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インザビルディング / In the Building

音楽(HIPHOP etc),小説(ミステリ etc),漫画,落語…
Who'z in da building?

17

2009-02-15 | 2F: 書庫
『17 #2 / 桜井まちこ』

別フレ連載中
サクライマチコさんの漫画

2巻も青春学園ドラマです。うー、切ねー。

高校最後の1年のおはなしということで
明るく元気な主人公、その親友、
主人公の彼氏、ちょい謎の男子友達の4人で
閉じちゃいそうなストーリー。

2巻 さらに台詞が少ないというか研ぎ澄まされているというか。
でも感情伝わるのが不思議。


ド直球少女漫画が好きなひとにドススメ。

i think very deeply

2009-02-07 | 2F: 書庫
①『おまえが若者を語るな! / 後藤和智』

②『それは、「うつ病」ではありません! / 林公一』


上記の新書二冊を同時読了。なので感想もまとめて…

①は"若者論"論者批判と、世代論への決別を促す内容で
世代論のくだりでは内容的にそれなりに共感しました。

しかし
宮台さんという論者や、香山リカという精神科医その他たくさん
の言論を批判しているのですが、
批判対象の本をまったく読んだことがないので
あまりピンときませんでした。

それより何より、文章が読みづらかったです…残念。
本文中から引用すると、
「さて、(中略)、香山リカの名前を挙げないことはできないだろう」
という表現があったのですが、私はこういう長い語尾が苦手なので
参りました… 



そんな読みづらい文章とともに読んでいたのが②です。

これが、読みやすいのなんのって。
沢山の人がうつ病という存在を知ったかわりに、
「うつ病」がやたらと蔓延し、ある種の混乱を招いている
という事例などを挙げて、「うつ病とはなにか?」に答えていく本。

内容も良かったですが、説明をできるだけわかりやすく
しようという意思が、文章の端々から伝わってきました。好感。


TOKYO PRISON

2009-01-31 | 2F: 書庫
『トーキョー・プリズン / 柳広司』

"ジョーカーゲーム"で広く読者を獲得した柳広司氏の
第二次世界大戦周辺を舞台にした作品、第2作目 文庫化。


1作目 "新世界"は、未だに心に残っているほどの素晴らしい作品でしたが
エンタテイメントとしては、この"トーキョー・プリズン"のほうが洗練されていて
良質かなと思いました。ジョーカーゲームは未読ですが、さらに面白いそうで
そら恐ろしいです。

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戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた私立探偵の
フェアフィールドは、調査の交換条件として、囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を
命じられる。捕虜虐殺の容疑で拘留されている貴島は、恐ろしいほど頭脳明晰な
男だが、戦争中の記憶は完全に消失していた。フェアフィールドは貴島の相棒役を
務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死事件の謎を追ってゆく。
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(表紙あらすじより抜粋)

1980年代生まれの自分には、この作品に描かれている"戦争"が
実態なのか、よく取材されたものなのかはわかりかねますが
(先ず巣鴨拘置所が池袋にあったことさえ知らなかったので…)
極限の精神状態を通過した人間性、当時の国民性・敗戦感情などが
登場人物の会話に織り込まれて書かれています。

また"新世界"で中心に据えられていた"原爆"は、この作品でも
大きく扱われており、これはしっかり翻訳して
日本語以外の言語圏のひとにも読んで欲しいなぁと思いました。


ミステリとしては、
キジマという囚人がホームズ、私立探偵であるフェアフィールドがワトスン。
キジマは安楽椅子探偵(安楽なところにはいないが)として
写真やフェアフィールドの報告などで、プリズン内の事件の謎を解いていく。

一方、フェアフィールド自身がホームズとなり、キジマの親友イツオをワトスンに据え
キジマの失われた記憶を調査していく、という二重構造。
こちらの謎のほうが深く、謎解きが面白いです。


