インザビルディング / In the Building

音楽(HIPHOP etc),小説(ミステリ etc),漫画,落語…
Who'z in da building?

san

2007-07-29 | 6F: 音楽室
dj klock 『san』

今は亡きdj klockさんの作品。
hiphopをベースにしていますが、音触りは柔らかくって
エレクトロやディープハウスとかが好きなひとも気に入るかなと。

訃報を知ってから聴くと、とても悲しくなるアルバムになってしまいました。

何気なく聴いても、その音楽の真剣さはとても心を打ちます。
ただ、3曲目『sun to sea』から4曲目『san to si』に入るところは
とてもユーモラスで愛らしい展開です。
音楽好きなひとは、ぜひ聴いてみて欲しいです。

FINDING FOREVER

2007-07-29 | 6F: 音楽室
COMMON 『FINDING FOREVER』

シャイシティの歴史に刻まれるべき最高のMC、
コモンさんの最新作、7作目(!)です。

JAY DEEへ捧げられた作品というアナウンスがあります。
カニエさんもディラさんの音を多少意識してトラックメイクしたとか
しないとか。
まぁ、カニエさんもディラさんもお互い特徴ありすぎなので
気持ちとしてのことだと思いますが。

構成もトラックもライムも全て美しいです。


ネクストレベルという言葉は随分昔からありましたが
僕としてはこの言葉を本当に実感したのは、最近です。
例えば、この作品common『finding forever』であり 
Tha blue herb『life story』、MJP『UNIVERSAL TRUTH』、GAGLE『3PEAT』であり
ヒップホップミュージックが成熟している感を受けます。

90年代をGOLDEN ERAと呼んで大切にすることもいいけれど
同時代で現在進行形で輝いている作品をもっとたくさん聴いていきたいです。


最も信頼できるMCのひとりが作りあげた傑作。



きらきら

2007-07-29 | 4F: 視聴覚室
こっこ『きらきら』

こっこさんの最新作聴きました!燦々スタジオブックレット付き!
ちっちゃい可愛らしいうたがたくさんです!
沖縄の手作りスタジオ、燦々スタジオで全曲録ったとか。
5曲目と17曲目はカバー。なんだか他の曲もすごい自由で
これがひとりのひとから生まれたメロディなのかぁと感心しました。

昨日、帰宅してから珍しくTVをつけたら、JCDに、こっこさんが!
とっても楽しそうに喋っていたのでこっちまで楽しくなりました。
 
01. 燦
02. あしたのこと
03. In the Garden
04. 甘い香り
05. お菓子と娘
06. An apple a day
07. 秋雨前線
08. Baby, after you
09. 君がいれば
10. 花うた
11. Tokyo Happy Girl
12. 小さな花
13. 雨水色
14. ハレヒレホ
15. タイムボッカーン!
16. 10 years
17. チョッチョイ子守唄
18. Never ending journey

あしたのこと、ハレヒレホとタイムボッカーン!がすごい好き。

燦々スタジオのブックレットも楽しいです!
手描きの看板があったり、スピーカの上にカエルがのってたり
マイクに猿がぶらさがってたり、こっこさんがトイピアノ弾いたり
リコーダ吹いてたり、体育館ではしゃいでいたり。

色んな表情で雨の日も晴れの日も曇りの日もしっくりくる
こういうアルバムたくさん聴きたいなぁ。


生物と無生物のあいだ

2007-07-23 | 2F: 書庫
『生物と無生物のあいだ / 福岡伸一』(講談社現代新書)

まだ今日めんどくさい試験が終わったばかりなので
読み始めたばかりですが、傑作の予感です。

各章の副題を読むだけで、かなりときめきます。
たとえば・・・
・ ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク
・ シャルガフのパズル
・ チャンスは、準備された心に降り立つ
・ タンパク質のかすかな口づけ
・ 数・タイミング・ノックアウト

素晴らしい文章力と展開で、魅力的な話題をつづるという
もう文句のつけようのない本です。
DNA、ノックアウトマウス、PCRマシン、
エントロピー、秩序・・・

詳しい内容はまた読み終わったら書こうかと思います。

サイボーグ俺達

2007-07-23 | 6F: 音楽室
『ハルカリ / サイボーグ俺達』

HALCALIの3枚目のオリジナルAL『cyborg oretachi』を購入。

タイムボカンチックなジャケでもう興味深々。
ポリシックスの『サイボーグ彼女(AL カラテハウス 収録)』と
タイトルかぶってるなぁと思ったら
タイトルトラックはポリシックスのプロデュースでした。

OTFのおふたりは一曲のみで、あとは色んなひとたちが
入れ替わり立ち替わりのはしゃぎっぷり。

FPM田中知之さんのtrack02: It's PARTY TIME!と
YOUR SONG IS GOODのtrack09: フェスでウィッス!が特にお気に入り。
ハルカリのおふたりはなんかフェスでてましたっけ。
あれか、これから出ますのでよろしくお願いしますということか。

