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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

米韓FTAは悲惨 TPPの敵は民主主義…11・14号のアエラは50万部は読まれるべきだった。

2011年11月16日 09時19分30秒 | 日記
米韓FTAは悲惨

-TPPに似ていると言われる米韓FTA(自由貿易協定)の結果はどうでしょうか。
中野 TPP推進論者がうらやましがっている米韓FTAは、悲惨なぐらいやばい内容です。韓国には何にもメリットがない。韓国では暴動が起きました。韓国国民は今になって大騒ぎをしている。協定発効後、米国は自動車やテレビの関税を徐々に撤廃するが、両方ともすでにきわめて低かった。韓国企業も日本企業と同じで米国での現地生産を進めているし、そのうえ大不況の米国ではほとんど売れない。しかも恐るべきことに、韓国の自動車メー・カーが進出して米国の自動車メーカーが脅かされるような事態になったら、この関税は復活するって書いてあるんですよ。

ーエーツ、本当ですか。(*ジャーナリストとして、この驚きはないのではないか。朝日新聞社員がこれなのだから政治家(屋)たちや官僚も知らないのが一杯いるんじゃないか。)

中野 だから何の意味もない。さらに代償が大きかったのは、韓国は米国の自動車を入れるために、排ガス規制を米国と同じにしたんです。規制を米国車には緩くして自動車税制も米国車有利に変えなければならなかった。農協共済や漁協共済、それから日本の簡保にあたる郵便局の保険サービス、これはFTA発効後3年以内に全部解体です。世界最大の米国の保険会社AIGはりIマンーショックとともに破綻したのですが、米国は国有化した。この国営AIGを大不況の米国で立て直すことはできないので、韓国、さらにその先の大市場、日本に狙いを定めたんですよ。

TPPの敵は民主主義

―ISD条項はどうですか。
中野 実は米韓FTAやTPPで一番恐ろしいのは、そのlSD条項、いわゆる投資家保護条項と呼ばれるものなんです。これも韓国はのまされた。米国企業が、環境規制や労働規制、安全規制などの韓国の政策によって損害を被ったと思った場合は、韓国政府を訴えることができるんです。しかもその訴え先は韓国の司法機関ではなくて、米国にある世界銀行傘下の国際投資紛争解決センターなんです。ここでの審理の観点は韓国の国民の福祉ではなくて、単に投資家が損害を被ったか被ってないかだけなんですよ。しかも審理は非公開、不満があっても上訴できない。これが米国の推進するグローバル化というものです。敵は民主主義なんです。この投資家保護条項はTPPの中にも入っている。しかも、政府資料を見ると、この条項は、なんと日本が確保したい事項のほうに入ってるんですよ。

-それじゃ、政府は何も理解していないということですか。
中野 私は米国流のグローバル化やTPPに反対です。震災が起きようが、原発の事故が起きようが、復興しようと思う人たちというのは、この国を愛して、俺たちの村、俺たちの職場、俺たちの家族を守り、貧しいけれどももう一度ここに戻ってくる人でしょう。グローバル化なんて言う人は、被災したらどこか外国に行っちゃうような人でしょう。ふざけるな、と言いたい。*芥川は、ここを読んで不覚にも涙が溢れた。

そうして愈々思うのだった。芥川の「文明のターンテーブル」がアメリカでも100万部は読まれなければいけないな、と。
     
聞き手編集部佐藤 章

真央ちゃんと同じだ…11.14号週刊アエラは50万部は読まれているべきだった。

2011年11月16日 09時05分37秒 | 日記
真央ちゃんと同じだ…前章続きなのですが、芥川は思うのである。芥川の「文明のターンテーブル」は、世界で1,000万部は売れる必要があると(呵々大笑)

-韓国と中国はTPPに参加しないのでしょうか。
中野 報道によると、韓国大使は早期参加を否定しましたね。中国はまず入りません。なぜならば中国はリーマン・ショック以降、人民元を安値に引き下げて輸出を促進するという戦略に打って出ました。これは自由貿易以前のインチキで、完全な自由貿易を目指すTPPに中国が入るわけがない。*芥川が忽然と登場した時に言及した事…11月20日、各書店で予約開始になる「文明のターンテーブル」第一弾は、それらの事が書かれている章から始まり、前代未聞、前人未踏の「解答」に至る、戦後最高の書の一つである。以下本文に戻る。

