質問します 社会科授業で悩んでいます。 調べ学習のあとの情報共有の方法 について教えてください
このYouTubeの講義は、社会科の授業における調べ学習後の情報共有という教師からの具体的な質問に答える形で展開されます。吉田先生は、鎌倉時代を例にとりながら、まず教科書や資料集から大まかな情報を蓄積する段階の重要性を説き、続いてその情報から必要なものを絞り込み、思考・判断させることの必要性を強調しています。特に、発問を通じて児童に情報を深く掘り下げさせ、整理・統合させることで、単に事実を覚えるだけでなく、その時代の本質や人物の功績を理解させるという授業構成の具体例が示されています。最終的に、社会科の学習目標は子どもたちが社会科を好きになることであると述べ、教師独自の教材や工夫を取り入れることの意義が語られています。
Q 子供たちの調べ学習成果を共有する効果的な方法は何ですか。
A 子供たちの調べ学習の成果を共有するための効果的な方法について、提供された資料から吉田先生のアプローチをまとめます。
吉田先生は、調べ学習によって子供たちが蓄積した情報を共有する際に、情報の「整理統合」と「思考判断」を促すことを重視されています。単に情報を羅列するだけでなく、授業の狙いに沿って情報を絞り込み、深く理解させるための共有方法を実践されています。
具体的な共有方法は以下の通りです。
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ノートへの書き出しと発表
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まず、子供たちに調べたことや資料(例:武士の館のイラスト)から分かったこと、気づいたこと、思ったことを各自のノートに書き出させます。
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その後、ノートに書かれた内容を発表させます。
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教師による「発問」を活用した深掘り
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発表された情報を教師が全て板書することは、よほど重要なキーワードでない限り行わないことで時間を節約しています。
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発表された情報に対して、教師が**「発問(問いかけ)」をすることで、子供たちの理解を深め、情報をさらに掘り下げていきます**。例えば、「武士の館の周りにある堀は何のため?」「矢倉の上で何をしていたの?」といった質問を通して、子供たちに考えさせ、情報を膨らませます。
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この発問を通して、子供たちが自ら情報を整理統合し、課題を解決していくように促します。
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授業の導入部分をコンパクトにし、調べ学習と共有の時間を確保
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特に調べ学習に時間をかけたいテーマ(例:源平の戦い)では、授業の冒頭の説明をシンプルにすることで、その後の調べ学習と発表・共有の時間を確保しています。
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子供たちが調べた内容(例:戦いの名前とその内容)を発表させ、教師は「それどういうこと?」と聞きながら、子供たちの発表を促します。全ての戦いの名前を覚える必要はないとしつつ、発表を通して理解を深めます。
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教師独自の「ネタ」の活用
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教科書だけでは得られないドラマ性や深みを加えるために、教師が事前に準備した独自の情報を授業に盛り込みます。これにより、子供たちの学習への興味・関心を高め、共有された情報からさらに深い思考へと導きます。例えば、源頼朝が自ら戦いに参加しなくなった理由について問いかけ、子供たちに様々な意見を言わせることで、頼朝への興味を持たせています。
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学習の狙いに応じた情報の絞り込み
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蓄積された情報の中には、授業の狙いにとって「必要なもの」と「必要でないもの」が混在しているため、「その時代を大まかに理解する」「どんな人物が活躍したのかを理解する」といった狙いに沿って情報を絞り込むことを促します。最終的には、武士が領地を守るために武芸に励んでいたというような、主要な理解へと導きます。
吉田先生は、社会科の授業を子供たちが「好きになる」ことを最も大切にされており、そのためには教科書通りの説明だけでなく、上記のような工夫を通じて、調べ学習と共有、そして教師の発問を組み合わせた授業展開を行っています。
Q 社会科における主体的な学びはどうつくるのか?
A 社会科における「主体的な学び」を創り出すために、吉田先生のアプローチは以下の点を重視しています。これは、子供たちが自ら情報を「整理統合」し、「思考判断」する過程を促すことに深く関連しています。
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子供たちによる情報蓄積の場の設定(調べ学習)
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まず、子供たちが自ら情報を収集・蓄積する機会を設けます。これには、教科書や資料集の調査だけでなく、歴史漫画を読む、旅行経験から得る、人物に興味を持ち本を読むなど、多様な情報源からの学びが含まれます。この情報収集の過程自体が、主体的な学びの第一歩となります。
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発問を活用した情報の「整理統合」と「思考判断」の促進
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子供たちが調べた情報を単に羅列するのではなく、教師からの**「発問(問いかけ)」を通じて、情報を整理し、統合し、深く思考判断することを促します**。
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例えば、「武士の館の周りにある堀は何のため?」「矢倉の上で何をしていたの?」といった問いかけにより、子供たちは情報を掘り下げ、自ら課題を解決していくよう導かれます。
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教師は、子供たちの発表を逐一板書するのではなく、発問で情報を膨らませることに重点を置きます。これにより、子供たちは積極的に思考し、情報を意味づけするようになります。
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学習の「狙い」に沿った情報の絞り込み
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蓄積された情報の中には、授業の狙い(例:その時代を大まかに理解する、どんな人物が活躍したのかを理解する)にとって「必要なもの」と「必要でないもの」が混在しているため、教師は狙いに合わせて情報を絞り込むよう促します。この過程も、子供たちが情報を取捨選択し、本質を理解しようとする主体的な姿勢を育てます。
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「共有」の機会の確保と深掘り
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子供たちに調べたことや気づいたことをノートに書き出させ、発表させます。これにより、各自が収集した情報がクラス全体で共有されます。
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授業の冒頭の説明をコンパクトにすることで、調べ学習と、その後の発表・共有の時間を確保しています。これは、子供たちの能動的な活動に時間を割くという意図を示しています。
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教師独自の「ネタ」による興味・関心の喚起
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教科書だけでは得られないドラマ性や深みを加えるために、教師が事前に準備した独自の情報を授業に盛り込みます。これにより、子供たちの学習への興味・関心を高め、「なぜ?」という疑問からさらなる思考へと導きます。例えば、源頼朝が戦いに参加しなくなった理由を問いかけ、子供たちに様々な意見を言わせることで、頼朝への高い興味を持たせています。子供たちが「社会科を好きになること」が最も重要だと吉田先生は考えており、これが主体的な学びに繋がると言えます。
これらの要素を組み合わせることで、子供たちは単に知識を受け取るだけでなく、自ら問いを立て、情報を収集・整理し、思考し、表現する主体的な学びのサイクルを経験することができます。