インザビルディング / In the Building

音楽(HIPHOP etc),小説(ミステリ etc),漫画,落語…
Who'z in da building?

SWA's DVD

2009-05-10 | 5F: 寄席会場
『 SWAのDVD / SWA 』

SWA(創作話芸アソシエーション)

→平成16年旗揚げ。春風亭昇太、柳家喬太郎、三遊亭白鳥、林家彦いちによる
 落語創作集団。しかしいつまでも昇太師匠は童顔です。50歳っすよね?


ブレンドストーリー「願い」

→「願い」を共通テーマに、独立した4つの噺が次々に繋がっていく創作落語。

 「掛け声指南」・「奥山病院奇譚」・「空に願いを」・「カラダの幇間」

 とすべてカラーの違う4つの噺。今までに創作していた新作落語を

 もとに、物語がつながるよう改編したもの。上手くつなげたなぁ。

 

私は古典落語も新作落語も等しく好きなので、これだけ面白く完成度の高い

噺を創られたら、もう拍手喝采です。脱帽。


さらに特典映像として夢枕獏氏・京須偕充氏・高田文夫氏のインタビュー

また4人のネタ作り・舞台裏映像もあり、色々楽しめます。


落語を聞いたことない方もコアなファンも必見。

SWA No.6

2009-04-25 | 5F: 寄席会場
『喬太郎落語秘宝館4 / 柳家喬太郎』


喬太郎師匠の代表作のひとつ、"すみれ荘二○一号"と

初収録のSF(すこしふしぎ)な噺"いし"が収録されているCD。


最近は、渾身の著書"落語こてんパン"や

メンバー(6号)として参加している"SWAのDVD"がリリースされている師匠ですが

WAZAOGIレーベルから、かなりたくさんCDもでています。


さて、「すみれ荘二○一号」は大学の落語研究会に所属している

人間の悲哀なのか素晴らしさなのか、何かを表現している噺。

ライナーノーツを読むと、一般の方(非落研人)にもちゃんと受けるそうです。

しかし、素晴らしい噺です。落語史に残るものだと思います。

Succession to his name...

2009-04-11 | 5F: 寄席会場
『林家三平襲名披露興行』


先週日曜 新宿末広亭の林家いっ平改メ三平襲名披露興行に行ってきました。

一緒に付き合わせてしまったカノジョさんは

太神楽や紙切りなどで大変感心しておりました。紙切りは正楽師匠だったかな。


私はというと、一番見たかった柳家三三師匠が三名の交替出演枠だったんですが

ちょうどこの日出演だったので、運が良かったです。そして抜きんでて面白かった…


林家三平さんは、「荒茶」を演られました。あまり好きな噺ではないです。

本多正信が加藤清正他七名(?)を茶に招く噺。「本膳」と同じ骨子。

いつか噛むんじゃないかとハラハラしながら聴いてました。

写真は、口上で配った手ぬぐい。果たして三平さんは化けるのでしょうか。



Mr. Camel standing in the rain

2009-03-06 | 5F: 寄席会場
『雨ン中の、らくだ / 立川志らく』


立川談春師匠の『赤めだか』が各方面から大変な評価を得ましたが
志らく師匠のこの作品は、裏タイトルが『青めだか』だそうです。
やはり終生のライバル!ぶつけてきましたか。
しかし、青いめだかは別にでてきません。

せっかくだから、ほんとに便乗してしまえばよかったのに。
赤めだかと装丁を似せてみたり。本屋でも展開しやすいだろうし。

しかし『雨ン中の、らくだ』というタイトルの
意味がわかったときは泣きそうでした。


内容としては、「志らくの談志論」。
といっても、志らく師匠の半生記にもなっており
談志に惚れたひとりの男の青春物語です。


松曳き、粗忽長屋、鉄拐、二人旅、らくだ、お化け長屋、
居残り佐平次、短命、黄金餅、富久、堀の内、三軒茶屋、
やかん、天災、よかちょろ、源平盛衰記、金玉医者、芝浜

サブタイトルは上記しました18の落語のタイトル。
印象に残っている、または談志師匠を語るうえで必要な
噺たちを並べているそうです。


これはいい本だ

西行鼓ヶ滝

2008-08-15 | 5F: 寄席会場
音に聞く
   鼓が滝をうち見れば
         かわべに咲きし蒲公英の花


昨日、夏休み前の仕事納めで
(というほど大した区切りはなかったですが)
定時でパッと切り上げて、浅草演芸ホール夜の部へ。

久々の寄席でしたが、仲入り前までは演者さんも客もだれている
感じがしたのは、きっと暑さのせいでしょう。
そう思おう。そして早く忘れよう。


その日の主任は、九代目林家正蔵師匠。
噺のほうはってぇと、なんと「西行鼓ヶ滝」!!