私の好きなミステリ作家3名、
柳広司氏、石持浅海氏、米澤穂信氏は 作品もコンスタントに発表するし
作品の工夫は多様なのに、一本筋が通っているというか
テーマ・思想に一貫性があるところが好きです。

usagi drop #5

2009-01-22 | 2F: 書庫
『うさぎドロップ 5巻 / 宇仁田ゆみ』

次巻が楽しみな漫画のひとつ。
待望の第二部スタート。

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亡き祖父の隠し子・りんを
引き取ることにした大吉。
行方知れずだったりんの実母・正子に会い
話し合った結果、
りんを自分の手で育てる決意を新たにする。
それから10年後…
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30男の子育て漫画、と思っていたら、
いきなり時間が10年ぶっとびました。

主人公りんちゃんは4巻最後で乳歯が抜けたと思ったら、
5巻でいっきに高校生。


主人公の"りん"や大吉の想い人"二谷さん"は
すごいしっかり者なうえ、抑え気味な方々で。

それに引き替え、
男子チーム(りんの育ての親"大吉"、りんの幼馴染"コウキ")
は精神的な自由っぷりが甚だしいのです。
うーん、共感。男心は実にわかりやすい。

物語の着地点がいよいよわからなくなってきました。
ハリウッドエンディングは望んでませんが
大吉にももうちょっといいことあるといいなぁ。

new york state of mind

2009-01-20 | 2F: 書庫
『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない / 町山智浩』

映画評論家、コラムニストの町山さんの著書。

アメリカ合州国の現状を知るための資料としても
暇つぶしのちょっとした読み物としても、
大変面白く読めるアメリカ合州国に関するコラム集。

オバマ新大統領についても記述ありましたが
マケイン新副大統領についても書いてありまして
あまりよく知らなかった分、とても勉強になりました。

内容は読んだほうがいいと思いますが、
福音派(聖書のみを信じて1字1句その通りに生きようとするひとたち)
FOXニュース(Nasも"SLY FOX"で批判していたヘンテコメディア)
ブッシュ批判などなどアメリカのかわいそうなところが
沢山書いてありまして、驚いた驚いた。
ま、日本もマスメディアや政治など形は違えどかわいそうな
ところがあるのは変わりませんが・・・

ちなみにこの町山さんと越智さんという先生との対談になっている
集英社新書『オバマ・ショック』も面白いです。


何はともあれ、就任式が無事終わるよう祈っています。

YELL for the BLUE SKY

2009-01-14 | 2F: 書庫
『青空エール / 河原和音』

前作"高校デビュー"と同時発売だった新作 第1巻。

相変わらずのS*APPOROを舞台にした学校もの。
やはり面白い!

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小学生の頃テレビで見た光景に、
つばさは心を奪われた。
それは甲子園のアルプススタンドで、
熱い声援を送るブラスバンドの姿だった。
いつか私もあの場所に ―。
憧れと希望を胸に入学したブラバンの名門、
白翔高校。
だが、つばさはブラバン初心者!
同級生の野球部員、山田くんの
励ましを支えに、
いま小さな一歩を踏み出す ―。
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(単行本カバーあらすじより)

ブラバンという私は全然知らない世界のおはなしですが、
主人公が初心者なので、いろいろと丁寧丁寧。あんぶしゅあ。

主人公のつばさ・好青年山田くん・あとお友達も先輩も
全員さわやかさでさわやかで。

落ち込んでるひととか憂鬱なひとは
トリプトファンを摂取するのもいいですが、この漫画を読むのもいいと思う。

気になった台詞は、
「アレ吹いて!!ラピュタでパズーが吹いてるやつ」
"スラッグ渓谷の朝"は僕も大好きなので、
もし自分が楽器できたら絶対練習しちゃうだろうなぁ。

