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授業で役立つ指導の技術-62-

2024-09-11 05:15:53 | 全員参加型授業の指導技術

《 くちびる読みで読みましょう 》

一人を指名して音読させ、他の子は黙って聞いているだけの授業が多い。
それでは時間がもったいない
次のように指示したい。

「○○さんといっしょに、くちびる読みで読みましょう。」

これだけで、読む・聴く力と集中力が高まる。

ここでいろいろな音読の形態を紹介する。
目的に応じて使い分けたい。

ア 一斉読み --- 全員で声を揃えて読む。斉読(せいどく)。小1から中3まで必要であり、有効である。

イ 円陣読み --- 円陣を組んで読む。人数の少ないクラス、おとなしい子ばかりで声の出ないクラスに有効。円の中央で声がハモり、協同して何かを作っている快感を味わえる。

ウ 共(とも)読み --- 教師と子ども達が共に(一緒に)に読む。いわば伴走。語句の読み・アクセント・速さ・抑揚(よくよう)・間(ま)を教えるのに有効。新しい教材に入ったときには行うとよい。「毎日読みましょう」「○回読んできなさい」という宿題を出すにはこれをしておくことが前提となる。

エ 追いかけ読み --- 教師が一文、または、一節を区切って読み、子ども達がそれに倣(なら)って読む。寺子屋の方式である。

オ 一文読み --- 一人一文のリレー読み。長い文と短い文があるが、リレーの継ぎ目のところに段差ができないようにすること。それを目指して練習すること自体が集中した読みを誘う。

カ 段落読み --- 一人一段落のリレー読み。

キ 分担読み --- 全文をクラス全員が分担して読む。

ク 役割読み --- 物語・小説で行う。会話文と地の文、また、登場人物を担当して読む。日本語力の差、声の高さや話し方の速さ等に配慮して適所を各人に割り振ることによって、誰にも成就感を味あわせることができる。

ケ 拡大語(かくだいご)読み --- 重要な語・フレーズ・文を、声量をあげて読む。説明的文章(説明文・意見文・論説文・評論文)の要旨をつかんだり確認したりするのに有効。

コ 速(はや)読み --- できるだけ速く読む。文脈を大づかみするのに効果がある。できるだけ息継ぎを我慢させるようにすると、苦しくなったとき自然と息を腹に入れようとすることになり、腹式呼吸を覚える。

サ 唇(くちびる)読み --- 唇だけを動かして読む。黙読では、難しい語を飛ばして読んだり、誤読に気づかなかったりする。ほとんど聞こえないくらいの声量だが、唇を動かすことでそれらが防げる。ほかの人が読むのを聞いているときは、これをさせる。

シ 微音(びおん)読み --- 唇読みよりも少し大きい声。声を出すのを避けたがる子どもにも抵抗感が少ない。

ス 指さし読み --- 教師がいま読んでいるところに人差し指を当てて読む。小1の1学期、および、日本語力の低い子どもに有効。

それぞれねらいが異なることを確認しておきたい。

出典 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/002/007.htm


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