斗さん報道で希望者が急増』だが、毎日新聞紙面の見出しは『乳がん検診の希望殺到』と『専門家「不利益も知って」』と、読者に対して明確にがん検診の危険性を警告している。
紙の新聞ではネット記事とは違い、当該記事の掲載されている位置とか見出しの大きさ、前後の他の記事などの『編集作業』が実は当該記事の内容以上の、重要な意味を持っている場合が多い。
今回の記事の左横は大きく『花嫁 奪われた未来』との危険性をしらないままアスベスト(石綿)工場で働き、石綿関連病で倒れたアスベスト被害の記事である。
記事の真下はもっと露骨に、福島第1原発3号機の原子炉格納容器の内部初調査の記事だった。
3号機の格納容器内部にカメラが入るのは初めて。空間の放射線量は毎時1シーベルトと極めて高く、汚染水の水位は底面から約6.5メートルで、推定値とほぼ同じだった。温度は空間部で26~27度、水中で約33~35度だった。(熔け落ちた数千度もの核燃料デブリは遥か地下深くに落ち込んでいて格納容器の中には無い。核デブリの位置がまったく不明)
『がんの早期検診には不利益がある』と『安全だと言われていたアスベストの50年後の中皮腫の危険』と『空っぽの福島第一原発3号基の格納容器の放射能汚染』とを三つ並べた毎日新聞編集部の思惑とは果たして何であろうか。(この三つの記事の下は『マイナンバーを住民票に誤記載』の小さな記事)
毎日新聞の編集局が意識して行ったとすれば政治的意図は明らか。
日本が連合国にポツダム宣言を受諾したと連絡した1945年8月10日から玉音放送がある8月15日の間、『それとなく読者に日本の敗戦をほのめかす』(どうか皆さん、隠されている裏の意味を察してくれ)との何とも分かり難い高等戦術なのである。

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毎日新聞21日東京本社版朝刊では1面に廃炉労災記事 (現田石(東京本社版))
2015-10-21 21:14:21
毎日新聞21日東京本社版朝刊(手持ちは13版)では、
関西と異なり『花嫁 奪われた未来』が載ってない。
その代わりということでしょうか、普段、被ばく労災の記事など載ることのない1面に、
●東日本大震災:福島第1原発事故 廃炉作業被ばくで労災 厚労省初認定、白血病男性に

が目に付くように載っていました。この記事の内容によると、

厚労省によると男性は2012年10月~13年12月、建設会社の社員として第1原発で原子炉建屋カバーや廃棄物焼却設備の設置工事などに従事。作業中は防護服や鉛ベストを着用していたが、体調を崩し、血液のがんである白血病と診断された。(中略)【古関俊樹、関谷俊介】
(解説によると)原発労働者の労災認定は、福島第1原発事故以外でこれまでに13人

とあり、2、3年前の被ばくの話になります。他の新聞はどういう扱いなのでしょうか。
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無責任時代 (くまごろう)
2015-10-21 23:39:52
人間は神ではない、間違いはある。
全くもってその通り、まともな日本人なら否定する人はいないでしょう。
しかしそれと
「医者が負う責任」
とは全く別の話。ミスをする存在だからミスを許すでは過失罪などなくなります。

癌検診を受けるも受けないも本来は個人の自由であり、百発百中ではないことを説明することは当然ですが、それらのリスクを考慮して、どういった人に検診を勧めるか自分の判断を示すのが専門家でしょう。
個別の事例について一応正論ではないかということを述べました。

責任を取りたくない、という一貫した姿勢のもと
「医者は間違えない」
から
「人間なのだから間違えて当然」
に主張が変化しつつある、ということは、やはり
「もう隠しきれない」
ということなのでしょうね。
返信する
法的安定性 (宗純)
2015-10-24 09:47:16
現田石さん、コメント有難うございます。

安倍晋三「何ちゃって平和法案」で大問題となった法的安定性ですが、今の日本は年20ミリシーベルトもの高濃度の汚染地域に子供や妊婦を含む一般市民が普通に暮らしているのですよ。もうむちゃくちゃなのですが全員黙っている。
5ミリシーベルト以上なら白血病など労災水準ですよ。
今回の毎日新聞ですが、ネットと紙では記事の内容は同じなのに、明確にタイトルが違っていた。
大混乱しているか、それとも意識的に印象操作を行っているのですが、
なにか、大事なことを隠しているのか。
それとも逆に、大事な何かを、それとなくほのめかしているのか。多分、後者ではないかと推測しているのですが・・・・劣化して誰にも分らなくなった愚劣な玉音放送を1年以上も延々と続けているのです。
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70年前の玉音放送 (宗純)
2015-10-24 10:00:44
くまごろうさん、コメント有難う御座います。

専門家であるい医者が分らないなら素人の患者のほうはもっと分らない。
今回の記事ですが、4年半前のフクシマの核事故発生当時、テレビでいわゆる原子力村の有識者、東大工学部原子力学科の教授が、自信たっぷりに「安全だ」と解説している画面の後ろで、1号機が大爆発。
自称専門家が、実は素人以下の存在だった事実が発覚するが、原子力以上に医学の場合は深刻です。
日本人の全員が例外なく関係してくるのですよ。原因はやはりフクシマが隠し切れなくなっているのですよ。
普通なら絶対に言わないことを言い出しているが、たぶん「手遅れです」と言いたいのでしょう。
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