トロピック・サンダー/史上最低の作戦(品) Tropic Thunder

2008-11-29 10:59:24 | Weblog
トロピック・サンダー/史上最低の作戦(品) Tropic Thunder

U.S. Release Date: 2008

■監督/製作/主演:ベン・スティラー
■キャスト:ベン・スティラー/ロバート・ダウニー・Jr/ジャック・ブラック/ブランドン・T・ジャクソン/ニック・ノルティ/トム・クルーズ
■音楽:セオドア・シャピロ
■字幕:松崎広幸
■お勧め度:★

 「「ナイト ミュージアム」のベン・スティラーが監督・主演を務め、様々な戦争映画のパロディーを織り交ぜながらハリウッド映画製作の舞台裏を皮肉ったアクション・コメディ。大作戦争映画の撮影で、本物の戦場に送り込まれたと気付かずに演技を続けていくワガママで超個性的な3人のスター俳優のハチャメチャぶりを描く。共演は「スクール・オブ・ロック」のジャック・ブラックと「アイアンマン」のロバート・ダウニー・Jr。
 ベトナム戦争で英雄的な活躍をしたというアメリカ人兵士テイバックのベトナム戦争回顧録“トロピック・サンダー”が映画化されることになった。そして撮影現場には、この作品でスターへの返り咲きを図る落ち目のアクション俳優タグ・スピードマン、オナラ以外にも芸域を広げようと意気込むコメディアンのジェフ・ポートノイ、黒人の軍曹に成りきるため手術で皮膚を黒くしてしまったオーストラリアの過剰な演技派カーク・ラザラス、といったクセ者俳優たちが集結。こうして、いよいよ撮影が始まるが、俳優たちのワガママなどで僅か5日間にして予算オーバーとなってしまう。そこで困り果てた監督のデミアンは、テイバックの助言により、東南アジアのジャングルで撮影を再開することに。何も知らされず台本通りジャングルを徘徊する俳優たち。しかし、そこは凶悪な麻薬組織が支配する本物の戦場だった…。」(allcinema.net/より。)

「ナイト・ミュージアム」は面白そうだったが、吹替版しかやってなかったので観なかった。観ないでよかったかもしれない。

パロディーになってないだろうが、ランボーの格好だけするなら。パロディーというのは、過去の作品が何か変だとか、逆に面白いとかいう理由があって、それがなぜ変なのか面白いのかという事を、違った形で表現するものだろう。たとえばランボーシリーズに関しては、チャーリー・シーンだったか(息子の方)が出た作品でランボーが殺した人数をカウント(カウンター)で表示していくなど、本来はマジな作品の一部を取って、それを皮肉ることがパロディーだろう。ところが本作品では、単にランボーの格好をするだけではなく、捕虜収容所に捕まるという筋書きまで単なるコピー。おまけに、「本物の戦場に送り込まれたと気付かずに」とあるが、ロバート・ダウニー・Jrは、これが本物の戦場だという事をほとんど最初から知っていて、知らないのは先走りする監督兼任のベン・スティラーだけ。コメディとして面白くしたかったら、最後まで誰も本物の戦場だと気付かずに、誰も知らないうちに、やっぱり「史上最低の作戦」になっていたとかいう筋書にした方が良かっただろう。それに麻薬組織のボス役の少年、なぜか中国語を喋る。これもどこからコピーしてきたか一目瞭然。唯一の見所(見えない所)としたらトム・クルーズがどの役で出ているのか、最後まで分からないという事だろう。これには伏線があって、キャストにトビー・マグワイア(スパイダーマン)が加わっているが、これは最初に流す主人公たちが過去に出演した作品の予告編に登場するだけのチョイ役で、本編には出ていない(多分)。トム・クルーズもこのパターンだと思っていたら、最初から出ていた。メイクと喋りを変えていたので分からない。最後の場面で彼らしいガキっぽい喋りが聞けたので分かったが、これが無かったら、まず分からないだろう。これをパロディーと言うならば、代役を使うだけでもパロディーと言える。それに、「アルパ・チーノ」役のブランドン・T・ジャクソンはゲイらしいが、ならばアル・パチーノはゲイなの?どっちでも構わないが、こういう舞台裏的なことは、分かるやつにしか分からないだろう。それに一見、お金がかかっていそうだが、ロケ地はハワイ。トム・クルーズのギャラ以外は、かなりな低コスト作品だろう。

強いて面白い部分を探すと、役者同士の会話で演技の仕方とか、なんとか賞を取る秘訣が語られるが、たとえばアカデミー賞を取るには、あまり役に、はまり込んではいけないという指摘があるが、ある意味ではそうなので、特にアカデミー賞の場合は取るための公式のようなものがあって、賞を取るという目的のために作品を作らないと取れないようになっていて、要はそれが出来るかどうかというのが監督や製作者の技量でもある。単に演技が優れていたという事だけでは取れないようになっている。という事は、同じ監督、製作者でも、賞を取ることが目的ではない作品を作った場合、結果は未知数の場合が多い。この事がある為に、「アカデミー賞、なんとかかんとか」という宣伝文句は、はなから無視しているわけで、これはアカデミー賞自体を否定するものではなくて、アカデミー賞に限らず、「賞」というものには取り方があるという事で、それが必ずしも作品の内容とは、一致していないという事がある。もちろんアカデミー賞、受賞作品と宣伝すれば、多くが観るわけで、その意味では観ておく価値はあるかもしれないが、つまらなかったからと言って文句を言うのは、あまり意味のある事ではないだろう。で、本作品では最後に裏アカデミー賞らしきものを取ることになるが、それの対抗馬がジョン・ヴォイトなのは何故?アンジェリーナ・ジョリー(実娘)は関係無いだろうし、若い頃の代表作の「真夜中のカー(ウ)ボーイ」の共演はダスティン・ホフマンだろう。たしかにダスティン・ホフマンとアル・パチーノは似ているところがあるが、パロディーを作るなら、分かるようにして欲しい。


ヒアリング度:★
感動度:
二度以上見たい度:
劇場で見たい度:
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:
ムカつく度:★★★★
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)