鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

わずかなものしかないけれど

2016-10-27 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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古今東西、昔も今も、贈り物は必ずありますよね。
お中元、お歳暮、クリスマスプレゼント、お誕生日、等々、書ききれないほどたくさんあります。
でも、本当にもらってうれしいものがあるでしょうか?
どこにでもあるものではなくて、心のこもったものがいいですね。

この詩は詩手紙には使われていません。


         わずかなものしかないけれど
                                        2008年3月

僕なんかになにかあげるもの、あるのかな
あちこちを探し回ってみたけれど見つからない
この部屋には、ひとつも見つからない
心のなかにあるものしかないみたい
それも、わずかなものしかない、それでもわけてあげたい、あなたに

ひとつは、自分をだいじにすることかな
僕は、それが出来ていないこと、多いから
それをするのが、しあわせになるための始まりだから
ひとつは、まわりの人をだいじにすることかな
僕は、それがほんとうに出来ているか、わからないから
それをするのが、しあわせになるための始まりだから

あなたに、しあわせになってほしいから、そういう心をわけてあげたい
それくらいしかないけれど、あなたはもらってくれるかな
それくらいしかないけれど、あなたにもらってほしいな

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