初めて生で聴きました!面白かった!
題名あってるかな?

西行さんが鼓が滝(兵庫県)に行きまして歌を詠む。
悩みながらも一句詠めたが、その場でウトウトしてしまい
いつの間にかあたりは真っ暗。宿へ急ぐがなぜかどんどん山奥へ入ってしまう。
困っていると民家の灯りが見え、泊めてもらえぬかと
お願いしたところ、歓迎された西行さん。
そのうちには、お爺さんお婆さんと小さい娘がいました。
西行さん鼓が滝で詠んだ歌を聴かせると
お爺さんが歌の手直しを進言してくるが…という噺


昔、誰の音源で聴いたことあるのか覚えてない…
正直面白いと思ってなかったので…
上方噺だと思ってたし。あれ?上方江戸両方あるのかな。


主任前、林家いっ平さんの「お血脈」も面白かったです。
そろそろ三平襲名だったっけかな。

LAUGHING SUPERMAN

2007-12-30 | 5F: 寄席会場
『笑う超人 / 立川談志×太田光』

企画・演出 太田光さんによる
立川談志師匠の落語 二題『黄金餅』『らくだ』
特典として、『鼠穴』


談志師匠が常に悩んでいることにやきもきしている
太田さんと師匠が対談して、その後落語に入るという構成で
落語自体は非常に巧みにカメラワークやらなんやら考えて撮って
いるようで、かなり見やすいです。

『黄金餅』『らくだ』
どちらも現代の死生観とは多少異なると感じる部分がある
ちょっとやそってでは演じられない噺だと思いますが
とにかく凄まじい演じ方です。
見ないとわからないので、落語のすさまじさを見たい方はぜひ。


僕は学生落語をやっておりましたが、
でかい噺でも『芝浜』『子別れ』などはレベルは低くとも
なんとかお客さんを笑わせたり泣かせたりということを
ターゲットに演じられますが、上記の二題はとてもとても
高座にかけようとは思えませんでした。

あと、与太噺である『猫怪談』も同じように
落語世界の死生観が現れている噺ですが
あと留年でもして1年あればかけたかった噺でした。
ほとんど高座にかからないマイナな噺なので
だれか口演して復刻しないかなー。

それにしても、
太田さんは必死に伝えようとしますね。
こんなにエネルギをかけて人とコミュニケートしようとする
ひとには僕はまだ会ったことがありません。真摯ですね。




『全ての答えは落語にある。』

MEMORYLANE

2007-03-31 | 5F: 寄席会場
部屋の片付けにより、大学時代(落研)のもろもろと出会いました。

その中で、大喜利マニュアルを発見。
しかも製本前。その昔、大先輩S艘さんがまとめたもの。

なぞかけとか折込川柳とかものづくしとかプレゼントとか
んー懐かしい。

今もこのマニュアルは使われているんだろうか。
つーか、ものづくしとかもう絶対できん。のーみそが固くなりました。

注)『ものづくし』とは?
お客からもらったテーマを洒落として折り込み
演者六人で順番にむかしむかしからめでたしめでたしで
物語を紡ぎ、完結させる。難易度☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



『芸』も発見。寄せ書きとか読み返すと
なんかうれしいもんですなー。

しかし外は風がすごいなー。

Between Rakugo & I

2007-02-04 | 5F: 寄席会場
僕が大学で4回生のときの1回生が今年卒業。
僕の所属していたサークルでは、1月末にその年の4回生を
追い出すのですが・・・

お疲れ様メールが届けられなかった後輩もいるので
ここに書いておきます。もしかしたら読まれることもあるかもなので。

「四年間お疲れ様でした!大学残るひとも出るひとも色々のようですが
 どんな場所でも、楽しい日々を!健康でいつか会えることを祈って。」

落語を好きでいられるならこの先どんなことになっても
生きていけると思います。
落語には人生の真理とか教訓とかがある・・みたいなことじゃなくて、

どんな日常にも滑稽さを見つけて笑い飛ばしていけば、
心は折れずに生きていけるんじゃないかなと。



粗忽の国

2006-04-29 | 5F: 寄席会場
八五郎「困ったね。宿替えだぁって荷物背負って朝早く先の家ぇ出たってのに、
    新しい家の場所忘れちまったい。と、ここはどこだろうね。参ったなぁ。」