うーん、次巻も楽しみ。

SEEing SOUNDS

2008-12-13 | 2F: 書庫
『ちはやふる #3 / 末次由紀』

私的この漫画がすごすぎる2008
余裕で大賞。心のベストテン 第一位。


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小学6年の少女・千早は福井からの転校生・新と出会い、
競技かるたの世界を知る。天性の聴力で才能を開花させてゆく千早と、
全国レベルの実力を持つ新、そして二人に導かれた太一の三人は、
いつしかかけがえのない仲間となるが、卒業と同時に新は福井へ…。
月日は流れ、千早は高校生に。離れていても、かるたでつながった
三人の絆は変わらない。そう信じていた千早だったが、
新は祖父の死をきっかけに、かるたから離れてしまっていた。
それでも、「かるたを続けていればまた会える」あの頃の約束を胸に
新との再会を誓い合う千早と太一。二人の情熱が引き寄せた
新たな仲間とともに、瑞沢高校かるた部がいよいよ動き出す―!!
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今回、千早たちがつくった瑞沢高校かるた部が、全国大会目指して
都予選に出場するのですが、その試合中、途中で失調した千早が
本来を取り戻し、再び音を"聴く"瞬間があるのですが、
もう演出が巧すぎます。音がしない漫画で、ほんの小さな音までが
"視える"ってすごいです。擬音の描き文字がなくっても伝わると思います。

そして、登場人物の描き方が全部人間くさくて、瑞々しくて
とてもさわやかな読後感。



惜しむらくは、千早の姉・千歳がついに三巻では一度も登場しなかったです。
四巻はおまけ漫画で出してほしいなぁ。

The Babel Club Chronicle

2008-12-09 | 2F: 書庫
『儚い羊たちの祝宴 / 米澤穂信』

米澤穂信氏の最新作、〈バベルの会〉読了。
氏曰く、”私なりの奇譚集”(氏のHPより)とのことでしたが
なかなか味わい深い奇譚たちでした。


てっきり〈小市民〉〈古典部〉〈紺屋S&R〉と同様に
シリーズになるのかと思いましたが、読んだ感じだと
どうやら、ノンシリーズのようですね。

先ず、
各章の題名がふるっています。
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身内に不幸がありまして

北の館の罪人

山荘秘聞

玉野五十鈴の誉れ

儚い羊たちの晩餐
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旧家(地方の有力者の一族)がでてくるのですが
その雰囲気がよく伝わってきます。
興味をそそられる魅惑的な題名です。
この魅惑っぷりはミステリ好きにしか通じないかもしれませんが。



米澤穂信氏は、色々な角度からエンタテインしてくるので
今回も見事に楽しまされてしまいました。
脳内のミステリ胃袋が満腹です。


帯には、"フィニッシングストローク(最後の一行で…)"みたいな文句が
売りになっていましたので、
最後の頁でも、あえて最後の一行に間違って目がいかないように、
いかないようにと注意しながら読みました。

しかし、帯で、"フィニッシングストローク"をうたうとはなかなか
ハードル高くていらっしゃる。自分に厳しくていらっしゃる。

とまれ、読んだそばから読み返したくなりました。良作。



では"秋季限定マロングラッセ事件"もお待ちしております。

もうこうなったら"秋季限定栗ごはん事件"でも構いません。


SHANGRI-LA

2008-11-30 | 2F: 書庫
『シャングリ・ラ / 池上永一』

超話題作『テンペスト』の著者、池上さんの
前作、シャングリラ、文庫で読みました。

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加速する地球温暖化を阻止するため、都市を超高層建造物
アトラスへ移して地上を森林化する東京。しかしそこに
生まれたのは、理想郷ではなかった!CO2を削減するために
世界は炭素経済へ移行。炭素を吸収削減することで利益を
生み出せるようになった。一方で、森林化により東京は
難民が続出。政府に対する不満が噴き出していた。
少年院から戻った反政府ゲリラの総統・北条國子は、
格差社会の打破のために立ち上がった!
****************************************************

SFのぶっとび具合は、「銃夢」に匹敵する想像力、創造力。
くず鉄町が、森林になってるけど。

主人公・國子は、ばかでかいブーメランを使ったり
謎の声を聞いたり、超人的なキャラクタですが
それよりも、育ての母であり父である元ニューハーフパブの経営者
「モモコ」がすごいです!セリフのひとつひとつが輝いています。