-TPPが実質的な日米貿易協定だとすると、米国側の戦略はどういうものですか。
中野 米国の戦略は明らかで、輸出倍増戦略を掲げている。そのために米国が狙うのはもう関税ではない。米国は70年代ぐらいまでにだいぶ関税を下げて、80年代ぐらいからは相手国の制度やルールを政治的な圧力で米国に有利に変えさせるという戦略に転じたんです。

背泳の鈴木大地選手がバサロスタートで金メダルを取ったらバサロが禁止になっちゃった。あるいは浅田真央ちゃんがトリプルアクセルか何かで強くなったら、採点方法が変わって点数が取りにくくなった。それと同じで、ルールを変更しちゃうんです(笑)。

-なるほど。
中野 製造業の競争では、米国は日本には勝てない。ところが政治力の闘いになると米国が勝つ。ルールをどっちに揃えるかというのは政治力の勝負です。80年代後半からの日米構造協議、その後の年次改革要望書がそれで、圧力をかけ続けてきているのです。そしてりーマン・ショツク以降余裕がなくなった米国は、彼らが強い農業や銀行、保険、あるいは化学肥料、製薬、医薬品、こういった分野で米国に有利なように日本のルールを変えさせようと圧力をかける戦略を一層強めることになったんです。それがTPPです。

-なるほど。一方で。国内経済への影響はどうですか。
中野 日本は今デフレです。こんな時に安い農産物を入れて競争を促進するとデフレがひどくなる。米国産の安い牛肉がどんどん入ってきて牛丼が値下がりする。畜産農家、コメ農家で失業が増えて、牛丼とライバル関係にある外食産業が安値競争に参加せざるを得なくなる。人のクビを切るか賃金を引き下げるかしかなくなってくる。失業者が増えると、企業側はさらに賃金を下げる。デフレスパイラルです。その波は輸出産業の人たちにも及ぶんです。

米に媚びを売りたい?

-震災のあった東北地方には。TPPは相当の打撃となってしまうのではないですか。
中野 その通りです。被災地はこれからがれきの山を取り除いて、塩害を受けた農地から塩を抜いて耕し直すわけです。そのために借金をするのですが、さあ農地は復興したのでこれから借金を返すかと思った瞬間にTPPが入ってくる。農業ができなくなる、という不安を抱いたら、だれが今、借金をして農地を復興しようとするんですか。菅前首相がTPP参加を言った時に畜産業をやめようと決心した人々も宮崎のほうで出ていると聞きました。

-農業の問題で言うと、食料安全保障上はどうですか。
中野 まず世界的に深刻に心配されている水資源不足の問題がある。当然、食料価格は上昇する。実際には世界中で食料価格の高騰による不満が爆発していて、中東、北アフリカでは政変が起きた。ソマリアでは大勢の人々が死にました。日本がTPPに入って円高の力で大量に輸入する。そうすると世界中で食料の値段がさらに上がり、ソマリアの飢餓がひどくなる。めちゃくちゃなことになるわけですさらに食料が不足してくると、どの国も自国民を食わせるのが先ですので平気で禁輸をしますその結果、禁輸されて一番困るのは日本人なんです。農産物が戦略物資だということがTPP推進論者にはわかっていません

ーしかし、それほどの危険がありながら、政府はなぜこれほど執拗にTPPに参加したがっているのでしょうか。
中野 経済産業省はTPPの先にEUとのEPA(経済連携協定)を狙っているのかもしれないが、これは妄想に過ぎないTPPの経済効果があまりに小
さいので、将来はEUがあるんだと言ってるだけで、何の保証もない。ほとんど戦前の軍部の戦略と同じぐらいの妄想です。もう一つは米国に媚びを売りたかったんじゃないのかということです。こんなことのために、農家、とりわけ被災地の農家が頭を悩ませ、不安におびえてるんですよ。信じられない。

…以下続く。

反対派の論客・経産省出身の中野剛志の論理…11.14号、週刊アエラより。

2011年11月16日 08時46分46秒 | 日記
だいぶ以前に日経新聞だったと思うが芥川は彼の『TPP亡国論』(集英社新書)についての書評を紹介した訳ですが、彼の本は読んではいなかったけれど、芥川は思うのである。彼にも芥川の言葉は届いているな、と。それは皆さまに芥川の言葉が届いているのと同様に。

さて、11/14号週刊アエラが50万部は読まれていなければ民主主義は完成されない。⑤です。


なかの・たけし 1971年生まれ。東京大学教養学部を卒業後、通商産業省(現経蛮省)入省。英国エディンバラ大学で博七号を取得(社会科学)。経産省課長補左などを経て2010年京都大学大学院工学研究科に出向し、11年准教授に。経済ナショナリズムを専攻し、著書に『TPP亡国論』(集英社新書)などがある。

