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西洋哲学史 古代ギリシャ哲学解説【パルメニデス】【インスタント哲学】/哲学チャンネル

2021-05-08 06:10:27 | 哲学の窓

哲学チャンネルより 西洋哲学史 古代ギリシャ哲学解説【パルメニデス】【インスタント哲学】を紹介します。

ここから https://www.youtube.com/watch?v=tDqE-i9L32o&t=146s

とっつきづらい哲学や心理学の内容を、出来るだけわかりやすく完結に お伝えすることを目的としたチャンネルです。 
 
パルメニデスは現在のイタリア南部、エレアで生まれました。 その後、ピタゴラス学派のアメイニアスに師事したり クセノパネスから哲学を学んだりして 当時のギリシア哲学に精通していました。 パルメニデスについての個人的なエピソードはほとんど残っていません。 どうやらパルメニデスはとても高貴な人間だったみたいで 周りから尊敬もされていたり、だからこそこれといった突飛な エピソードが残っていないのだと思います。 強いて言えば、弟子であったゼノンと同性愛関係だったと言われていますが まぁそれは良いでしょう。 世間では正しく生きることを『パルメニデスのような生活』と表現するほど その姿は模範とされ、尊敬の対象だったのですね。 まさに古代ギリシアの陽キャラ。 闇い人と揶揄され嫌われたヘラクレイトスとは大きな違いです。 冗談は置いておいて、 パルメニデスはその思想から『エレア学派』に属す哲学者です。 それまで哲学の中心だった『イオニア学派』の考え方を 真っ向から否定したことに功績があります。 パルメニデスはイオニア学派の考え方を 『感覚に依存しすぎている』 と痛烈に否定しました。 万物の始原が水だとか空気だとか火だとか、 そのような候補が出てくるのは全て感覚に依存しているからであって 感覚とは主観だから、結局それって好き勝手なことを言っているだけだと 指摘したわけです。 つまり、世の中の根元に到達するためには 感覚に頼った思考ではなく、どこまでも論理的な思考で挑まないといけない。 このような考えを持っていたパルメニデスは ヘラクレイトスの『万物流転』に対して 『ト・エオン(ただあるもの)』 という概念を提唱しました。 あるものはあるし、ないものはない。 水があるときにはあったり、あるときにはなかったり そのような『あらぬもの』を考えること自体 あらぬものについては知ることも語ることもできないので 探究が不可能な偽りの道だと考えたのです。 例えばパルメニデスは もし存在が生成されたものであるとするならば。 という仮定をもとに論理的に思考を展開していきます。 もし存在が生成されたものであるとすれば、 それは『存在しているもの』か『存在していないもの』から 生成されたことになる。 仮に『存在しているもの』から存在が生成されたのであれば その存在の前にあるのは存在であるため、 どこまで辿ってもそこには存在があるので生成された瞬間を 想定することができない。 よって存在は『存在しているもの』から生成されたとは考えられない。 仮に『存在していないもの』から存在が生成されたとするならば そもそも『存在していないもの』自体を知ることも 語ることもできないのでこの時点で不合理であり 存在していないものから存在が生成されるとは考えられない。 つまり、存在が生成したとは考えられない。 このような論理から『不生不滅』 存在は生成されないし、消滅もしない、と考えました。 また、同じように もし存在を分けることができるならば という仮定をもとに論理的に思考を展開すると もし存在を分けることができるならば 存在と存在の間に存在しないものが生成されることになるため 『ないものがある』という不合理が生まれてしまう。 つまり存在は分けることができない(不分不断) と考えました。 こうしたことから、それまでに論じられてきた 例えばヘラクレイトスの万物流転のように 万物には始原があり、それが変化を繰り返すことで 多様性を生み出している。 という考え方自体をボコボコに論破したのです。 変化や多様性を感じるのは感覚の誤りであると。 極端な言い方をすればヘラクレイトスは 無から有が生成されることもあるし、 りんごがあるとき急にバナナになることもあると 言っているようなものだと。 それは明らかに感覚で考えることによる間違いだよねと。 これらのことをパルメニデスはこう表現しています。 あるものは、 不生にして不滅であり、全体にして一様であり、 完全にして揺るぐことのない、終わりなきものである。 それはかつてあったこともなく、 いずれあるであろうこともない。 なぜならば、それは今あるのだから。 一挙に、全体として、 一つにつながり合うものとして。 ーパルメニデス・断片8ー 生成もしないし消滅もしない 変化もしないし分割することもできない。 時すらも超えて完全に充足している。 そのような一つの大きな『ただあるもの』があるだけだと。 そして、感覚に惑わされて主観での変化などに捉われることなく、 知性と論理で真理を探究することが必要だと説いたのです。 このように、パルメニデスは古代ギリシアの哲学において 強烈な論理を持ち込んだ人として後世になっても 多くの哲学者から高い評価を受けることになります。 そして、当時もしかしたらムフフな関係であったかもしれない 弟子であるエレアのゼノンにその思想は引き継がれ、 より論理的に考えるという営みが哲学に浸透することになります。​
 
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