鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

Sea Dragon(タツノオトシゴ)

2016-10-21 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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この詩手紙を書いたのは6月のはじめです。こんなコメントでした。
「さわやかな風が吹いて気持ちいいです。日差しも明るくていい感じです。散歩でもしたくなります。こころが伸び伸びした気分になりますね。そのせいか、うちのアジサイが咲き出してきましたよ。」
季節は今と違いますが、軽い気持ちが出ています。


        Sea Dragon(タツノオトシゴ)
                                    2008年3月

海の中にふわふわって浮いてる
まるで海藻が揺れてるように
なんでだろうか、うらやましくなって
その世界の中に入っていきたくなる
なんでだろうか、眠りに落ちるように
その世界にそまりたくなってくる
人は、今とはちがう世界を見たがるもの
人は、今とはちがう世界を望んでしまうもの
ああいうふうに自然にしていたい
そう思うのも当然かもしれないよね
でも、ちがう世界に入ったとしても
あなたはあなたで、わたしはわたしでしかない
外にある世界は、それを見せてくれるね
心がなだらかで波立ってないときには、わかっていても
心が自分をなくしそうときは、わからなくなるもの
それに気づくと、内にある世界を見るようになる
あなたはあなたを見て、わたしはわたしを見ていく
あなたはわたしになれないし、わたしはあなたになれないから

 
   詩手紙200806.10      
   

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