通行人「えー少々うかがいますが」

「ん?なんだい」

「えー、堀の内の御祖師様行くのぁこの道でいいんですか」

「うーん、そうだな。まずここがどこかわかりゃ教えられるかもしれねぇ」

「なんだい。お前さんも迷子かい?ならしょうがねぇや
 (気を取り直して、歩き出し)みょうほうれんげえきょう、なんみょうほうれんげえきょう」

「ははっ、何だいあいつぁ。よく見ると枕かついで歩いてらぁ。弁当じゃねえんだから。
 ・・・さてはあいつも粗忽もんだな!へへ、おいらもかかぁに粗忽だ半人前だなんて
 言われるが、他にもいるもんだね。」

侍「あーすまないが、そこの者。わしはどこに行く?」

「ん?お、お侍さん?何です、いきなり。
 あぁたがどこ行きてぇのかぁあっしにはわからねぇんですが」

「む、それはそうだな。おう、そうじゃ!身共は使者に参るところであった。
 ・・・しかし、あぁどこのお屋敷だったかな。・・・失念してしまった。無念!切腹せねば」

「ちょ、ちょっと待っ・・!事情は知らねぇが切腹することぁねえでしょ?」

「(少し落ち着き)う、うむ少し焦りもうした。身共、幼少の頃よりの粗忽者。よくものを忘れる。
 (勢いよく)そ、そうじゃご貴殿、身共の臀をつねりくれまいか?」

「(不思議な顔をして)なんです?尻をつねるんですか?」

「うむ、身共、臀をつねると失念したことをはたと思い出すことが度々ござる。
 使者を無事に果たさねば武士の面目が無い。ご貴殿、臀を、臀を(涙ぐみ)お願いもうす」

「わかったよ。つねりゃいいんだね。じゃあ尻ぃこっち向けてくんねぇ。
 あーいいかい?(指をかまえ)いくよ?せーのっ!(思いきりつねる)」

「お!おお!思い出した。感謝する!急ぐので失礼する!」

「(走り去る武士を見送り)はぁ、変わった人もいるもんだね。
 へへっ、しかしお侍さんにも粗忽者ってのぁいるんだね。
 しかし、さっきからここはぁ随分、粗忽者が多いね・・・」

謎の老人「それぁそうじゃ。(微笑み)ここは粗忽の国じゃからな」

八五郎「だ、誰でぇ!?」

「わしは粗忽天、粗忽の神様じゃ」

「粗忽天?粗忽の国?じいさん何言ってやがんでぇ?粗忽の神様なんてぃ聞いたことねぇや」

「うむ、最近神様始めたんじゃが、神様業も出尽くしておってな。
 まだ、誰も手がけていない市場のニッチを狙ってのベンチャー神様じゃ。
 まぁそれはいいとして粗忽者というのは生きづらいものじゃろう?
 そこでわしは粗忽者を集めて、粗忽が当たり前の国を、
 粗忽が馬鹿にされない国を作ってやろうとしているのじゃ」

「まぁ粗忽者だと、かかぁには何だかんだいわれるしね。
 こっちだって粗忽になりたくてなってるわけじゃねえんだけどよ」

「そうじゃろ!じゃあ粗忽の国に住むか?」

「んー、そんなに慌てさせちゃいけねぇや。かかぁによく言われるんだい。
 お前さんは落ち着きゃ一人前だってな。(深呼吸して)すー、はー」

「な、何を悩むことがあるんじゃ。わしは神様じゃぞ!?」

「(軽く)・・・いいよぉ、おれぁ。」

「い、いいのか?粗忽の国に住めば粗忽者としての幸せをじゃな」
 
「かかぁが待ってんだぃ。行くよ」

「(涙ぐみ)あえて苦難の道を、粗忽者の茨の道を歩むというのか?
 うむ、お前さんは一人前の粗忽者じゃ!感動した!では行くがいい」

すると突然八五郎の周りに突風が巻き起こり八五郎の体が宙に浮いた。

八五郎「(床に両手を叩きつけ)うわぁ何だいこれぁ。(顔をあげ)
    あ!ここぁ引っ越しする新しい長屋だよ!ははっ、着いたよ
    ありがてぇな、神様!(勢いよく戸をあける)かかぁ!い、今ついた!」

