インザビルディング / In the Building

音楽(HIPHOP etc),小説(ミステリ etc),漫画,落語…
Who'z in da building?

TOKYO PRISON

2009-01-31 | 2F: 書庫
『トーキョー・プリズン / 柳広司』

"ジョーカーゲーム"で広く読者を獲得した柳広司氏の
第二次世界大戦周辺を舞台にした作品、第2作目 文庫化。


1作目 "新世界"は、未だに心に残っているほどの素晴らしい作品でしたが
エンタテイメントとしては、この"トーキョー・プリズン"のほうが洗練されていて
良質かなと思いました。ジョーカーゲームは未読ですが、さらに面白いそうで
そら恐ろしいです。

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戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた私立探偵の
フェアフィールドは、調査の交換条件として、囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を
命じられる。捕虜虐殺の容疑で拘留されている貴島は、恐ろしいほど頭脳明晰な
男だが、戦争中の記憶は完全に消失していた。フェアフィールドは貴島の相棒役を
務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死事件の謎を追ってゆく。
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(表紙あらすじより抜粋)

1980年代生まれの自分には、この作品に描かれている"戦争"が
実態なのか、よく取材されたものなのかはわかりかねますが
(先ず巣鴨拘置所が池袋にあったことさえ知らなかったので…)
極限の精神状態を通過した人間性、当時の国民性・敗戦感情などが
登場人物の会話に織り込まれて書かれています。

また"新世界"で中心に据えられていた"原爆"は、この作品でも
大きく扱われており、これはしっかり翻訳して
日本語以外の言語圏のひとにも読んで欲しいなぁと思いました。


ミステリとしては、
キジマという囚人がホームズ、私立探偵であるフェアフィールドがワトスン。
キジマは安楽椅子探偵(安楽なところにはいないが)として
写真やフェアフィールドの報告などで、プリズン内の事件の謎を解いていく。

一方、フェアフィールド自身がホームズとなり、キジマの親友イツオをワトスンに据え
キジマの失われた記憶を調査していく、という二重構造。
こちらの謎のほうが深く、謎解きが面白いです。


私の好きなミステリ作家3名、
柳広司氏、石持浅海氏、米澤穂信氏は 作品もコンスタントに発表するし
作品の工夫は多様なのに、一本筋が通っているというか
テーマ・思想に一貫性があるところが好きです。

Microphone Pager

2009-01-22 | 6F: 音楽室
『王道楽土 / Microphone Pager』

TWIGY、MURO、再び。

先日、TWIGYがJAZZY SPORTへ移籍という
びっくり仰天NEWSがありましたが
レーベルメイトとなるCOMA-CHIさんが
#14 "灯り消すな"でゲストMCに。

そして、ほぼ全トラックで多彩なゲストMC。

正直、Teezo weezoもking of diggin'も
充分にそれぞれがリビングレジェンドなので、
ソロ作でも豪華ゲストを迎えたALなら作れるんではと思いますが、
Pagerで出すことで、聴き手の盛上り度合が違いますね。
これが狙いか。

ALとしては、
Twigyが、vocal directionとして、多彩で意外な組合せのMCの配置を、
Muroが、すべてのドープトラックを確かな手腕でプロデュース。

組合せの妙が、なんともいいです。
B.DとD.Oとか、Qと漢と鎮座DOPENESSとか、ANACHYとSEEDAとか。

しかし、王道楽土というタイトルは何とも。
まさか四字熟語で来るとは、期待通りというかなんというか。

兎にも角にも、
HIPHOPに救われたことのあるすべての人に
おすすめできる日本語ラップの良心。

usagi drop #5

2009-01-22 | 2F: 書庫
『うさぎドロップ 5巻 / 宇仁田ゆみ』

次巻が楽しみな漫画のひとつ。
待望の第二部スタート。

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亡き祖父の隠し子・りんを
引き取ることにした大吉。
行方知れずだったりんの実母・正子に会い
話し合った結果、
りんを自分の手で育てる決意を新たにする。
それから10年後…
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30男の子育て漫画、と思っていたら、
いきなり時間が10年ぶっとびました。

主人公りんちゃんは4巻最後で乳歯が抜けたと思ったら、
5巻でいっきに高校生。


主人公の"りん"や大吉の想い人"二谷さん"は
すごいしっかり者なうえ、抑え気味な方々で。

それに引き替え、
男子チーム(りんの育ての親"大吉"、りんの幼馴染"コウキ")
は精神的な自由っぷりが甚だしいのです。
うーん、共感。男心は実にわかりやすい。

物語の着地点がいよいよわからなくなってきました。
ハリウッドエンディングは望んでませんが
大吉にももうちょっといいことあるといいなぁ。

CINEMA RAKUGO - E.T.