こんだけ過剰な物語はひさしぶりに読みました。

無理矢理でもリアリティを作ろうとか科学的な根拠を
提示しようとかを求める方は
読んでると多少むかついてくるかもしれませんが
(そこが銃夢との決定的な違いかも)
とにかくエンタテイメント精神が素晴らしい!
つめこめるだけ想像力を詰め込んだ作品。


ラストは広げた風呂敷が果たして閉じられたのか疑問ですが、
読んだらとにかくおなかいっぱいになっちゃう作品。

March comes in like a lion #2

2008-11-30 | 2F: 書庫
『3月のライオン / 羽海野チカ』

桐山零くんという高校生プロ棋士と
その愉快な仲間たちおよび猫たちのお話、第二巻。

二階堂四段 a.k.a. 親友 a.k.a. ボドロの魅力全開の第二巻。
暑い!甘酸っぱい!青春だ!友情だ!もう漢惚れするね、二階堂!

作中にでてくる『将棋はじめて絵本』は、普通にすごい
わかりやすい。これほんとに作ったら売れるんでないすか。
そしたらきちゃうよ?将棋ブーム。
お金かかんないし、飽きないし、
今の世相にめっさ合ってるゲームやないすか。

とりあえず、読むとカレーライスが食べたくなったり
うな重が食べたくなったり、ストロベリシェイクが飲みたくなったり
詰将棋したくなったり、色々の効能がある良い漫画です。


NEW WORLD

2008-11-15 | 2F: 書庫
『新世界 / 柳 広司』

”ジョーカーゲーム”が大好評の柳さん過去作。

舞台は、ロスアラモス。
時代は、第二次世界大戦終戦直後、1945年8月。
マンハッタン計画の責任者、ロバート=オッペンハイマーが書いた記録
として、柳氏が”翻訳”したという体裁で書かれています。

ナチスドイツが原子爆弾を開発しているのではないかという
恐れを発端にして、始まったマンハッタン計画。
1945年3月、ナチスが原子爆弾を開発していないと判明してからも
計画は止まらずに、1945年8月の悲劇(アメリカからすると”英雄的行為”)
に至ったことから、オッペンハイマーは苦悩し自問する。

そして、起きるひとつの殺人事件。
大量殺戮を生み出した町で、たった一人の死を追求する。



有栖川有栖氏の解説が秀逸ですが、引用している笠井潔氏の言葉、
 > 本格ミステリの根底には大量死によって失われた
 > <死者の固有性>や<死の尊厳性>を回復
 > しようとする精神がある
というものにとても感銘を受けました。私がまとめられなかった
言葉がうまくまとまっています!


原爆に関するストーリーにあまり使うのは不謹慎な表現かも
しれないけれども、この作品はとてつもなく”面白い”です。

気をしっかり持って、読むべき作品。

Boat of Selinunteus

2008-11-09 | 2F: 書庫
『セリヌンティウスの舟 / 石持浅海』

本格の名手、石持さんの光文社文庫 たしか第4弾。
表紙のデザインが相変わらずいい感じ。
ちなみに石持さんは九大出身。へー。

あらすじ…
ダイビングツアー中の海難事故体験を共有することで
強い絆で結ばれた六人の仲間。

仲間のひとりが青酸カリを呷って、自殺した。

その死を弔い、遺志を知るために
その自殺の不自然さ、隠された謎を解こうと推理を始める。


本格というと何故か事件が起きて、何故か探偵がいて
何故か論理だけで事件を解決しようとする…という
構造が多いのですが、この作品は、なぜ物語が本格になるのか
を丁寧に創っているため、ミステリ嫌いのひとにも勧められます。

また、月の扉・水の迷宮と同じく、こころに響くラストが
待っており、読後の満足感が半端ないです。
本格でここまで、美しいという形容詞が似合う作品はないですな。


ひとりの人間が死んだ事実に対して、
何故どうやってその死に至ったかを
遺された人間が真剣に取り組むという本格ミステリは
実はひとの生死をとても尊く描こうとしているのではないかな
だから良質なミステリを読むのが好きなのではないかな、と
この作品を読んで、そう思いました。うーんまとまらないなぁ。





