鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

どうせなら全力でやって全力で負ける

2020-05-30 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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今年は夏の高校野球が中止になりました。
夏の風物詩のひとつが消えるのは残念です。
野球をやっている全国の高校生は、もっと残念に思っていることでしょう。
各地の予選では、強豪と言われるチームも弱小チームも勝利を目指して戦います。
そこには野球に全力を尽くす少年たちの姿があります。
勝てなくても精いっぱい戦う姿は見ていても気持ちのいいものです。

今日の詩手紙のコメントは、
「春がすこし近づいてきましたね。うれしくなります。」


    どうせなら全力でやって全力で負ける
                                  2010年2月

僕は、全力でやってきたつもり
でも、つもりでしかなかったみたいだ
つもりはやめて、とにかくやってみることにする
全力で、めいっぱい、せいいっぱい
それで負けてもいいのかもしれない
負けは口惜しいけれど
ただ負けるのは、もっと口惜しいから
全力で負けてやればいい、そう思うのだ
負けに慣れては駄目だけれど
負けを恐れるだけでは進めないから
全力で負けてやればいい、そう思うのだ
裏返せば、全力で負けるとは
勝ちにいこうとぶつかっていくこと
それが実は一番、勇気のいることなのだと思う
いいじゃないか、全力でいけば
それもけっこう、かっこいいんじゃないかな
いいじゃないか、全力で負ければ
それもけっこう、かっこいいんじゃないかな
そんなふうに言い聞かせている

   詩手紙2010.2.23
   
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