TPP参加は詐欺だ!
国論を二分するTPP参加問題に、経済産業省出身でありながら、真っ向から反対の刃を突きつける急先鋒、京大准教授の中野剛志氏。『TPP亡国論』の著者は、1時間にわたってその論理を語り尽くした。  文中黒字化と*は芥川。

-TPP(環太平洋経済連携協定)参加問題。中野さんは反対派の急先鋒ですが。
中野 全く参加すべきではないですね。メリットとされるものに根拠がない。最近、内閣府がTPPの経済効果として2・7兆円というのを出しました。ところが、この2・7兆円というのは10年間の累積なんですよ。1年間で2・7兆円だって相当低いのに、10年間で2・7兆円ですよ。それだけのために農業や医療が犠牲になるんですか。

-1年間でわずか2700億円の経済効果ですか。
中野 もう一つ許し難いのは、この期に及んで政府や推進論者は、TPPでアジアの成長を取り込むとまだ言い続けている。TPPの交渉参加国9力国に日本を入れてGDPのシェアを見ると、7割が米国、2割が日本です。しかもほとんどの国が日本よりも輸出依存度が高い。これでは、TPP加盟のアジア諸国がどれだけ成長しようが、日本はアジアの成長を取り込むことなんてできない。肝心の中国が入ってない、インドネシアも韓国も入ってない。つまり、実質的に日米貿易協定なんです。アジアの成長を取り込むなんて、ほとんど詐欺みたいなもんです。

…以下続く。


11/14号週刊アエラが50万部は読まれていなければ民主主義は完成されない。④

2011年11月16日 06時25分20秒 | 日記
MBAホルダーも並ぶ

弁護士事務所のスタッフとして10年働いた後、ニューヨーク州の政治家の秘書として20年のキャリアを築いたが、4年前に州の財政カットで失業。その前にすでに失業していた夫を経済的に支えていたが、ローンが払えなくなりアパートを失い、離婚。娘の住むロサンゼルスに引っ越し、娘親子と同居して、清掃や子守のアルバイトをしながら、仕事を探している。

「仕事の実績があっても、この不況で50歳を過ぎたら仕事はまず見つからない。こうなったら清掃と子守のビジネスを自分で起こすつもり。クリスマス時期には販売員の募集があるかもしれないし。4年も仕事がないと、どんな仕事でも欲しい」何十年と積み上げてきたホワイトカラーの経歴にしがみついていては稼げないと悟った。…中略。

パートには提供しない
 
眼科の列に並んでいたテレサ・フックスさん(57)は、大手銀行のバンク・オブ・アメリカで、機密文書などを扱与事務職をしていた。リーマン・ショック後のリストラで2年前に失業した。

現在かけている眼鏡は3年近く前に作ったもの。最近はモノがかすんでよく見えない。
「だから、運転する時はものすごく気をつけてるんだけど」
 
車社会のロサンゼルスでは、度の合った眼鏡は事故を起こさないための必需品。無料クリニックでは検診から新しい眼鏡の作製まで無料。3千人以上が新しい眼鏡を注文したという。
 
ボランティアで診察に当たった南カリフォルニア大学の眼科医ジェレミー・ホアン氏によれば、緑内障の患者も多いという。メディケイドで辛うじて治療は受けられていた人もいるが、肝心の眼鏡が買えずに生活をしていたという。
 
アメリカでは無保険者は失業者だけに限らない時代になった。小売り最大手のウォルマートは、コスト削減のため、週の勤務が94一時間以下の新規パート労働者には、医療保険を提供しないと発表した。現段階で保険に入っているウォルマート社員個人の負担も、増加する見込みだ。
 
失業して、職場で加入しているグループ保険の権利を失った場合、掛け金をすべて自分で払い、保険を一定期間だけ延長することも可能だ。その場合、月に約600~800ドルを自腹で払い続けなければならない。

医療費で自己破産
 
収入が絶たれる中、高額の医療保険料を払い続けられる人は多くない。無保険になり、本人や家族が重い病気を患ったら、一体どうなるのか。
 
前述のメディケイドには利用者の所得審査があり、失業しても、ある程度の資産があれば利用できない。急病やケガなどの場合、救急病院を無保険で利用し、治療を受けることも可能だが、数千ドル以上の高額の請求書が届くことも多い。病院と直接交渉し、ローンを組めればいいが、そうでない場合、病院は回収業者に負債を売り、回収業者が取り立てる。その結果、自己破産するケースが増加中だ。マサチューセッツ州で行われた調査では、自己破産の原因の5割以上が医療費だった。
 
