おとうと (2009)

2010-03-20 07:56:22 | Weblog
おとうと (2009)

U.S. Release Date:

■監督:山田洋次
■キャスト:吉永小百合/笑福亭鶴瓶/蒼井優/(小日向文世)/(石田ゆり子)
■音楽:冨田勲!??
■字幕:
■お勧め度:★★★★

 「「男はつらいよ」シリーズ、「たそがれ清兵衛」の名匠・山田洋次監督の10年ぶりの現代劇となる家族の絆の物語。しっかり者の姉と問題ばかりを起こしてきた愚かな弟が繰り広げる再会と別れを、笑いと涙を織り交ぜ切なくも感動的に綴る。主演は「母べえ」に続いての山田監督作品出演となる吉永小百合と「ディア・ドクター」の笑福亭鶴瓶。共演に蒼井優、加瀬亮。
 東京で薬局を営む高野吟子は、夫を早くに亡くし、女手ひとつで一人娘の小春を育ててきた。その小春もエリート医師との結婚が決まり、喜びもひとしお。ところが式の当日、音信不通だった吟子の弟、鉄郎が突然羽織袴姿で現われた。酒癖が悪く、たびたび問題を起こしてきた家族の鼻つまみ者。周囲の心配をよそに、またしても酒をあおって大暴れ、大事な披露宴を台無しにしてしまう。誰もが激怒する中、それでも鉄郎をかばってしまう吟子だったが…。」(allcinema.net/より。)

色々。

一人っ子には分からない兄弟姉妹の絆。かなり感動的に描けていると思うが。たとえば高野吟子(吉永小百合)は小鳥を籠の中で飼うが、弟(笑福亭鶴瓶)は自分の部屋で放し飼いにする。自分は自由に生きたい、その甘えの表現じゃないだろうか。そして格好つけたがり屋の弟は、その甘えをうまく表現できない。姉の方もそれが良く分からない。すれちがい。

「男はつらいよ」シリーズは嫌いなのでほとんど観てないが、問題児という点では同じにしても、内容的には、かなり違うかもしれない。姉と弟の絆にしても、小春の結婚問題にしても、面白いというより、かなりマジに取り扱っている。小春の件でいうと、結婚相手は大学病院だかのエリート医師。世間体的には釣合っているものの、世間体的な結婚だったために破局を迎える。代りに選んだのが同じ商店街の大工さん。世間体より実を取ったという事になる。この点はしかしあまり面白くはないが。

弟はその最後を民間がボランティアでやっているホスピスで過ごす。癌や糖尿やらで、どうしようもない状態に陥った弟の最後がかなり感動的。姉、小春、大工さん、それとホスピスの所長(小日向文世)と助手だか(石田ゆり子)が、最後は医者抜きで弟を死なせてあげる。これはいわゆる安楽死になるのだろうが、今、安楽死が合法なのか分からないが、そうでないとしたらテーマだろう。

吉永小百合という女優は出たがりではないので、ほとんど観る/見る機会が無いので分からないが、歳とったせいか妙に庶民っぽくていい。薬局の店主が似合っている。ドラッグストアだったらミスキャストだっただろう。娘の小春も妙に薬局が似合っている。これに小林稔侍(長兄)、森本レオ(歯医者)、加藤治子(高野吟子の母)などが、そう目立たないもののいいキャスト。

音楽の冨田勲は別人か?冨田勲というと70年代だったかにシンセサイザーを世界で最初だかに開発して、ホルストの壮大な「惑星」をシンセだけで演奏して、LPレコードに入れて、これが革命的だった記憶があるが、本作では殆ど曲らしい曲を書いてないので、別人かもしれない。

色々と見所や考え所があって「寅さん」とは似ても似つかない作品。

しかし松竹も看板シリーズの「寅さん」と「釣りバカ」が終わって、代わりを探しているのかもしれないが、この作品を観る限り、吉永小百合の庶民派ドラマがいけるような気がする。所属が分からないのでなんとも言えないが。綺麗というより可愛い感じがするので、出すだけでもマンネリシリーズなら続くだろう。


ヒアリング度:
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★
劇場で見たい度:★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)