アバター Avatar (2009)

2010-01-09 11:04:21 | Weblog
アバター Avatar (2009)

U.S. Release Date: 2009

■監督/製作:ジェームズ・キャメロン
■キャスト:サム・ワーシントン/シガーニー・ウィーヴァー/ゾーイ・サルダナ/スティーヴン・ラング他
■音楽:ジェームズ・ホーナー
■字幕:戸田奈津子
■お勧め度:★★★

 「「ターミネーター」「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督が、自らも長年にわたって開発に関わってきた3D技術をはじめ最先端の映像テクノロジーを存分に駆使し、満を持して放つSFアクション超大作。異星人が暮らす美しい星を舞台に、資源を求めて侵攻する人類の一員として、自らに課せられた特別な任務と先住民との間で板挟みとなり苦悩する一人の青年の運命を、圧倒的なスケールと3Dならではの迫力の臨場感で描き出していく。主演は「ターミネーター4」のサム・ワーシントン、共演にゾーイ・サルダナ、シガーニー・ウィーヴァー。
 戦争で負傷し下半身不随となり車いす生活を余儀なくされた元海兵隊員のジェイク。ある時、彼は“アバター・プロジェクト”にスカウトされる。それは、地球から遥か彼方の衛星パンドラで、莫大な利益をもたらす希少な鉱物を採掘するための事業。そのために、人間に有害なパンドラの環境で活動できるよう先住民ナヴィと人間のDNAを掛け合わせた肉体“アバター”が造られていた。そしてジェイクに課せられた任務は、そのアバターに意識をリンクさせ、遠隔操縦によりパンドラで生活し、ナヴィ族との交流を図ること。アバターを介してついに身体の自由を得たジェイクは、さっそく神秘的なパンドラの森へと足を踏み入れ、やがてナヴィ族の美しい女性ネイティリと運命的な出会いを果たすのだが…。」(allcinema.net/より。)

観たのは2D版なのでなんとも言えないが、見るだけの作品。ジェームズ・キャメロン監督としては内容が無さすぎるだろう。貴重な鉱物を求めて異星を侵略する人類、原住民との出会い、恋、戦い。それだけ。ジェイク・サリー(サム・ワーシントン)はいいにしても、海兵隊の一兵卒。任務を放棄して原住民のネイティリ(ゾーイ・サルダナ、ただし可哀想に素顔は無し)と恋に落ちるのは普通だろう。内容を求めるなら、せめて工作員役にでもしておけば、もっと人間的な葛藤があっただろう。結果的には鬼大佐(スティーヴン・ラング、これはいい)の言うままに原住民に接触して、成り行きまかせ的に恋に落ち、なぜか「選ばれし者」として原住民を助ける。これだけでは内容なしの見るだけの作品。見所があるとしたら、日本のアニメとゲームそのまま/丸出しのグラフィックス。安物(廉価版)ガンダム/パンツアーは面白いというか笑える。良く言えば全体的にグラフィックスが本物っぽいが、パターン化しているとも言える。スペクタクル物とは縁遠い場合は見る価値はあるだろうが、最近の特撮技術に慣れていれば、特に見る価値は無いだろう。強いて言えば人物描写がいい。一兵卒の海兵隊だから経験できるマンネリ的なイベント、科学者役のシガーニー・ウィーヴァーも、人物としては、まあまあ。「エイリアン」や「ゴーストバスターズ」とかの極端というか変な役に比べると、まとも。一番、目立つ。ファンは楽しめるかもしれない。英語の発音が綺麗だし。それ以外はちょっと。

とどのつまりはネタ切れ。筋書きから登場人物/キャラからグラフィックスまで、日本のアニメとゲームのぱくり。「選ばれし者」ジェイク・サリーが乗ることになる竜はPS2「DRAG-ON DRAGOON/ドラッグオンドラグーン1&2」で「契約」で結ばれた「赤き竜」。分からないのは「アバター」をどうやって「遠隔操縦」するのか。アバターというのは人間と原住民をかけ合わせて作った生き物という事になっている。それが操縦者とは別の本体。じゃ、本体はどうなっているのか。作品では3体、登場するが、脳死状態か?だとすると脳死状態の本体をどうやって遠隔操縦できる?脳死状態だったら操縦しても機能しないだろう。パンドラ星の住民は生命を復活させるという能力を持っている。だったら下半身不随のジェイクを直して、その上で原住民のヒーローにした方が話しがまともだっただろう。アバターは操縦者が寝ている時だけ活動できる。アバターが寝ると人間に戻る。原住民女性のネイティリが惚れたのはアバター状態のジェイクで、その本体は最後まで知らない。ラストで知ることになるが、どやって?声で分かるだろうが、この時のジェイクは意識を失っている。筋書き的にも破綻している。

それにいまさら環境破壊問題を描いても、なんの意味も無いだろう。パンドラ星の神秘性への願望で補っているに過ぎない。逆に言えば自然環境の神秘性を描いただけの作品。でもまあ、見るだけなら価値のある作品だろう、上映時間の長さとグラフィックスだけでも。ただしゲーム好きなら。日本産のゲームを散々やった上で、その実写版を見るという楽しみ方で。


ヒアリング度:★★★
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:★
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)