2009-01-20 | 4F: 視聴覚室
『シネマ落語 E.T. / 立川志らく』


立川一門の俊才、志らく師匠の数少ないDVD作品。
渋谷の映画館シネマライズで口演されたシネマ落語の
「E.T.」と「子別れ」を同時収録。
その才能のとてつもなさが味わえる良盤。

シネマ落語は、数々の名作映画を基にして
舞台を江戸に置き換え、噺を作る、という映画好きならではのネタ。

これは、古典落語「子別れ」を初めにやり、
そのあとで「E.T.」をやるのですが、
なんと、内容が子別れとリンクするという妙技!
江戸では、E.T.は何に置換されるのか?
あの名シーンはどのように再現されるのか?
など見どころたくさん。


兄弟子である談春師匠もDVDだしましたので
あれも観たいのですが、まだ買えてません。
家元の「やかん」も観たいなぁ。



new york state of mind

2009-01-20 | 2F: 書庫
『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない / 町山智浩』

映画評論家、コラムニストの町山さんの著書。

アメリカ合州国の現状を知るための資料としても
暇つぶしのちょっとした読み物としても、
大変面白く読めるアメリカ合州国に関するコラム集。

オバマ新大統領についても記述ありましたが
マケイン新副大統領についても書いてありまして
あまりよく知らなかった分、とても勉強になりました。

内容は読んだほうがいいと思いますが、
福音派(聖書のみを信じて1字1句その通りに生きようとするひとたち)
FOXニュース(Nasも"SLY FOX"で批判していたヘンテコメディア)
ブッシュ批判などなどアメリカのかわいそうなところが
沢山書いてありまして、驚いた驚いた。
ま、日本もマスメディアや政治など形は違えどかわいそうな
ところがあるのは変わりませんが・・・

ちなみにこの町山さんと越智さんという先生との対談になっている
集英社新書『オバマ・ショック』も面白いです。


何はともあれ、就任式が無事終わるよう祈っています。

WONDER WHEEL

2009-01-20 | 6F: 音楽室
『WONDER WHEEL / サイプレス上野とロベルト吉野』


サ上とロ吉の待望の2nd AL!
前作『ドリーム』も最高でしたが、今回も期待通り。

ジャケは、相変わらずのサ上さんの母による渾身の筆。
今回は、そんな母に捧げるトラックもあり。かーなり名曲。

ジャケの色味が示す通りに、とてもカラフルなトラック群。
特に、SLY MANGOOSEを迎えた FEEL LIKE DANCEは面白いです。

リリックの追いやすさと選ぶトピックの親しみやすさで
かなりPOPに機能してます。
しかし、"日本語RAP"が大好きだ!という思いも伝わるので
アンダグラウンド・オーバーグラウンドまたいで愛されることでしょう。
むしろ愛されろ。


早くも2009年ベストAL候補、か!?

WANTLIST

2009-01-17 | 1F: 総合受付
すでに発売中のものもあるけれども
現在のWANTLIST まぁただの備忘録。

【MUSIC】
01月14日 THE LIVE / LARGE IRON & J.F.K
 →MJPの2人によるライブ盤。DJがなんとDJ TAMA(S.P.C.FINEST)

01月14日 INTERNATIONAL BREAKDOWN / READER
 →札幌の2人による初AL。純正HIPHOP

01月21日 BUBBLE YOU! / 2 MUCH CREW
 →日本の音楽秘境のひとつ、2MUCHCREWのAL。

01月21日 WONDER WHEEL / サイプレス上野とロベルト吉野
 →サ上とロ吉の2ND!間違いない。

01月21日 王道楽土 / MICROPHONE PAGER
 →ペイジャー ストライク バック!やばいに決まっている。

02月04日 RED NAKED / COMA-CHI
 →バカ売れするといいと思う。

02月06日 RAP IDOL / MIC AKIRA
 →マイクアキラ ストライクバック!ゲストもすごいそうな。

02月18日 DON'T LOOK BACK / FIRE BALL

03月11日 未定 / RADWIMPS



【MANGA】
01月22日 うさぎドロップ / 宇仁田ゆみ

01月23日 少女ファイト / 日本橋ヨヲコ

01月30日 金魚屋古書店 / 芳崎せいむ

02月13日 17 / 桜井まちこ

02月25日 はなまる幼稚園 / 勇人

【DVD】
12月19日 親子会 in 歌舞伎座 / 立川談志 & 立川談春
 →まだ買っていません。談春さんは初のDVDかな。

03月18日 home / RAHMENS

03月25日 THE AUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08 / THA BLUE HERB

04月01日 TEXT / RAHMENS
 

In the cold, Cold night

2009-01-15 | 1F: 総合受付
風邪らしきものを引いてしまいました…
胃腸が弱ってます。

貧弱すぎます。
流行(流行りの風邪らしい)に敏感すぎます。

納豆ごはんでももしゃもしゃ食べて治そう。
まぁ、たんと寝れば一日で治るやろうけども。

そして、久々にだらだらわーるどわいどうぇぶ
しておりますと、私が大学時代お世話になった
Q大落研 部室取り壊し→お引越しのニュースが!

