文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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そのため…ウイルスは蝙蝠から人には直接感染しない…しかし、石はこのウイルスのSスパイクを組み換えて、ACE2に結合できるようにした…蝙蝠のSARSウイルスを人に感染できるようにした

2020年08月27日 22時19分52秒 | 全般

以下は前章の続きである。
“蝙蝠女”が作ったキメラ 
武漢コロナウィルスの”鍵を握る”人物として、武漢ウィルス研究所の主任研究員、石正麗が注目されています。 
一九六四年生まれで、武漢大学生物系遺伝学科卒業。
フランスに研究者として赴任し、モンペリエ大学で博士号を取得しています。
その後、オーストラリアやアメリカで活動し、蝙蝠からウイルスを採取して研究したことから、“蝙蝠女”の異名をつけられています。 
石は二〇一五年に国際医学誌『ネイチャー・メディシン』にある論文を掲載しました。
タイトルは「人畜共通ウイルスの起源としての蝙蝠」。
一言で言えば、遺伝子組み換えによって新たな”キメラ”を作成したという内容です。 
蝙蝠のSARSウイルスにはSスパイクという蛋白質の突起物があるのですが、本来は人間の気管支にあるACE2受容体とは結合できません。
そのため、冒頭書いたとおり、ウイルスは蝙蝠から人には直接感染しないのです。 
しかし、石はこのウイルスのSスパイクを組み換えて、ACE2に結合できるようにした。
すなわち、蝙蝠のSARSウイルスを人に感染できるようにしたのです。
そして、その”改造”を施したせいかは不明ですが、ウイルスの四ヵ所がエイズウイルスと同じ遺伝子配列になった。
エイズウイルスは人間の体内に入り、免疫機能を持つ抗体を作るCD4細胞を攻撃し、免疫機能を失わせるのですが、石の作成したウイルスも同じ機能を持ったわけです。 
これは今回の武漢コロナウイルスも持っている特性であり、遺伝子配列です。
自然の変異でこのような配列になったとは正直考えにくい。
人の手が入ったものと考えるのが普通でしょう。 
北京の衛生健康委員会は一月二十六日に、抗HIV薬が武漢コロナウイルスによる肺炎の臨床治療に効果があると発表しました。
しかしこの段階で、「武漢コロナウイルスの肺炎にエイズの薬が効く」とすぐに発想できるものでしょうか。
最初からエイズウイルスと相似形であることがわかっていないと、辿り着かない。
つまり、中国国内では当初からこの石論文が頭のなかにあったのではないか、と考えられます。
三日後に痛烈批判 
石正麗が論文を発表したのは一五年十一月九日ですが、その三日後の十二日に『ネイチャー・メディシン』の”兄貴分”と言える『ネイチャー』に、「遺伝子組み換えをされた蝙蝠ウイルスの危険な研究で議論を呼んだ」というタイトルの論文が掲載されました。 
筆者は『ネイチャー』のベテラン記者、デクラン・バトラー。
バトラーは様々な学者への取材をもとに、石の論文を「どのような目的でこのような研究を行ったのか」と批判しています。
様々な研究が世界中で行われているなかで、名指しでこれほど痛烈な批判が出ることは学界でも珍しいことです。 
石はこの研究を、アメリカのノースカロライナ大学を中心とする研究者たちと行っていました。
しかし、このバトラーの記事が出てすぐに、アメリカはSARS関連の研究に出していた研究費を全て打ち切ることにしました。 
石正麗がどんな研究をしていたのかは定かではありませんが、二〇一三年に彼女はSARSのコロナウイルスとほとんど一致する新型のSARSコロナウイルスの分離に成功、さらに中華キクガシラコウモリがSARSウイルスの起源であるという実証を進めたことを発表。
そしてその際、「ワクチンも作成した」と発言していましたが、しかしここまででも指摘しているように、本来は蝙蝠から人間に感染することはないのですから、何のためのワクチンを作成したのかがわからない。
もしかしたらこの時点で、蝙蝠から人に移るウイルス作成を考えていたのかもしれません。
この稿続く。

 


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