七草農場Blog

中央アルプスの麓で、夫婦2人有機農業に奮闘中!

鶏小屋

2009年11月28日 | Weblog
鶏を50羽飼っています。
なのに気温が下がって日照時間が減ったせいか、産卵率が
がくっと落ちてしまいました。
でも自然のままの養鶏なので、電灯をつけたりしません。
(電気を点けると、日照時間が延びたと思った鶏は卵をまた
産み出すようです。といってもやったことはないのですが)

卵を産まなくなると、あらあら困ったねえ、と言いながら
卵の予約をしてくださっているお客様に、すみません、
鶏が卵を産みません、とお断りします。

気ままな鶏たち。

それで、小屋の中は積もり積もった鶏糞で、床が30cmくらい
高くなってしまい、止まり木が埋まってきたので、今日は鶏小屋の
掃除!

表面は湿っているけれど、中を掘り起こすとさらさらの鶏糞が取れます。
米袋に20袋くらい取ったけれど、こんなものではそう変わりません。
まだまだまだまだ取れるぞ鶏糞、という感じ。

七草の野菜くずや、残飯、仲良しの豆腐屋さんのおから、近所の旅館の
残飯、米ぬかやくず米を食べて元気いっぱいの鶏。
卵をもらって、鶏糞はまた畑に還っていきます。
そしてまた畑でできた野菜のくずが鶏たちへ。

この循環はすごく気持ちがいいのです。農家は野菜くず(キャベツの外葉、
とか、ぶろっこりーの葉とか・・・)がやたらあるので、これをこのまま
どこかに積んでおいても、量と分解の速度が合わず、腐敗に近くなって
しまいます。でも鶏たちはそんな野菜くずをあっという間に食べてしまう
のです。もはや私たちの暮らしに、鶏は欠かせません。

きれいになって、もみ殻を足して、さらさらになった小屋の中に入った
鶏たち、嬉しそうに床をひっかきまわしていました。

しかし、自然のままでいいとはいえ、もうちょっと卵、産んでくれたまえよ!

いってきました

2009年11月26日 | Weblog
22日に東京朝市、アースデイマーケットに行ってきました。
前日から準備、毎回夫が山ほどの野菜を神業的に小さな車に詰め
こんでくれます。

天気予報は雨、だったけれど、すこーしぱらついた程度で、なんとか
夕方までもってくれました。雨と雨じゃないのとで売れ行きも全く
変わってくるのでありがたい限り。

毎回建て方を忘れている竹テントを助けを借りてなんとか建て、早速店開き。
どれもこれも、私たちの思いがいっぱい詰まった野菜です。

立ち止まって買ってくれて、次々とうちの野菜がいろんなところに
旅に出ます。どんな風に食べてくれるんだろうな・・・。
これは売れるだろう!と意気込んでいたものが全然売れなかったり、
逆に予想通りにすごく売れたり、予想外によく売れたり、そんなことも
いろいろ面白い。こうすればよく売れる、とか工夫したり。そんな、
自分たちの野菜を直接販売する楽しさはもちろん、他の出店者を
見るのも楽しくって勉強になります。

今回私の中で大大大ヒットだったのが、京野菜を使ったジャム屋さん。
海老芋、とか聖護院大根、とか万願寺甘とう、とか、賀茂なす、とか
えっ、こんなものまで?というようなもの、しかもすべて京野菜で
作られていて、見かけも色とりどりでポップでかわいい。
京都に住み、京都を第二の故郷というくらい愛している私は店先で
かなりの勢いで興奮し、ほとんどのジャムを試食させてもらいました。
ああ、これは素晴らしいよ!!こんな風に楽しいことをうちの野菜でも
やっていきたいなあ!

他にも夫が店を回って買ってきたれんこん、それから黒キャベツ。
れんこんはなかなか自分では作れないので貴重でおいしい。
黒キャベツは実物を初めてみて、帰ってスープで煮込んで食べたら
独特の香りと苦みなんだけれど、もうしみじみおいしくって
感動した。

東京まで行くのは結構大変な一大イベントだけれど、東京の七草のお客さま
が来てくれたり、両親にも会えるし、勉強になるし、楽しいし、やっぱり
いいなあ、と思ってまた行くのです。

今年はもう行かないけれど、また来年ぜひ!