おふく「お前さん、いったいどこ行ってたんだい!?今日は宿替えだよ
    朝早く荷を持って出たのに今はもう夕方だよ!」

「いやそれがよ、粗忽の神様がよ!」

「なにをわけのわからないこといってるんだい」

「いやだから粗忽のかみさまが」

「わたしがどうかしたかい?」

「おめぇのことぁ呼んでないよ」

「だってお前さん言ったじゃないか。粗忽のかみさんって」

浮くよ床

2006-04-11 | 5F: 寄席会場
※浮世床後日談的SF。またもやアドリブしろうと落語もどき。
 サゲが思いつきませんでした。地口落ちもどきで勘弁。


熊「(あくびしながら)ぁああーあ。またてぇくつだなぁ。
  大将!なんか面白いことぉないかい?」

髪結床主人「(きっぱりと)ないね」

「・・・身も蓋もないよ、それじゃ。
 えぇ?いい若いもんが髪結床にきてね
 ただぼーっとしててもしょうがねぇでしょ?
 今日は俺以外まだ誰も来てないんだから
 大将、何か考えてみつくれよぉ。」

「そうかい?なら戦争ごっこでもしたらどうだい?」

「大将までなーに言い出すん・・・よしつくれよ。ガキのあすびだぃ。」

「・・・よし。なら本当の戦争ってのはどうだ」

「(驚き)な、何いってんだい。いくさなんざ出来ないよぉ」

「(怪しげな笑み)ふふふ、実はね。ここに秘密のカラクリがあんだぃ。
 こないだまでうちぃ居候してた源ちゃんがね、長く世話になったお礼だ
 ってんでちょいとこの髪結床ぉカラクリ仕込んでくれてね。
 へへ、見て腰抜かすない!カラクリ始動!(かぜを持ちレバーを引く仕草)」
 
    がたーんっっッ(演者両手で高座を叩き下を向く)

「(顔を恐る恐る上げつつ)ちょ、ちょっとなんだい!?
 どうなってるんだよぉ。床が、宙にう・・浮いてらぁ!」

「浮くだけじゃねぃやい!ちゃんと空気砲とショットガンも標準オプションで
 ついてらぁ!(体を揺らしながら)そら、戦争いくぞ」

「(下を覗いて)随分上がったねぇ。ところで戦争ったってどことやるんだい?」

「あー・・・考えてなかったね・・・まぁいいや。半公のとこにしとこうか?」

「ん、やたら一人で騒ぐは食い意地張ってやがるは女好きだはってぇ野郎だが
 ・・・しかし戦争する理由となるとねぇじゃぁねえか?」

「そいなら、問題ねぇ。こねぇだ勝のあにぃから聞いた話じゃ
 海の向こうじゃ戦争するときぁ『大量破壊兵器』てぇまじない唱えると
 どんな戦争もしていいらしいや」

「ほー。大将、平賀の源ちゃんやら勝さんやら色々顔ぉ広いね」

「まぁな。髪いってると色々来るんだよ」

「お、半公だ!あんにゃろう仕事もしねぇで煙草屋のみい坊にちょっかい出してら!
おあつらいむきだぃ、こらしめてやろ。(下をのぞき呼びかける)おーい半公!」

半公「ん?誰か呼んだね?(あたりを見回す)みい坊、名前呼んだかい?」

みい坊「呼びませんよ。ほらほら誰かに呼ばれたんならとっとと帰って。
    商売の邪魔なんだから。」

「つれないねぇ。しかし確かに誰か・・」

熊「上だい!半公、顔上げてみてみろい!」

半「お、おお!!熊さん!な、何だそらぁ!と、床が浮いてらぁ!」

「おう!平賀源内作『最終兵器浮くよ床』だい」

「語呂の悪い名前だね」

「ほっとけぃ。それより今からおまいさんと戦争するから覚悟しな」

「せ、戦争!?またどうして?」

「それはぁあれだぃ。お前さんがタイリョーハカイヘイキを隠し持っている可能性がある」

「(あっさりと)あーそれなら持ってらぁ」

「な、何ぃ。持ってんのかい!?何だか知らねぇが大層なもんだよ!」

「へ、そうでもねぇや。しかしこれ持っつるだけで戦争になるたぁ知らなかった。」

「(息を飲み)ちょ、ちょいと見しつくれよ」

「おう!読んでみねぇ、太閤記・太平記(タイコーキタイヘイキ)」

道具屋 裏

2006-04-06 | 5F: 寄席会場
※以下はオリジナルのアドリブ創作落語もどきです。
 実際の落語は、面白くて楽しい、優れた演芸ですのでゆめゆめ勘違いされませんように。
ではどうぞ。道具屋の世界が少しずつ反転して暗転します。