あと、DVD付きもあるのですが、PVがどれもおすすめ。
でっかいスーパーマーケットを練り歩くのがかなり楽しいっす。

とりあえず、ジャケ買いOKです。
そいえばヤッターマン実写映画化はほんとなんでしょうか。


今日のものがたり

2007-07-23 | 2F: 書庫
しかくしけん(ある国の試験に関する見聞録)



今年もまた、『しかくしけん』の日が来ました。
この国では、職につくためには、より正確な四角形が
書けるかどうかの試験を受けなくてはなりません。

なぜって、ここでは、何もかも四角いものばかりなのですから。
本は四角、テレビも四角、テーブルも部屋もベッドもお札も。
四角の『用途』は無限だと、その国のひとびとは信じていました。

あるときひとりの男が現れて、革命家を名乗り、
四角試験において、四角以外の図形を書いていきました。
三角形に始まり、最近はより角の多い正多角形を書くことに凝っているようです。

まわりが、自分らが書いた四角形の比率を神経質に気にしているのに
革命家ときたら、今日はそれは正確に正十七角形を書いたのだと自慢しています。

もちろん、革命家は職に就けませんでした。
どの企業も三角形の本を出版したりしないし、
正十七角形の部屋を売りたいとも思わないのです。

しかし、革命家は日々の食事にも困るような貧困にあっても
決して曲げずに、試験のたびに角を増やして正多角形を書いていきました。
誰の評価も得られずとも。

そして、いつしか正多角形も角が増えすぎて、もう鉛筆やシャープペンシルでは
どこが角なのやらわからないほど、緻密になり過ぎてしまいました。

ここまできて初めて、革命家に対してひとびとは注意を払いはじめました。
そのなにやらわからないほどの正多角形というのは
その形じたいが非常に滑らかで、四角とは異なるなにかしらの『用途』を感じさせたのです。

この国では、車のタイヤも、歯車もレコードも四角なのです。
革命家の書いた図形を用いて、企業はタイヤやレコードを作ってみました。

すると今までの四角形ではなかった、滑らかな回転が得られました。
角にくるたびに、かっくん、なんてなりません。
革命家は、この四角い国に『円』をもたらしました。

しかし、革命家はすぐに次の土地へ行き、次の革命へ向かいました。
それが自分の『用途』なのだ、と彼自身が信じていたのです。

うさぎドロップ

2007-07-15 | 2F: 書庫
『うさぎドロップ / 宇仁田ゆみ』

フィールヤング連載の子育て漫画(?)
うさぎドロップを紹介。

タイトルと表紙がファンシーなので、
本屋さんで買うときは多少恥ずかしいです。
漫画好きの野郎どもはがんばって買いましょう。

三十路の独身男が、自分の叔母にあたる6歳の子を
育てたり、育てられたりするおはなし。
上の文章を読んで、関係性と年齢に混乱したひとは
正常です。そこらへんは読むとわかりますので。
(説明がめんどいわけではない、断じてない)

子どものこと、子育てのことは正直全然わからんけれども
とてもあったかくて面白いです。おすすめ。

こういうすごい作品を読むたびに、漫画家さんってすごいなぁと思います。
想像でつくったおはなしで、ひとに人生を考えさせられるって。

SHINE THROUGH

2007-07-15 | 6F: 音楽室
ALOE BLACC 『SHINE THROUGH』


01. Whole World
02. Long Time Coming 
03. Are You Ready
04. Busking 
05. Bailar Scene Ⅰ 
06. Nascimento Scene Ⅱ 
07. Dance for Life
08. Patria Mia 
09. Shine Through
10. Caged Birdsong
11. Arrive
12. Want Me
13. One Inna
14. I'm Beautiful

STONES THROWの名盤のひとつ、アロエ=ブラックさんの1st AL。
ソウルシンガーですが、トラックもほぼ自前のようですし、
曲名からもわかるように、かなり多彩な音色を使います。
スパニッシュもいけるようです。

大学でスペイン語習ってたのにタイトルに使われている
いくつかの単語すらわからん・・・

とにかく、魂に沁みるスモーキーな歌声が素晴らしい一品です。


ものがたりを書いてみました

2007-07-14 | 2F: 書庫
『たいふうずまい』

南の海で生まれ育って、ずいぶんおおきくなった台風が、
ゆっくり力強く、旅をしている。

海の上を通ると、その台風のあんまり強い風のせいで、
海面ちかくにいた魚やら、近くを飛んでいた海猫やらは
台風の中に巻き込まれて、ぐるぐるぐるぐる回された。

森の上を通ると、木やら土やら。牧場の上を通ると、牛やら枯れ草やら。
村の上を通ると、ほったて小屋やら畑やら、全部さらって、ぐるぐる。


そしてもう何年もほったらかしの公園の上を通ると、
ひとりの男をさらって、ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。