私が在籍中に既に新キャンパスの話があったので
ちまちま問合せしてみてたんですが
"もしかしたら新キャンパスには部室用意できないかも"
というニュアンスの話もちらりとあったので心配してましたが
安心安心。当たり前っちゃあ当たり前ですが。

想い出の場所が無くなるのは残念ですが
現役の落研人の衛生状況を考えると良かった良かった。




YELL for the BLUE SKY

2009-01-14 | 2F: 書庫
『青空エール / 河原和音』

前作"高校デビュー"と同時発売だった新作 第1巻。

相変わらずのS*APPOROを舞台にした学校もの。
やはり面白い!

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小学生の頃テレビで見た光景に、
つばさは心を奪われた。
それは甲子園のアルプススタンドで、
熱い声援を送るブラスバンドの姿だった。
いつか私もあの場所に ―。
憧れと希望を胸に入学したブラバンの名門、
白翔高校。
だが、つばさはブラバン初心者!
同級生の野球部員、山田くんの
励ましを支えに、
いま小さな一歩を踏み出す ―。
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(単行本カバーあらすじより)

ブラバンという私は全然知らない世界のおはなしですが、
主人公が初心者なので、いろいろと丁寧丁寧。あんぶしゅあ。

主人公のつばさ・好青年山田くん・あとお友達も先輩も
全員さわやかさでさわやかで。

落ち込んでるひととか憂鬱なひとは
トリプトファンを摂取するのもいいですが、この漫画を読むのもいいと思う。

気になった台詞は、
「アレ吹いて!!ラピュタでパズーが吹いてるやつ」
"スラッグ渓谷の朝"は僕も大好きなので、
もし自分が楽器できたら絶対練習しちゃうだろうなぁ。

うーん、次巻も楽しみ。

Snow King

2009-01-09 | 1F: 総合受付
東京 初雪!


写真は、東京に積もった雪ではありませんが。
まぁほとんど雨ですが。
寒かったですが。


正月太りか、冬眠できるくらい腹に脂がのってしまったので
めんどくさいけど、腹筋でもしようかな。
食事を制約し、スポーツを適度に行い
体をビルドアップしなくては。

といいつつ、ネットしながらチョコレート食べてるけど。
チョコうまい。

General Rouge returns in triumph

2009-01-09 | 1F: 総合受付
『ジェネラル・ルージュの凱旋 / 海堂尊』

このミス大賞シリーズ
1st 『チーム・バチスタの栄光』
2nd 『ナイチンゲールの沈黙』
そして、3rdが本作
4th 『イノセント・ゲリラの祝祭』

メディカル・エンタテイメント小説 文庫版最新。

本作は、2nd『ナイチンゲールの沈黙』と同時系列で進行する
という構成。もともとは1作で出すつもりだったようですが
長いので2作に分けたそうです。大正解ですね。

完全に、ミステリ小説ではなくなっていますが
面白さはさらに加速。
会議しているだけで面白いってどんだけすごい文才か。

今回は、ドクターヘリの導入、エシックス・コミティ(倫理問題審査委員会)が
エッセンスとなっていますが、何と言ってもキャラクタの魅力が
このシリーズの最高の特徴と思います。

今回は、救急救命センター部長 "血まみれ将軍" 速水がほぼ主人公。
"ロジカル・モンスター"白鳥も真っ青のアクティブフェーズを繰り広げます。

ちなみに映画版では、堺雅人さんが"速水"役だとのことですが
笑顔のイメージが強い堺さんが、
激しいジェネラルを演じるのがとても楽しみです。
映画"バチスタ"は観ていませんが、"ジェネラル"はぜひ観ようと思います。


日本の小説 最高峰のひとつ。

Progress Train

2009-01-04 | 1F: 総合受付
年末年始は、実家へ。もう戻ってきたけど。

ひさびさに汽車で、北海道→東京の旅路でした。
青函トンネル間は、立ちっぱだったのでちょっと足が棒に。

途中八戸で乗換時間ないなか、
みどりの窓口の案内のおねえさんがいい人だったので
それだけが救いでした。八戸気に入りました。ペィーース。


列車は好きなのですが、夜だったので何の景色も楽しめず…

悔しいので、実家の近所で撮った写真を載せてみよう。
この写真だけ見ると、すごい荒野に実家があるんでないかと
思ったり思わなかったり。


あ、明けましておめでとうございます。
明けてめでたかったと思える2009年に少しでも早くできるよう祈りつつ。


ガザの悲劇が一秒でも早く、止まるよう。
どんな理由もいりませんので、殺すな。


ジョージ=ウォーカー=ブッシュが滅ぼしたアメリカ合州国を
バラク=フセイン=オバマ大統領がゆっくりと生き返らせるよう。


日本は、地方のちからで少しでも良くなるよう。

地方に予算・決定権をもたせて、
小さな政府・小さなユニティに移行していく、
ただし、情報と人の流れは、閉じないようにする。
とか考えたり考えなかったり。



何があっても Progress, / 前進、