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SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

加地伸行著「論語」

2013-12-10 | 雑感
角川文庫の加地伸行著「論語」を読みました。孔子の人となりが分かりやすく述べられています。孔子の生涯は、これまで全く知りませんでしたのでとても興味深かったです。

孔子は紀元前552年(春秋時代)に魯国に生まれました。この頃はかなり国全体が乱れ、社会的規範も地に落ちていた時代でした。弱肉強食で社会的規範が失われるという意味では現代に通じるかもしれません。父は農民で早く亡くなり、その後は農家の大黒柱として働きましたが、母が儒という巫女さんのような宗教者だったので自然と文字を学び、祭祀・儀礼には親しんでいました。経済的には豊かではなく学歴もなかったのですが、ある時から農業を止めて街に出て学ぶようになりました(志学)。30歳の頃、私塾を開き徐々に名声を得て(而立、不惑)、50歳の頃初めて仕官し政治に関わることになりました(知命)。しかし、数年で挫折して職を辞し、諸国を弟子と共に放浪して、69歳の時に故郷の魯国に戻りました。

こうした人生を送った人であることを知ると、尚更論語の言葉は面白くなります。例えば「子曰く、徳ある者は、必ず言あり。言ある者は、必ずしも徳有らず。」という言葉はインパクトがありました。言葉がしっかりしていないと徳はないことになります。

黒川清先生講演会

2013-12-06 | 雑感
元東海大学医学部長で、日本学術会議議長、国会福島原発事故調査委員会の委員長などを歴任した黒川清先生の講演会が医学部でありました。弁舌さわやかで、話の上手な先生でした。先生は医学などでは、本を読む勉強よりも、実際の患者さんを通して現場で学ぶ方が勉強になることを述べていたことにはとても共感しました。原発事故調査委員会報告書(黒川レポート)も読んでみたいと思いました。