鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

ただの通り雨だから

2015-12-05 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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今年は「異常気象」が話題になりました。
テレビで気象予報士が苦労している姿をしばしば見ました。
でも、人生の天気予報が全部当たったら…それはそれで困りますね。


      ただの通り雨だから
                                 2005年9月

とうとう「ぽつぽつ」と降って来たみたい
みんな雨やどりにかけだしてる
それをみつめていてこう思った
そうだね、人生にも雨はつきものだね
どれほど僕が不幸でも、どれほど君が不幸だとしても
それはずっとはつづいていかない
ただの通り雨だから、あわてずいこう、生きていこう
生きていくには、それがなにより大切なのさ

あ、向こうのほうは空がみえて来たようだね
すずしい風がふきはじめてる
それをかんじてこう思った
そうだね、人生も風向きがちがっていく
どれほど僕が不幸でも、どれほど君が不幸だとしても
かならず背中を押してくれる
通り雨はすぎていったから、ゆっくりいこう、生きていこう
生きていくには、それがなにより大切なのさ
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作品を引用するとき

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