Mama is Tenpalist

2008-10-19 | 2F: 書庫
『ママはテンパリスト / 東村アキコ』

おんな風林火山 a.k.a. リアディゾンに似ている
東村アキコ先生の最新刊、読了。

す、すさまじい漫画です、これは。
電車の中では読まないほうがいい。
笑いをこらえるのがこんなにも苦しいとは。

ごっちゃんすげぇ。血筋か、これは。

ひまわりっの健一(1号)に勝るとも劣らぬ
その言動のカオスっぷり。

表紙のごっちゃんはかなりかっこいいです。
中身は、
育児漫画というか観察日記的なもので、
ごっちゃんのいろいろな表情が楽しめます。
そうかぁ子供はこんなことするんかぁ、と
感心しきりです。ごっちゃんが標準かわかりませんが。


きせかえユカちゃんもひまわりっも
テンパリストもすべてすごいクオリティで
連載を続けていてすごいっす!
どうか母子ともども健康で!


COELACANTH

2008-10-12 | 2F: 書庫
『シーラカンス / 霜月かよ子』


別フレ作家、霜月かよ子さんの最新作
シーラカンス、読了。

ひとつ前のblog記事で、肉鰭綱シーラカンスに触れていますが
別にこの漫画は、シーラカンスがでてくるアクアリストの話では
ありません。

しかもひとつ前のblog記事で、"迷宮のアリアドネ"というタイトルが
でてきましたが、霜月さんのひとつ前の作品は
"真夜中のアリアドネ"。繋がりますな。シンクロニシティ?


なぜか羊がでてくるんですが、目が怖い。
霜月さんは絵がやたらうまいので、羊の目とか
リアルに描かれるとほんとすごい怖い。


漫画としては、ミステリ要素が濃くて完成度高し。
少女漫画チックではないですが、僕は好き。
ミステリなので、ストーリがかなりタイトになってしまいますが
もう少し長くてもよかったなぁ。でも面白い!

Hedgehog's Dilemma

2008-10-12 | 2F: 書庫
『フォークの先、希望の後 / 汀こるもの』


THANATOSシリーズ 3作目、読了。


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政治家の息子が飼う魚の世話で日給五万円、ただし
飼い主の少年が現れると誰かが死ぬと噂あり。家庭の
事情で高額バイトを探していた女子大生・彼方が屋敷
へ向かうと理想の男性・高槻が目の前に……オクテな
少女は恋に落ちた!だが戦慄の事件が続発。噂の少年
"thanatos666"の呪いはやはり本物だった!?彼方の
恋と命の行方は?ラブ&ホラーの”タナトス”最新刊!!
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(裏表紙より、あらすじ)

今回は、作者の言によりますと、ハチミツとクローバーが
大ブームだったので、サワヤカラブストーリを目指したそうです。
原題は、「迷宮のアリアドネ」。
うむ、ちゃんと美大生がでてくるし、…でも爽やかなのか、これ。
肺魚が大活躍なんですが。


さて、陸上脊椎動物は、肉鰭綱から進化した、と考えられているため
シーラカンスか肺魚のどちらかがおそらく遠い遠い僕らの
祖先とつながるのでしょうが、どっちも見た目がすごい。
どっちかというとシーラカンスのほうがまだいいなぁ。


さて、本編的には
こんなに登場人物が苦しみもがくミステリもなかなかないです。
僕はミステリの謎解き以外が好きなので、事件以外の
(本格ミステリ的には)無駄が多いのは大歓迎です。

しかし、後半200頁を越えたところで、読むのがつらくなってきます。
落ち込んでいるひとは、読むのを一度ためらったほうがいいと思います。
重い。もう少しで号泣するとこだった。


んー、THANATOSシリーズは読むと、水族館に行きたくなるなぁ。