おいさん「うちの入り口で頭出したり引っ込めたりしてるのは誰だい?
 ・・・なんだ、与太郎じゃねぇか。・・・あぁあたしが呼んだんだ。こっちぃ入りな。」

与太郎「んちはぁ、おいさん」

「んちはってヤツがあるか。あれ?おめぇ下駄履いてないね。なんでハダシなんだい?」

「おいさん、前に言ってたい。二十になったらハダシだって。
 だからおれぁ二十歳になってから下駄はいてねぇ」

「そうじゃねぇや。二十のことをハタチというと教えたんだ」

「じゃあ下駄はいていいのかい!?良かった。足が痛くてたまらねぇ」

「あたりめぇだ。二十歳にもなってそれじゃ情けねぇや。
 そこでだ、おめぇにおいさんの商いをやらしてみようと思うんだが」

「おいさんの商売てぇと長屋の大家さんだね。長屋くれるのかい?
 おいさんみたくぼーっとしてるだけで店賃もらえるね。ははは、じゃあ、くれ」

「なにいってやがん。世話すんのはおめぇの知らないおいさんの裏の稼業だ」

「裏?・・・そいなら知ってるよ」

「(ひどく驚いて)な、なんだ!知ってるのかい!?」

「おいさんがでかい風呂敷担いでうちぃ戻ってきたとこ見たことあんだい。
 ・・・おいさんの商売、頭にドの字がつくだろ?」

「(狼狽しつつ)・・・あぁ、つ、つくよ」

「(得意げに)ド、ド、・・・道具屋だろ?」

「何だ!分かっちゃねぇじゃねえか!おいさんの商売は泥棒だ」

「ど、泥棒かい!はぁそら驚いた。・・・で、泥棒って何だい?」

「分からねぇで驚くやつがあるか。いま説明するからよ。泥棒といっても色々ある。
 先ずは符牒を教えてやろう。
 一番格下が「ジャイアン」だな。これは泥棒とも呼べねぇようなもんだが・・・
 いいもん持ってんじゃんかよーとかお前の物は俺の物とか因縁つけて持ってちまうやつのことだ。
 一番格上が「ルパン」。こいつぁ難しい!予告状やら銭形のとっつぁんやら準備するものが
 山ほどある。おめぇは初仕事だからな。空き巣がいいだろ。留守の宅に入って、値の張りそうな
 ものをもってくりゃいい。まぁ最初は何が値が張るかわからねぇだろうから、おいさんとこ
 もってきて、これの値はいくらだってのを聞いてきな。おせぇてやるから」

「はは、そうかー。わかった。やってみらぁ(腰を浮かす)」

「(焦り)あ、お、おい与太郎!話終わらねぇうちに行くんじゃねぇ!お、おい!
 (遠くに視線を移し)・・っっあの馬鹿!いっちまったい!すぐ追わなきゃ」



与太郎「(歩きながら)へへっ、泥棒か。おいさん色々いってたね。よし聞いたことはちゃんとやらなきゃな
 ええと先ずは空き巣だな。留守宅は、と。・・・外から見たってわからねぇな。・・・入って聞いてみよ。
 (止まって戸を開ける)・・・こんちはぁ!留守ですかぁ」

住人「はーい」
 
「あ、いるね」

「何の御用で?」

「留守になるかい?」

「・・・いえ、なりませんが」

「そう言わずになってみなよ。そしたら空き巣入るから。」

「な、なんですかあなたは!・・・ご、強盗!?」

「強盗じゃねぇや。与太郎だい」 

「(後ろ半身になり、棚をあける仕草)そ、それ以上近づいたら撃ちますよ!
 (銃を棚から取り出し、構えて)ほ、ほら!」

「お!随分立派なぁ短銃だね。よし、それもらお」

「な、なにをおかしなことを・・・」

「いいもんもってんじゃんかよー」

「な、なんだ!おい、よってくるんじゃないよ!」

「値はいくらだい?」

「な、何いってんだ!・・・お、おい!近づくな!
 う、撃つぞ!おどしじゃねぇぞ!!」
「値は・・・」
「う、うわぁあああああ!」 
 
 響いた撃鉄の、音(ね)はズドォーン・・・

うそをつかない弥次郎(北海道編)

