七草農場Blog

中央アルプスの麓で、夫婦2人有機農業に奮闘中!

手作り!

2006年06月30日 | 農家ごはん!
 百姓の基本は手作りだ!

 近所のおばあさんにここ最近続けて手作りの柏餅
を頂いた。庭にある柏の木の葉を使い、自家製の小豆
入り、近くで採ったヨモギの葉を混ぜた草餅になって
いる。形は無骨な感じだけど、それもまた味があって、
食べるととっても香りが良くておいしい。

 我が家の裏にもどっしりと柏の木。これは作らない手
はない!!
冬でもまっ茶色になった葉が残るこの木を、今までなんと
なくうっとおしく思っていたけれど、急に身近で大事な木に
見えてきた。

早速柏餅作り。

と言っても、七草農場の小豆は去年鹿に食べられてしまい、
ちょっとしか採れなかったので、もう在庫ゼロ。
市販の小豆で我慢する。
蒸した米粉であんを包み、裏から採って来た柏の葉で包む。
思ったよりも難しくて形は更に無骨さを増していたけれど、
なんだか手作りは嬉しくなる。

 「この季節に必ず作るよ」

というおばあさんの言葉。
季節のこんな恒例行事?がここにはまだ色々残っている。

梅干し、近くで採れるくるみを使った五平餅、野沢菜漬け、
干柿、栗の渋皮煮、たくあん・・・。

手作りって買ってきたものとは違う味がある。
喜びもひとしおだ。

私もこれからこんな恒例の手作り行事をどんどん増やして
豊かになりたい。

 百姓の基本は手作りだー!!!


黙々と・・・

2006年06月29日 | 農業
 黙々と草を取る、草を取る、草を取る・・・。
最近の主な仕事は畑の草取り。

 畝の間を三角の鍬でガッ、ガッとかいていく。
トマトが病気にならないように周りに生えた草も
取ってやる。この間蒔いたにんじんが草に負けない
ように取ってやる。細かい作業だ。

田んぼの稲の間もかいてやると、浮き草になって雑草
が浮いてくる。やごの抜け殻が稲にくっついている。
おたまじゃくしも足が出てきて、なんだか中途半端で
グロテスクな泳ぎをしている。田んぼには色んな生き物
がいて見ていると面白い。除草剤をまいて、田んぼの
上から眺めるだけでは気付けない世界だ。

 毎日毎日、野菜が草に負けないように、取ってやるのは
大変だけれど、きれいになった畑は気持ちいい。
すごく集中してやるから、精神修行みたいなものかも知れない。

私達の農業は自然農じゃないので、草は取ってしまうけど、
刈った草は積んで堆肥にしたり、畝の間に敷いてやる。
ものすごい種類の草は、豊かな多様性で、畑をまた更に
豊かにしていってくれるような気がする。

やっと一周取って回ると、もう最初の方は草が伸びている・・・。
明日も草取りだ。


はらぺこ

2006年06月28日 | 農業
 私達の農場のすぐ近く、とても見晴らしのいい山の
上に、「はらぺこ」という自主保育の保育園がある。
お母さんたちが積極的に保育園の運営に関わっていて、
子供たちは毎日山の中を急斜面でも歩き回り、川に
行ったり、畑仕事を体験したり。子供たちは何時間でも
外で遊んでいるらしい。

ここに通う親子みんなが生き生きしている、とても素敵な
保育園だ。

私達は毎週2回、その保育園のある土地の一角に
「はらぺこ直売所」を作って、野菜を持って行っている。
持って行く量としては多くはないけれど、子供時代の
食べ物の重要性をいつも感じている私たちとしては、
ここで販売させてもらえることは、とっても嬉しいこと
なのだ!

「七草さんの野菜だと、子供も喜んで食べるんですよ」
「ここで買った大豆をゆでて醤油をかけただけのおやつを
子供は喜んでいっぱい食べるんですよ」

なんていう声を聞くと、まんざらでもない気持ちになる。

どんな子供時代でもそれぞれに輝く時がたくさん
あるんだろうけれど、こんな場所で過ごせた子供は幸せ
だろうなあ・・・。



2006年06月21日 | Weblog
 春に初めて花豆を蒔いた。思いがけない程の
大きな葉っぱ、ぐんぐん伸びるツル。
面白い。

と思ったら、今度は真っ赤な花が咲いた。

花豆のことはよく分からずにとりあえず種があったから
蒔いただけなので、この思いもかけないことの連続に
わくわくしている。
これからどうなっていくのかな?

野菜の花ってすごくきれいだ。

ルッコラの白い十字の花、春菊の淡い黄色の花、
じゃがいもの紫の花、ズッキーニの大きな黄色い花・・・。

けっして派手ではないけれど、花屋にはない魅力がある。

大地のパワー

2006年06月15日 | 農業
 昨日のTVで工場生産の野菜が取り上げられていた。
赤色ダイオードの光を朝晩関係なく当てて、レタスを
工場の中で栽培している。

生長も早いし、野菜が吸収しやすい光を当てているから
栄養価も高いのだとか。
温暖化などの天候の変化に関係なく、計画的に生産できる
から農業というよりは「製造業ですね」と工場の人。

コストがかかるから一般の野菜よりまだ高いらしいけれど
野菜の高騰などが続くと同じくらいの価格になる。

天候に左右されず、安定的に入ってくるからこういうのは
いいですね、とお客さんが画面で言っている。
虫もつかないし、泥もついてない。
ベルトコンベアーに乗って、上下しているレタスが映って
いる。

近未来の農業はどんどんこうなってくるのかなあー。


でも、なんかちょっと違わないかい?
なんかちょっとおかしくないかい?
本当にこれでいいのかい?