漬物の季節がやってきた

2009年11月26日 | Weblog
11月も後半になると、漬物の季節真っ盛り。
11月のたくあん漬けに始まって、12月の野沢菜漬けがひと段落
するまで、なんだか落ち着かない。だから、漬物を樽に全部詰め
終わると、本当にほっとする。

それで、その後はおいしく漬かるか、かびが出てないか、味の頃合い
はどうか、って、なんだかそれも落ち着かないのだけれど。

信州の夫の所に嫁に来た訳ではなくて、結婚した人とたまたま信州に
移住してきただけなんだけれど、もう冬の私はすっかり信州の嫁、っていう
感じで、毎年試行錯誤で漬物を漬けまくっている。
うちはたくあんは4種類くらい漬ける。それから酢漬けと野沢菜漬けも2種類。
漬物石もこれだけ漬けると重いので、結構な重労働なんだけれど、それでも
楽しくて、漬物を漬けるのは大好き。毎年漬けていても、なんだか毎年
様子も違う。

でも来て1年目のたくあんはおいしくなさ過ぎてほとんど捨て、野沢菜漬けは
塩がたりなかったせいかかびてしまってほとんど捨てた。
その悲劇が経験としてあるからか、漬物を漬けるのは楽しい半面、ちょっと
プレッシャーもある。
だって失敗した時の大量廃棄ほど、悲しいものはないものね・・・。

そして、冬の一品持ちよりで仲間と集まると、必ず漬物がずらりと並んで、
レシピの交換会みたいになるので面白い。この風景も信州ならでは、かも知れない。

たくあん用の大根を畑から抜いて、川で洗う。ドロドロだった大根が見事な
までの純白に輝く。本当にはっとするほどどこまでも白くって感動する。
大根足って、ほめ言葉かも?と思うくらい、きれい。

しばらく干して漬けるもの。抜いてすぐ漬けるもの、に分けて。
まだしばらくは漬物仕事が続きます。

醤油絞り

2009年11月23日 | Weblog
ここ最近いろいろありすぎる毎日。そんな中での醤油絞り。
大好きな粉研の仲間と、このはなやにて。

当日は雨が時折みぞれになるような天気。それでも着いたらもうテント
が建って、釜にお湯がたっぷり沸いて揺れていた。

ここ伊那谷では自分たちで醤油を作る人がどんどん増えている。1度見たら
作りたい!と思わずにはいられない楽しさ。

早春のもろみの仕込みに始まって、秋までのもろみの管理、そして
クライマックスがこの絞り。

絞り師の岩崎さんが到着して、さっそくふねを設置して絞っていく。
それぞれが樽に仕込んだもろみが順にふねで絞られていく。
岩崎さんの動きは何一つ無駄がなくて美しい。


お湯を加えたもろみを袋に入れて、ふねに置いていくだけで、もうふねから
醤油が滴り落ちていく。こどもたちは大騒ぎで醤油をなめている。もう高血圧
寸前までなめまくる。それだけおいしいってことなんだなあ。
自家製の醤油で育つこどもたちの、なんと幸せなことか!

去年は脱脂大豆を使って仕込んだけれど、今年は丸大豆で仕込む。普通
丸大豆で醤油を仕込むとどうしても大豆の油分が醤油に出てきてしまうので、
樽の下にコックを付けて醤油だけを抜いていくらしいのだけれど、私たちの
作り方は大豆の油分が発酵の過程で醤油の旨みに溶け込んでしまって出ない
のだそうだ。

もろみをいい状態で作れれば、絞りもぐっと楽になるんだとか。岩崎さんは
仕込んだもろみの入った樽を外から見ただけでもうだいたい、どんな状態の
醤油になるか分かるんだとか。

