文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

いい日本人が書けない。何とも悲しい新聞だ。

2020年10月23日 17時17分24秒 | 全般
2017-05-06に発信した章である。
週刊新潮ゴールデンウィーク特集でも高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストとしての真骨頂を発揮している。
この週刊誌の掉尾を飾る彼の名物コラムからである。
ハーフカス哀歌
先の大戦は日本の英米への宣戦布告で始まった。 
そうしたらオレも日本嫌いの白人国家だとオランダが宣戦布告してきた。 
オランダ領東インドにはパレンバンとかバリクパパンとか大油田がある。
産出量は日本の年間消費量を補ってなお余りあった。 
日本はシンガポールとフィリピンを落とした後、オランダと石油買い取り交渉をするつもりだった。 
それが向こうから宣戦布告してきた。
好都合というか、交渉の手間は省けた。 
で、シンガポール攻略のめどがつくとすぐ蘭領東インドへ侵攻を開始した。 
蘭軍8万はバンドン要塞に籠っていた。
英はインド人を、米はフィリピン人を前衛に使ったが、オランダ人は現地人を400年間も残忍に扱ってきた。 
それが祟って開戦するや「現地人兵卒はみな逃げた」
(R・ガウスブルック『西欧の植民地喪失と日本』)。 
要塞に残ったのは白人だけだった。 
日本軍が攻撃を始めると彼らはすぐに手を上げた。
彼らは30年前の青島攻略戦で捕虜になったドイツ兵が優雅な収容所生活を送ったのを知っていた。 
俺たちも同じように大事にしてもらおうか。 
しかしあの戦争は日本が追い詰められ、食えなくなったから始めた。 
勝手に宣戦し、碌に戦いもせず、さあ8万人を優雅に食わしてくれとは虫が良すぎないか。 
しかも扶養対象は彼らだけではなかった。
在蘭印の4万オランダ市民もいた。
日本軍は現地人を教育して彼らの面倒を見させた。 
「我々が酷く虐めてきた現地人は碌な食事も与えずに我々を働かせた」 
日本軍将兵は乱暴だがまだ良識的だった。 
「規律違反するとシャワーを何日か禁じた。日本人は我々が風呂に入る習慣のないことも知らず、懲罰になると信じていた」
先日の朝日新聞がオランダ人の反日感情はこのときの「日本軍による虐待」が原因と書いていたが、ガウスブルックは「虐待と感じる半分は黄色い曲がり脚の猿に指図される白人意識にあった」と分析している。 
もう一つ、このとき収容所に入れなかった“白人”がいたことを彼も朝日も敢えて触れていない。 
「オランダ人が現地の女に産ませた合いの子でハーフカス(half-caste)と呼ばれていた。女はオランダ人よりきれいだった」と南方方面軍にいた全日空常務、山口登氏がずっと昔に話してくれた。 
合いの子の男は東ティモールのシャナナ・グスマンがそうだったように白人の父を守る兵士になり、母方の現地人を虐めた。 
女たちも白人社会に入って暮らしていたが、開戦ですべてが狂った。 
実の父は家族の手前もあるから抑留施設に連れて行かなかった。 
現地人は彼らを憎んでいて東ティモールのように殺されかねなかった。 
彼女らは進駐した日本の軍人や軍属、商社マンの庇護を頼った。
「彼女らと結婚したり同棲したりする例は多かった」(同) 
大宅壮一が主宰した「白馬会」もこのジャワのハーフカスが目的だった。
大宅はともかく現地で暮らした軍属たちはみな真面目だった。
敗戦後、インドネシアの独立戦争に参加し散っていった2000人の軍人、軍属の多くはそうした絡みを持っていた。 
朝日新聞は吉田清治の嘘を糊塗するため、日本人の醜い「戦場の性」を盛んに喧伝してきた。 
その一つが「日本軍は朝鮮人だけじゃあない、蘭印でもオランダ人女性を犯していた」シリーズだ。 
今回は大久保真紀記者が「オランダ人女性と日本人軍属との娘」が来日して父方の家族に会った話を語っている。 
中で女性たちがオランダ人でなく、見捨てられたハーフカスだったことをこっそり明かしている。 
日本人は悪者でなくてはならない。
朝日新聞の社是だが、それではどうしても辻褄が合わなくなる。
それを証明したような記事だ。 
いい日本人が書けない。
何とも悲しい新聞だ。

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