2019年8月29日に、日本のことを考えろ。リニア新幹線は東京と大阪をつなぐための実験線だ。宮崎県のままだったら、本当の時速も出せないし、国のためにもならない。広い視野で見てほしい。もう決めたんだ、と題して発信した章の中からリニア新幹線に関した箇所を段落等の修正を行って再発信する。
前文省略
石原
江藤隆美は痛烈な男だった。
亀井
本当にそうだった。
村上正邦さんと立ち上げた志帥会の会長を、村上さんのあとに江藤さんに引き受けてもらおうと思ったら、江藤さんが「亀井君、私は金がない。ダメだ」と言ってきた。
「金は全部、私が引き受けるから心配するな」と言って会長になっていただいた。
江藤さんと付き合って、嫌な思いをすることは一度もなかった。
石原
竹を割ったような男だった。
亀井
色気ゼロだ。
石原
江藤の選挙区である宮崎県にリニアの実験線があった。
僕は当時運輸大臣で、現場を見に行ったんだけど、短い区間で、豚小屋とか鳥小屋の間を縫ってつくられていた。
「こんな格調の低い実験線では十分なことはできない」と思って、山梨県へ移管させた。
そしたら江藤が激怒した。
「お前は俺を裏切った。糟糠の妻は堂より下さず、だぞ。お前はその信義を外したんだ」と言った。
粗末な物しか食べられない貧しい時を共にした妻は、立身出世しても離縁して家から追い出すわけにはいかないという意味だ。
僕は「江藤ちゃん、日本のことを考えろ。リニア新幹線は東京と大阪をつなぐための実験線だ。宮崎県のままだったら、本当の時速も出せないし、国のためにもならない。広い視野で見てほしい。もう決めたんだ。君の友情で僕を殴ってもいいから」と答えた。
それで江藤は「わかった、よし!」と言って協力してくれた。
亀井
そう、気持ちのいい男だった。
石原
江藤のような政治家は全くいなくなってしまったな。
この稿続く。