とは思わないんだろうか。

栄養価が数値の上では高くても、大地から伝わる
パワーを持っていないんじゃないだろうか。
そんなパワーを持った野菜を食べるためにも、
もっと自然を大切にしなきゃいけない。

目には見えないし、数値には出なくても、作る人
がこめた気持ちが伝わる野菜がやっぱりいいよ、
と言ってくれる人が、こんな時代だからこそもっと
増えて欲しいと思う。

そんな野菜を届けられるよう、明日も農作業に励み
ます。

ブックマーク追加です

2006年06月12日 | Weblog
 高校1年生の時、ネパールに行った。その時に出会った
いろんなことが、今の私のもとになっていると思っている。
きっとみんなそれぞれに、そんな風景や人を心の中に持って
いるんじゃないかと思う。

 そんな時に出会った、ネパールつながりのおはるさんのHP
をブックマークに追加しました。



ヒマラヤの麓
ネパールの村人達が手紡ぎした
ヘンプ糸(大麻)や
アロー糸(イラクサ)を
染めて織って
暮らしています

染めは天然の色を。
琉球藍やフクギ、
インド茜などなどを
つかっています。


そんな説明で始まるこのページ、自然と話しながら
織る、そんな布を、いつか私も身につけたいなあ、
と密かに思っているのです・・・。

しっかりしろよ、まめたろう!

2006年06月08日 | Weblog
 最近我が家の愛犬まめたろうの餌が何者かに奪われる
ことがしょっちゅう起きる。
 ガタガタ、という音、まめたろうの「わんわん」という
鳴き声に、夫と懐中電灯を持って走る。
なんだか出没する時間もだんだん早まっている。


小屋の目の前にお皿を置いておいたのに!
奪われて散らばった餌を一生懸命食べている。
誰かに取られると、急に食べたくなるらしい。
今食べるなら、しっかり残さず食べろ!!

完全になめられていて、番犬のばの字にも及ばない我が家
の犬を見下ろして、夫とため息。なんでこんなにお人よし
というかどんくさいんだ・・・。
かわいさはこの地域No.1だと思うんだけどね・・・。

どうも敵はたぬきかきつねらしい。
夫は姿を見るために2階から見張るか、と言っている。
農作業でくたくたなのにそんなことやってられん!



でもたぬきやきつねがいる所は生態系が豊かなんだそうだ。

昔ながらの・・・

2006年06月05日 | 農業
 朝1番に田んぼの除草をする。写真の道具は「田打ち車」
というもの。稲と稲の間をころころ押すと、爪のある車輪が
回って地面をかき回し草を取る、という優れもの。

 回った後の水面を見ると、小さな雑草が浮いている。稲も
喜んでいるような気がして、妙に嬉しくなる。

 と言っても小さな田んぼならまだ「楽しい」で終われる
けれど、1反以上にもなってくると、結構な重労働だ。
昔はみんなやっていたようだけれど、今やこの周辺でこんな
ことをやっているのは私達くらいだ。

でも除草剤を入れずに米作りをすることは、自分達の健康を
守るだけでなく、周辺の環境やそこに暮らす生き物たちをも
守るっていうこと。そう思えばなんだか誇らしい。

 そして昔ながらの道具は本当に素晴らしくて、よく出来て
いるもんだ。とうみ、足踏み脱穀機、わら切り、田打ち車
(いくつ知っている道具がありますか???)・・・・
使う度にこのアナログな道具のすごさを思い知るのだ!

 大切に使い続けたい道具たち、考えてみると米に関わる道具
が多いことに気付く。
日本人と米との深い関わりを感じてしまう。

今日という日

2006年06月01日 | Weblog
 毎日はっきり言って忙しい。早朝から日暮れまで働いても
やることは山ほどあって、しかも次から次から新たな作業が
出てくる。朝の空気は気持ち良くて仕事もはかどるし、朝に
しかできない仕事、昼やった方がいい仕事、それを2人で色々
考えてやっていく。

 うーん、これぞ農繁期。

 近くに住む有機農家の先輩はONとOFFをしっかり使い分けて
余裕のある農業をしている印象を受けるけど、新米の私達は
ちょっと必死の農業かも・・・。

 1日の作業を終えて、日が暮れる頃になると、今日という日
も無事暮れましたなあーという気持ちになる。

 今年新しく借りた畑の隣りに住んでいるおじいさんは、私達
が遅くまで作業をしていると

「明日という日がまた来るで、もうおしまいにしておくんな」
とにこにこしながら言う。

 いい言葉だなあ、とくたくたの身体で思う。