きな子~見習い警察犬の物語~ (2010)

2010-08-21 16:12:07 | Weblog
きな子~見習い警察犬の物語~ (2010)

U.S. Release Date:

■監督:小林義則
■キャスト:夏帆/寺脇康文/戸田菜穂/山本裕典/広田亮平/大野百花/浅田美代子
■音楽:服部隆之
■字幕:
■お勧め度:★★★★

 「香川県・丸亀警察犬訓練所の見習い警察犬で、そのズッコケぶりが地元TV局で取り上げられたため一躍人気者となった実在のラブラドール・リトリーバー“きな子”をめぐる感動の実話を映画化。主演は「天然コケッコー」の夏帆、共演に「相棒」シリーズの寺脇康文。監督は「アンフェア the movie」の小林義則。今は亡き父を目標に警察訓練士を目指す18歳の杏子は、番場警察犬訓練所の門をくぐる。そして、ラブラドール・リトリーバーの子犬と出会う。身体が弱く、所長からは警察犬になれないと言われるが、杏子は自分が警察犬に育てると宣言し、“きな子”と名付けて二人三脚で訓練に励むのだったが…。」(allcinema.net/より。)

最大のミステリーは「ズッコケ」てるのが「きな子」なのか訓練士の望月杏子(あんこ)なのか。後者にいたっては父親が訓練士で、その父親に憧れて訓練士になりたいという。作品を見るかぎり、さほど訓練士としての素質があるとは思えないし、父親が訓練士でなかったら訓練士にはなってなかっただろう。一方、「きな子」は障害を飛べない。しかし最後のシーンでは当然のことながら飛べてるし、途中のシーンでは、他の訓練士だったら問題なく飛べる事が証明されている。たしかに半人前の訓練士を描くのが主要なテーマではあるが。作品を通じてやたら進行が遅い感じがして、観ている間はなんだったか、後で考えてみると、意図的かもしれない。感動の物語りを描くというより、ズッコケ・コンビの交流を描くのが主だったような。警察犬というのは大きな警察署とかに専属して活動しているのかと思ったら、ほとんど昔の徒弟制度のような小さな訓練塾みたいな所で養成され、そのまま地元の警察の要請で出動するらしい。そこには「塾」の家族その他が大きく係わってくるわけで、そうした人間関係の中で育つものらしい。ここらへんが、やたら細かく描かれている。本作の場合はこれに加えて「塾」自体、あるいはそのメンバーも「ズッコケ」っぽく描かれ、この部分もかなり面白い。それに「きな子」は最後にこの家の娘を助け出すという偉業を成し遂げるが、それでも今、現在、警察犬としては「不合格」らしい。ホンワカした構成ではある。警察犬じたい、知らないのでなんだが、これは警察(犬)批判だろうか。そのような感じも少しして面白い。「動物」とか「犬」を見るより、ホンワカした家族、人間関係と、そうした中で育つ謎の人物としての「きな子」、それに係わることで、まったく成長しない、望月杏子の面白さを描いたスルメ作品。


ヒアリング度:
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★
劇場で見たい度:★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)