そんな面白い話を聞きながら次々に醤油が絞られていく。

七草の醤油は2樽目。
「いい色のもろみですよ」
と岩崎さんに言ってもらうとなんだか嬉しくてほっとする。

絞り始めと終わりでは醤油の味も色もどんどん変化していく。
最初は少し濁っていて、しょっぱい感じ、でも絞るにつれ、どんどん澄んで
いって味もまろやかになる。

滴り落ちる七草醤油、醤油が「むらさき」というのがリアルに分かるような
むらさき、とも言える濃くていい醤油の色。
今年は仕込みの最初は張り切って記録や写真を撮って丁寧に仕込んでいた
けれど、農繁期になってだんだん手をかけられなかったりもしたのだけれど、
そういう自分の状態が現れつつ、それでもその状態なりの、その現状では
最高の醤油ができる気がしている。

うちの醤油も去年よりずうっとおいしい!醤油って、本当に楽しいなあ。

手順よく、チームワークよく、次々に絞られた後はみんなで温泉に入り、
持ちよりの楽しおいしのごはん。冷えた身体がほっとゆるんだ。

1週間程度静地ののち、ビン詰め。こんな経験ができるってすごいこと。
今年も嬉しい醤油ができました。









出店します

2009年11月18日 | Weblog

アースデイマーケット、出店します。
七草農場の出店は今年は今回が最後。天気があまりよくない
みたいだけれど、お時間のある方はぜひ七草に会いに来て下さいね!!

2009年11月22日(日)
10:00~16:00 雨天決行
代々木公園ケヤキ並木

今回は65店舗が出店予定だそうです。
お待ちしています!


重ね煮

2009年11月15日 | Weblog
この間、重ね煮料理の講習会に参加してきた。
野菜が最高においしくなる調理法。以前から知っていたけれど
きちんと話を聞くのは初めて。野菜の気持ちになって調理する。

重ね煮は、野菜の上に伸びるものほど鍋の下の層に、下に伸びるものほど
上の層に重ねていくと、鍋の中で野菜が調和する。

じんわりと野菜の水分が出て、うまみが引き出されていく。
水は入れないのが原則で、出来上がりの鍋に残った水分は野菜の水分。
その鍋の底に少したまった野菜のうまみたっぷりのスープのおいしいこと!
赤ん坊は狂ったように飲むらしい。
もちろん野菜も甘みが引き出されておーーいしいんだ!

「お鍋の中に宇宙を込める」って言っていた。

いいな、重ね煮。

出荷

2009年11月12日 | Weblog
今日の出荷は私の記憶の中では、七草史上最高の出荷数でした。
あんまり多いと出しきれないので、お断りして日をずらしてもらう
こともあるのだけれど、いやはや本当にありがたいことです。

いろんな家庭で、うちの野菜が食卓にのぼっているって、想像すると
なんだかもわっと嬉しい気持ちになってくる。

その食べ物でその人の体ができているのだから、七草のお客様と
私たちは数パーセントは同じものでできているんだな。

日々寒くなってくるけれど、まだまだ七草の野菜セットは充実しています。

(最近の野菜セット)

大根、白菜かキャベツ、さつまいも、じゃがいも、にんじん、水菜、
ターサイ、やまといも、長ネギ、小カブ・・・などなど


これからもどうぞよろしくお願いします。
新米、紫黒米(古代米長粒種)も好評販売中です!





大根

2009年11月08日 | Weblog
今年作っている大根。
青大根と、普通の大根と、黒大根と、紅芯大根、の4種類。
中でも黒大根は今年初めて作ってみた。
皮をむくと真っ白になるから、皮を生かして料理する。ぱっと見
ごぼうの太いのみたい。

青大根はおろしにすると、すーーっごくきれいでおいしくて大好き。

紅芯大根は輪切りにすると、ピンクと緑と白が混じっていて、これまた
すごく美しい。

面白い野菜を作るのが好き。
もちろん、一般的な野菜はきちんとおさえて、その上に遊び心で毎年
いろいろ挑戦してみる。
あんまりおいしいと思えなくて、というか使いこなせなくってそれきり
になってしまう野菜もいくつかあるけれど、ときどきヒット商品があって、
すごく気に入って、それ以来毎年の定番になる野菜もある。

野菜を送っているレストランのシェフに、どんな風に使ったのか、聞いてみたり
して、そんなのも楽しいし、すごく勉強になる。

この時期になると、もう種まきはしないから、心は少し来年の種まきのことになる。来年はどんな野菜を作るか、今から楽しみ!