2006-04-03 | 5F: 寄席会場
「んちはぁ!いるかい。ご隠居!」

「おぉ、弥次さんか。随分見なかったけど
 どっか行ってたのかい?」

「なに、ちょいと北海道にね」

「そらぁ遠出だね。聞いた話じゃあすこは随分寒いんだってなぁ」

「寒いなんてぇもんじゃないよ!
 なにしろコンビニ行くと必ずおにぎりあたためますか?なんざ聞いてくるんだぃ」

「そんなにかい!しかしちゃんとコンビニあるんだねぇ」

「あったりめぇだい!ちゃんっとあるよ。セイ○ーマートとハセガ○ストア」

「聞いたことねぇや」

「そいであっしは宿ぉ探して、道道を歩って・・」

「なんだいおまいさん。北海道じゃドードーに乗れるのかい?
 すっかり絶滅したと思ってたけどねぇ。」

「・・・ん、道道にね?(訝しげに)・・・まぁいいや
 (気を取り直して)しばらく宿ぉ探すってぇと
 シャトレーゼガトーキングダムサッポロ オテル・ド・レーゼンサッポロがあったから・・」

「ちょいと待ちな。今の全部、宿の名前かい?随分長い名前だねぇ」

「えぇちょうどあっしが泊まったときにね、熊んとこの倅が泊まってるって聞いてたから
 呼び出してもらったら、これが大変だ。
 『シャトレーゼガトーキングダムサッポロ オテル・ド・レーゼンサッポロにお泊りの
 寿限無 寿限無 五劫の擦切れ 海砂利水魚の水行末雲来末風来末 食う寝るところに住むところ
 やぶら小路の藪柑子 パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ
 グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助様、フロントまでおこし下さい』
 なんてねぇ呼んでるうちに、夜が明けちまった」

※なんとなく書いてみました。中途半端ですいません・・・魔がさしただけです。
 また魔がさしたら、改変しろうとえせ落語を書きたいと思います。
 内容については・・・精進します!

新宿

2006-03-15 | 5F: 寄席会場
新宿末広亭に行ってきました。

20代の青年が折角の平日休みに、落語を見に行くなんて
・・・いいのか?

通常、20代ですと毎日飲んで飲んで飲み倒して
二日酔いで苦しんだり、ちゃんと彼女を作ってデートしたり
・・・という生活をするものだそうです(先輩談)。

ともかく寄席は大変面白かったです。
久しぶりに笑って腹筋を使いました。
きっと一週間通い詰めると、腹筋が割れます。
落語が10か11題、漫才、奇術、紙切り、
俗曲(三味線の芸)、太神楽曲芸など
盛りだくさんです。
金と暇があればこれが毎日見られるなんて
東京っ子が羨ましい限りです。

わたくし学生時代は落語研究会やってまして
卒業後もあるいは、どこかのアマチュア落語会に
入って続けようかなぁと思ったこともありますが、
忙しい、と理由づけしてすっかり演る方には縁遠くなってます。

一応、卒業後に使う屋号まで考えてたんですが。

ちなみに
屋号とは、柳家・林家・古今亭・春風亭・三遊亭などのことで、
その下に高座名(志ん生、小さん、談志など)をつけます。

わたくし学生時代、酔茶/スイチャという高座名でして
屋号は僕のいた大学の落研固有のものなので、OBになると区別できるように
通常、別の屋号にします。

で、「小箱家 酔茶/オハコヤ スイチャ」という名前にしよう!と
考えてました。まぁだからどうだということはないんですが。

社会人で落語やるというのは、生半可な気持ちでは出来そうにないですね。
今後、情熱が燃え上がったら挑戦しよう!と寄席に行く度に思います。


寄席

2006-03-15 | 5F: 寄席会場
今日は、寄席を見に行こうかと目論んでます。
しかし、浅草にいこうか新宿にいこうかで悩んでたら
もうお日さんが傾きだしました。

んー電車のってから決めよう・・・
そーいえば、しばらく寄席を見に行ってないけど
クドカンさんのドラマの効果とかでお客さんいっぱいに
なってたりするのかなぁ、とワクワク。