北方領土で驚きのニュースです。
朝日新聞
・ 日ロ条約交渉 拙速な転換は禍根残す
・ 閣僚の資質 「適材適所」には程遠い
読売新聞
・ 北方領土問題 国益にかなう決着を目指せ(2018年11月16日)
・ RCEP交渉 高水準の合意へ歩み寄りを(2018年11月16日)
毎日新聞
・ 英政府がEU離脱案了承 なおも前途は苦難が待つ
・ 日露首脳の領土交渉 共同活動が行き詰まった
日本経済新聞
・ 北方領土交渉に向けて議論を深めよ
・ 英はEUとの合意実現を
産経新聞
・ 北方領土交渉 「56年宣言」基礎は危うい
・ 外国人材の拡大 法案の土台から築き直せ
中日新聞
・ 北方領土交渉 最後の好機を逃すな
・ IT強国・中国で考える(2) 異色の官民一体モデル
※ 全社が北方領土です。
朝日です。
「安倍首相とプーチン大統領が会談し、1956年の日ソ共同宣言を「基礎」として平和条約交渉を進める、と合意した。
宣言は、大戦後の国交を回復させたもので、北方四島については歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島の引き渡しだけが約束されている。今回の合意は、2島の返還を軸にする意思を確認したといえる。」
読売です。
「択捉島、国後島を含む4島の帰属問題を解決し、平和条約を締結する。政府はこの原則を堅持すべきである。共同宣言を出発点に、長年主張してきた4島返還の展望を描かねばならない。
一方で、4島に1万数千人のロシア住民が暮らしていることも事実だ。実際の返還までには、相応の時間がかかるだろう。
政府は、日露双方が受け入れ可能な一致点を探ることが大切である。交渉の進展に応じ、国民に説明することが欠かせない。
日本には、確固とした外交戦略に加え、揺さぶりに動じない交渉力が求められている。」
毎日です。
「友好と信頼を醸成して交渉の環境を整えるアプローチが行き詰まった以上、現時点での共通の足場である56年宣言に立ち戻るのはやむを得ないだろう。
だが、56年宣言を基礎にしても、なお大きな壁が立ちはだかる。
プーチン氏はきのう、歯舞、色丹2島の引き渡しについて「どちらの主権の下になるか(宣言には)記されていない」と述べた。主権は今後の交渉で決めるという姿勢だ。
ロシア側は2島が日米安保条約に基づき米軍の軍事拠点となることへの懸念も繰り返し示している。
2島返還が決着しても残る国後、択捉の扱いは大きな問題だ。交渉の足場を失い、2島返還で打ち切りとなれば国内の理解も得られまい。有効な共同経済活動などの「プラスアルファ」の議論も出てこよう。」
日経です。
「現在2島には約3千人、4島で約1万7千人のロシア住民が住む。周辺海域の漁業権や資源の配分、米軍の配備を認めるか否かなど国民が理解しておくべきことは多い。返還に伴う資金コスト負担の問題もある。
交渉は楽観できない。プーチン大統領は内政問題で支持率が低下している。強大な権力を握っているとはいえ、外交では世論をにらみ強硬策に傾きがちだ。4島はロシアが第2次世界大戦の成果として正当に獲得したものという主張もまかり通っている。
安倍首相は2021年9月までの自民党総裁任期中に決着したいという思いがあろう。しかし、足元を見られるような交渉では困る。いずれは旧島民を含めた国民への説明も必要となる。」
産経です。
「日本が忘れてはならないのは、四島はロシアに不法占拠された日本固有の領土であるという点だ。四島返還を確かなものにすることなしに平和条約を結ぶとすれば、締結の時点で約束された以外の固有の領土を、日本が事実上放棄することになりかねない。
「日ソ両国によって批准もされた共同宣言は、他の交渉文書と重みが全く異なる」
これは従来、プーチン政権が繰り返し使ってきた論法である。交渉の範囲を、色丹、歯舞に限定したい意図が透けて見える。
だが、日露両国の首脳は1993年に、択捉(えとろふ)島、国後(くなしり)島、色丹、歯舞の「四島の帰属」を「法と正義」の原則によって解決するとした東京宣言に署名している。
プーチン氏自身が署名した2001年のイルクーツク声明は、日ソ共同宣言が交渉の出発点を記した「基本的文書」としつつ、東京宣言に基づいて四島の帰属問題を解決するとうたっている。
今回の安倍首相とプーチン氏の合意は、共同宣言が「格上」であるというロシア側の主張に迎合したものではないのか。」
中日です。
「安倍首相も腹をくくったのだろう。プーチン・ロシア大統領との会談で、日ソ共同宣言を基礎に平和条約締結交渉を加速させることで合意した。この好機を逃さず長年の懸案を決着させてほしい。
首相が四島返還へのこだわりを断ち切ったという印象を受ける合意である。一九五六年の日ソ共同宣言は平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すと明記しているが、残りの国後、択捉二島の帰属は触れていない。
首相はこれまでも「四島を返せと言ってるだけで実現するなら、そんな簡単なことはない。現実を直視したアプローチが必要だ」と柔軟姿勢をにじませていた。
共同宣言を足掛かりに、残る国後、択捉二島の返還を求めても、プーチン氏が応じる見込みはまずない。
かといって敗戦からあまり時間が経過していない五六年当時と今とでは日本の国力は格段に違う。共同宣言と同じ程度の果実では受け入れられない。
そこで「二島返還+アルファ」という落としどころが出てくる。アルファの中身は、日ロで協議が続く共同経済活動である。国後、択捉でも日本の権益を確保し、島の将来に日本も関与していこうというものだ。
だが、双方の法的立場を害さない特別な枠組みづくりは難航している。知恵を絞って違いを乗り越えてほしい。」