男は公園のベンチで寝ていて、そのまま台風にさらわれて
その渦の中に来てしまったものだから、目が覚めたときはとても驚いた。
でも帰るところもないので、とりあえずしばらく、ぐるぐるしていることにした。

慣れると、台風住まいも悪くはなかった。汚れてボロボロだった男の服は、
まるで洗濯機にもまれたみたいに汚れが落ちた。巨大な洗濯機だ。

腹がへったら、吹き荒れる風の中で多少足をふんばって、
どこかで巻き上げてしまった畑の野菜が飛んでくるのを待ってみる。
うまく掴めたら、食べればよい。
のどが渇いたら、牛をつかまえて乳をしぼればよい。
眠るときは、どこかで巻き上げた小屋をつかまえてもよかったのだけれども
男は一緒にさらわれたベンチに愛着が沸いていて、そこで寝た。

ある日、台風は相変わらずゆっくり力強く進んでいると、
町の小さな図書館の上を通った。

台風はごっそりその図書館の本棚を巻き上げた。
男は喜んで、その蔵書を手にとって読むことにした。

ケーキ屋の上を通って、そのショーケースを巻き上げたのには、男はとくに喜んだ。
彼は、甘いものが好きだが、もう長いこと食べる機会にありつけなかったから。

台風がなにか巻き上げるたびに男の生活は快適になり、彼は喜んだ。

でも彼は気付いていた。彼の台風住まいを潤すものが誰かのものを奪っていると。

ある日、自分の住むこのおおきな台風が、
たくさんのひとが住むおおきな街を見たがっていることに男は気付いた。
ながく一緒にいると、しゃべらない台風の気持ちもわかるようになるものだ。

しかし大きくなり過ぎた台風が街を飲み込めば、
男の生活を潤すものはたくさんもたらすけれども
とても悲しいことになると思ったので、男は、台風に海に行こうと提案した。
代わりに都会の話は、僕が沢山してやろうと。

ゆっくり力強く、台風は海へと向かい始めた。
もう何かを巻き上げて奪ってしまうことはないだろう。
男は、ゆっくり力強く言う。

「なに、台風住まいも悪くない。」

HIPHOP LIVES

2007-07-14 | 6F: 音楽室
KRS ONE & MARLEY MARL 『HIPHOP LIVES』

ふたりのリヴィングレジェンド、KRSワンとマーリーマールの
タッグアルバム。
あまりにも有名なブリッジバトルの当事者たる
KRSワンとマーリーマールの二人が組んで、この21世紀
アルバム一枚作り上げてリリースされるとは、衝撃です。

この作品によって、くだらないビーフを絶滅されることができるのかは
わかりませんが、ヒップホップとしておよそ純粋ではない暴力的な
争いを否定することは重要だと思います。

9曲目がとても悲しい内容です。
KRS ONE>「死ぬやつが多すぎる。泣く母親が多すぎる。」

HIPHOPは私的な歌詞が多いため、じぶんたちの仲間の死を
悲しむ曲も多くあります。そういう曲はとても大切だと思います。

KRSワンが、1987年、若くして殺された盟友スコット・ラ・ロックを
失った悲しみを、『STOP THE VIOLENCE』ムーブメントに
変えたことは(当時を知らない僕ですが)とても力強く、美しいと思っています。

日本盤ボーナストラックとして、改めて歌われた『STOP THE VIOLENCE』が
収録されています。
KRS ONE> "I'm still here,still last,still ain't gon' nowhere"
『(意訳)僕はここにいる。まだ生き残っている。どこにも行かない。』

深い意味のあるアルバム。

てろてろ

2007-07-14 | 4F: 視聴覚室
矢野絢子さん 『てろてろ』

ずっと聴きたかった唄のCDをやっと買いました。
とても良い曲です。

ともだちがこの唄をとても上手にうたっているのをきいて
すっかり耳にのこってました。

詩がものがたりみたいで、とても美しいです。
古い映写機のカタカタ音が聞こえそうな、そんな美しさ。

佳作なひとで、フルアルバムが1枚と
 『浅き夢』というミニアルバムが1枚あるのを知っているだけ
なのですが、1曲1曲が永ーく聴いていけるので
のんびりいつかまたひょっこり作品をだしてほしいなぁ
・・と思います。


paper ocean

2007-07-03 | 1F: 総合受付
読みたい本がたまってきました。

梨木果歩さん著「ぐるりのこと」
いしいしんじさん著「雪屋のロッスさん」
坂木司さんの新作(タイトルわからん)

なんかもっといっぱいあったなぁ。読みたいの。
今度のんびり本屋さん行くのが楽しみ。

いい加減、本棚追加設置せんと
部屋が、本の海になる。ぶくぶくぶく・・・