田中優さんの話を聞きに行く

2009年11月04日 | Weblog
田中優さんの話を聞きに行った。

この企画はこの地域では2回目。毎年1回、友人たちが企画して
田中優さんの話を聞く機会ができた。とってもありがたいことだ
と思う。
しかし、なんでこの人はこんなにもわかりやすく、世界の仕組みを
紐解けるんだろうなあ、とまた心底感心してしまった。

今回興味をもったのは、みつばちのこと。
みつばちが失踪、って最近のニュースでよく取り上げられているけれど、
この原因は「ネオニコチノイド」という農薬なんだそう。

ダニやクモが原因だ、と言われていることもあるけれど、ダニやクモは
この農薬に強くて、蜂が死んでも生き残っているから、たくさん目について、
それが原因ではないか、と思われてしまうのだけれど、そうではないんだとか。

ネオニコチノイドにやられた蜂たちは、アルツハイマーのようになって、
蜜を採りに、巣から外へ出ていくと、そのまま帰ってこられなくなるそうだ。
うちも日本ミツバチを飼っているから、他人事ではなく聞き入ってしまった。

ネオニコチノイドと子供の注意欠陥・多動性障害(ADHD)も関係があると
見られているという。
全然そんなこと、思いもしない家族がこんなことで苦しむなんて、おかしい!
でも日本の農薬基準は他の国と比べてすごく甘くて、このネオニコチノイドも
フランス、ドイツではもう禁止されているのに、日本はされていない。

そして近年、カメムシがすごく増えていて、カメムシは米の汁を吸ってしまうから
その米が何キロかに3粒だかあると(詳しい数字は忘れてしまったけれど、もう
極端に少ない数字だった)米の値段ががくん、と下がってしまうんだそうだ。
それで、カメムシは強くてなかなか死なないから、農家の人たちは強い農薬の
ネオニコチノイドを使ってしまうんだって。

カメムシが3粒吸ってたって、いいと思うんだけれど!!!

うちの米だって、調べていないからわからないけれど、5粒くらい吸われている
かもしれない。でも、お客さんたちに、きちんと私たちの労力に見合ったお金を
出して、買ってもらえている。

農家の農産物もフェアトレードが大事なんだ、ってここ最近で改めて感じている。
そういう意味ではうちなんかものすごく恵まれているんだ。

他にも、みんな食べ物が大事大事、って気にしているけれど、食べ物の5.5倍の
重さの空気を吸っている。空気をもっともっと気にしなくちゃだめだよ、とも
言っていた。

食べ物、空気、水・・・大事だよなあーーー。

こういう話を聞くと、みんな自分に何ができるんだろう、って思ってしまうの
だけれど、優さんは「自分の表現方法で、自分に向いているものでそれを
伝えていく、やっていく方がいい」って言っていた。
「弱点を克服している場合じゃないよ」って。
勝間和代も、新聞でまーーったくおんなじこと、言っていたなあ。

自分に向くことでどんどんやるぞ!
書くことが好きな私は、まずブログも。

そして、それを実際に模索していくお茶会を友達と毎月1回やっています。
今月は10日です!何か、こうして始めたい。

優さんの話はまだまだ尽きないけれど、ここにてとりあえずおしまい。

冷える朝

2009年11月03日 | Weblog
今朝は今年一番の冷え込み。温度計は-3度。凍える。
でも寒さとともに日増しに朝焼けが、山が、美しく輝いている。
空気が澄んでいく。

でもこうなってくると朝の畑は凍っていて、葉野菜なんかはパリパリに
なっているので、もうこの時期になると、前日の夕方に収穫する。
昨日の夕方に急に入った注文に、あわてて収穫。一緒に、霜対策もする。

出荷もあったので、スタートが遅くて、どんどん日が暮れていく。
びゅうびゅうの強風。

最後はもう真っ暗で、車のライトで畑を照らして、懐中電灯をかざして収穫。
でも今夜は満月の1日前。ほとんどまんまるのお月さまが私たちを応援してる。

寒い。だけど、うん、これぞ農家の青春だ!なんて心で思う。

帰って食べたあったかいおじやが、おいしかったこと!