朝日新聞
・ 日ロ条約交渉 拙速な転換は禍根残す
・ 閣僚の資質 「適材適所」には程遠い
読売新聞
・ 北方領土問題 国益にかなう決着を目指せ(2018年11月16日)
・ RCEP交渉 高水準の合意へ歩み寄りを(2018年11月16日)
毎日新聞
・ 英政府がEU離脱案了承 なおも前途は苦難が待つ
・ 日露首脳の領土交渉 共同活動が行き詰まった
日本経済新聞
・ 北方領土交渉に向けて議論を深めよ
・ 英はEUとの合意実現を
産経新聞
・ 北方領土交渉 「56年宣言」基礎は危うい
・ 外国人材の拡大 法案の土台から築き直せ
中日新聞
・ 北方領土交渉 最後の好機を逃すな
・ IT強国・中国で考える(2) 異色の官民一体モデル
※ 全社が北方領土です。
朝日です。
「安倍首相とプーチン大統領が会談し、1956年の日ソ共同宣言を「基礎」として平和条約交渉を進める、と合意した。
宣言は、大戦後の国交を回復させたもので、北方四島については歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島の引き渡しだけが約束されている。今回の合意は、2島の返還を軸にする意思を確認したといえる。」
読売です。
「択捉島、国後島を含む4島の帰属問題を解決し、平和条約を締結する。政府はこの原則を堅持すべきである。共同宣言を出発点に、長年主張してきた4島返還の展望を描かねばならない。
一方で、4島に1万数千人のロシア住民が暮らしていることも事実だ。実際の返還までには、相応の時間がかかるだろう。
政府は、日露双方が受け入れ可能な一致点を探ることが大切である。交渉の進展に応じ、国民に説明することが欠かせない。
日本には、確固とした外交戦略に加え、揺さぶりに動じない交渉力が求められている。」
毎日です。
「友好と信頼を醸成して交渉の環境を整えるアプローチが行き詰まった以上、現時点での共通の足場である56年宣言に立ち戻るのはやむを得ないだろう。
だが、56年宣言を基礎にしても、なお大きな壁が立ちはだかる。
プーチン氏はきのう、歯舞、色丹2島の引き渡しについて「どちらの主権の下になるか(宣言には)記されていない」と述べた。主権は今後の交渉で決めるという姿勢だ。
ロシア側は2島が日米安保条約に基づき米軍の軍事拠点となることへの懸念も繰り返し示している。
2島返還が決着しても残る国後、択捉の扱いは大きな問題だ。交渉の足場を失い、2島返還で打ち切りとなれば国内の理解も得られまい。有効な共同経済活動などの「プラスアルファ」の議論も出てこよう。」
日経です。
「現在2島には約3千人、4島で約1万7千人のロシア住民が住む。周辺海域の漁業権や資源の配分、米軍の配備を認めるか否かなど国民が理解しておくべきことは多い。返還に伴う資金コスト負担の問題もある。
交渉は楽観できない。プーチン大統領は内政問題で支持率が低下している。強大な権力を握っているとはいえ、外交では世論をにらみ強硬策に傾きがちだ。4島はロシアが第2次世界大戦の成果として正当に獲得したものという主張もまかり通っている。
安倍首相は2021年9月までの自民党総裁任期中に決着したいという思いがあろう。しかし、足元を見られるような交渉では困る。いずれは旧島民を含めた国民への説明も必要となる。」
産経です。
「日本が忘れてはならないのは、四島はロシアに不法占拠された日本固有の領土であるという点だ。四島返還を確かなものにすることなしに平和条約を結ぶとすれば、締結の時点で約束された以外の固有の領土を、日本が事実上放棄することになりかねない。
「日ソ両国によって批准もされた共同宣言は、他の交渉文書と重みが全く異なる」
これは従来、プーチン政権が繰り返し使ってきた論法である。交渉の範囲を、色丹、歯舞に限定したい意図が透けて見える。
だが、日露両国の首脳は1993年に、択捉(えとろふ)島、国後(くなしり)島、色丹、歯舞の「四島の帰属」を「法と正義」の原則によって解決するとした東京宣言に署名している。
プーチン氏自身が署名した2001年のイルクーツク声明は、日ソ共同宣言が交渉の出発点を記した「基本的文書」としつつ、東京宣言に基づいて四島の帰属問題を解決するとうたっている。
今回の安倍首相とプーチン氏の合意は、共同宣言が「格上」であるというロシア側の主張に迎合したものではないのか。」
中日です。
「安倍首相も腹をくくったのだろう。プーチン・ロシア大統領との会談で、日ソ共同宣言を基礎に平和条約締結交渉を加速させることで合意した。この好機を逃さず長年の懸案を決着させてほしい。
首相が四島返還へのこだわりを断ち切ったという印象を受ける合意である。一九五六年の日ソ共同宣言は平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すと明記しているが、残りの国後、択捉二島の帰属は触れていない。
首相はこれまでも「四島を返せと言ってるだけで実現するなら、そんな簡単なことはない。現実を直視したアプローチが必要だ」と柔軟姿勢をにじませていた。
共同宣言を足掛かりに、残る国後、択捉二島の返還を求めても、プーチン氏が応じる見込みはまずない。
かといって敗戦からあまり時間が経過していない五六年当時と今とでは日本の国力は格段に違う。共同宣言と同じ程度の果実では受け入れられない。
そこで「二島返還+アルファ」という落としどころが出てくる。アルファの中身は、日ロで協議が続く共同経済活動である。国後、択捉でも日本の権益を確保し、島の将来に日本も関与していこうというものだ。
だが、双方の法的立場を害さない特別な枠組みづくりは難航している。知恵を絞って違いを乗り越えてほしい。」