オバマ政権が昨年通した医療保険改革法では、現行のメディケイドの拡大も含め、国民が私企業の医療保険を買うことで、現在無保険の3千万人以上に保険を提供することを目標としている。施行には今後10年間で約9400億ドルかかる試算で、共和党は猛反発している。新法の国民の保険加入の義務化が憲法に違反するという訴えも法廷で争われ、連邦最局裁の判断が待たれている状態だ。

米国民の誰もが歯医者に気軽に通える日はまだまだ遠い。

ジャーナリスト長野美穂(ロサンゼルス)

歯と眼の治療は贅沢品  仕事と同時に失う医療保険  ロサンゼルス・無料クリニック報告 。

2011年11月16日 06時08分13秒 | 日記
11/14号週刊アエラが50万部は読まれていなければ民主主義は完成されない。③

ジャーナリスト 長野美穂(ロサンゼルス)

文中黒字化と*は芥川。

ロサンゼルスのダウンタウン近くにあるスポーツ・アリーナの外では、日の出とともに数千人が長い列を作っていた。10月17日。失業して医療保険を失った人たちが、無料で歯科や眼科の診断や治療を受けられるというイベント「LA無料クリニック」のアポ取りに殺到したのだ。
 
失業率が13%に迫ろうとしているロサンゼルス。日本のような国民健康保険制度がないアメリカでは、職を失うと、勤務先で加入していた医療保険も一緒に失う。カリフォルニア州で医療保険がない人は約840万人。ロサンゼルス郡では3割近くの住民が無保険だ。
 
56歳のレネー・モレットさんは4時間並んだ。失業して数年になる。
 
「32本あった歯が、虫歯で今では17本だけ。地元の病院で無料なのは抜歯だけ。2年以上治療を受けられずに痛みを我慢してきたの。低所得者なら乳がん検診などは無料でやってくれる病院もあるの。でも、歯科と眼科はまず無理よ」
 
彼女の口元を見ると、前歯が欠け、大きな隙間が見える。
 
低所得者層向けの政府の公的医療保険の「メディケイド」制度では、歯科や視が検査のための眼科診療は、特別な場合を除いてカバーされない。つまり、歯科や眼科の診療は失業者にとって贅沢品。虫歯の痛みや度の合わなくなった眼鏡の不自由さを抱えながら過ごしている人々が増えている。

学生保険はカバーしない

地元の非営利団体「ケア・ナウ」が主催するこのイベントは、無保険者にとって、歯科医師や眼科医に診察してもらえる貴重なチャンスだ。5千人近くが予約を済ませた数日後、巨大なスポーツ・アリーナに足を踏み入れると、まるで野戦病院のような光景が広がっていた。
 
医師や看護師など800人以上の医療関係者がボランティアとして参加。アリーナ中央の「歯科」のコーナーにはリクライニングの椅子とその上で横になった患者がずらっと並ぶ。
 
歯科の順番を待っていたコートニー・オースチンさん(43)は、3歳の息子がいるシングルマザーだ。映画業界で働いていたが、安定した職を求めるために、現在はサンタモニカ・カレッジとUCLAの二つの大学で看護師の学位を取るべく勉強中。医療保険はあるが、歯科の診療は含まれない。前歯の虫歯の痛みを、鎮痛剤で数力月ごまかしてきた。
 
「歯科って一番頻繁に利用するのに、看護学生の私の保険ではカバーされない。虫歯1本でも自腹で治せば数百ドルから数千ドル。とても払えない。大学の歯科も、学生でも無料では診てくれないし」
 
オースチンさんが歯科の治療を受けている間、彼女の母親のナンシー・ルイスさん(59)は乳がん検診を済ませ、骨密度の測定ブースに並んでいた。長年ミドルクラスの一員だったが、今は無保険。病気にならないように食事や運動に気を配る。

以下続く。

11/14号週刊アエラが50万部は読まれていなければ民主主義は完成されない。②

2011年11月16日 06時01分33秒 | 日記
いま米国で大統領になるのに必要な資金がどれだけ巨額か見て下さい。それだけの資金を確保するには大富豪、投資家、金融機関からの支持を取りつけるしかない。*だいぶ以前に芥川が書いた事…日本のマスメディアが35年超やって来た「政治とカネ」というお題目の内向きの虚構ゲームが、どんなに阿呆なことであるかを言う為にオバマが集めた選挙資金に言及した章。以下本文に戻る。

支持率が急落して再選が危ういオバマ大統領は、TPPによって彼らに新たな市場、ビジネスチャンスを提供し、選挙資金を得る算段でしょう。1%の大資本が、米国という国や世界のあり方を決めるシステムができあがっているのです。
 
米国はいまや「資本独裁国家」の代表と言えます。このコーポラティズムに対して、今回、99%の人たちが初めて「ノー」という声をあげた。
重要なのは、米国だけの問題ではないということ。チリやブラジルなど南米諸国で左派政権成立に火をつけたものの存在、韓国の自主権を奪うかのような米韓FTA、NAFTAのISD条項(投資家と国家間の訴訟制度)がカナダやメキシコにもたらしたものー。見回せば、世界的な流れは鮮明です。TPPとウォール街デモは線であることに、気づかなければなりません。

 
ウォール街デモによって、「沈黙」は破られました。今後は、デモ参加者たちが日常の生活で何ができるかがカギになるでしょう。大資本だけでなく、私たち市民もまた、国境を超えてつながれるかどうか。いま、米国から国境を超えて私たち全員に投げられているのは、「国家とは何か」という問いなのです。

*こういう論説が、けれんみも、何の躊躇いも、てらいもなく常に書かれていてこそジャーナリストの集団であるジャーナリズムであろう。

11/14号週刊アエラが50万部は読まれていなければ民主主義は完成されない。

2011年11月16日 05時44分08秒 | 日記
『ルポ貧困大国アメリカ』の著者、堤未果さんが見たOWS(オキュパイ・ウォール・ストリート) 文中黒字化と*は芥川。

つつみ・みか/1971年、東京都生まれ。ニューヨーク市立大学大学院修士課程修了。国連婦人開発基金、アムネスティ・インターナショナルなどを経て、米国野村鐙券勤務中に米同時多発テロに遭遇し、以降ジャーナリストに。9~10月、全米各地を取材

問われたのは「国家」の姿 コーポラティズムに国境はない
 
一連のデモについて「反格差」が目的だと報じられていますが、それは本質ではありません。「オキュパイ・ウォール・ストリート(OWS)」という呼びかけに集まってきた人たちの声を聴けば、はっきりとしてきます。
 
わかりやすいのは、労働組合の存在です。全米自動車労働組合を始め、主要な労組が支持を表明し、デモに参加した。学生や若者中心と言われていましたが、実は中流の人たちが相当数参加していることに注目すべきです。これまでの米国のデモは人種差別や女性問題、労働者問題などピンポイントで要求を掲げ、そこに白人の中流層が参加する必要はなかった。でもいま、白人の中流層は失業中か、仕事はあっても教育や医療などの支出が高騰し、その日暮らしをせざるを得ないワーキングプアになっているのです。
 
確かに、彼ら一人ひとりは仕事がほしい、労働者の待遇を良くしてほしい、学費を下げてほしい、などといった不満をそれぞれ抱えています。しかし、デモ全体ははっきりとした要求を打ち出してはいない。私も当初、なぜ要求を打ち出さないのか不思議でした。各地でデモの核となる事務局の人たちに尋ねると、こんな答えが返ってきました。
 
「今回のデモは、おこぼれみたいに仕事をもらって終わりという性質のものではない。私たちは米国全体、世界全体で起きている同じ流れに対して抗議をしているのです」
 
個別の要求を掲げれば、メディアによって矮小化されてしまう。要求の優先順位が参加者間でも異なるため、内紛のもとにもなる。だから、まずはデモで街を占拠し、後から要求を出していこうと。
 
よく目にしたのは「フリーダム」や「99%」と書かれたプラカード。1%の人だけが政策や国のあり方を決め、残りの99%の国民の声が政治やメディアに反映されない不満が、ワーキングプアという境遇に落とされた中流層を中心に広がっている。政治や仕事やメディアに、国民が選択肢を持つ自由を求めている、というのが主眼なのです。
 
1%とは誰でしょう。背景には、大企業が政治に対してあまりに大きな力を持ったことがあります。米国で二極化が進み、富がごく一部の投資家や金融機関に集中した原因は、「強欲」を規制緩和が後押しして「合法的システム」にしてしまったからです。1980年代から加速し、リーマン・ショツクで3千万人を失業させた金融分野が象徴的です。
 
*昨夜「オキュパイ・ウォール・ストリート(OWS)」という公園占拠の形自体は排除され、終焉した訳ですが(NYに冬は北海道に匹敵する厳しさですから。双方に取って、ここらが潮時だった訳です)…以下続く。