運命と出会う瞬間

映画・小説・音楽・・なんでもありの気ままな感想

桜、サクラ、さくら・・・

2008年04月04日 11時17分49秒 | Weblog
満開である。
どこを走ってもピンクの塊に出会い、そのたび胸が震える。
陽を浴びて春の風にたなびくのもいい、夕暮れに浮き出る様もいい、土手じゅうにずっとつながっている桜並木も、駅沿いや、ビルの谷間から数本だけ存在を示しているだけでも、桜はあたりを別世界に変えてくれる。・・この季節の、この国だけの幸せだ。日本人でよかった!!!!何度も言ってしまう。
  「日本人でよかった 」その言葉は、先日伊勢神宮に参拝したときにもしみじみ思った。足を踏み入れただけで伝わってくる「大切な気」、生きている空気。
今回は、いま面白い現象が起きている二見浦から入り、内宮と、最後に倭姫の宮だけの駆け足だった。二見浦でひいたおみくじは夫婦そろって「八番」。こんなことは初めてだった。八は、や、弥であり、弥栄でもある。めでたくありがたい、と大切に持ち帰った。
日本に生まれ、この時期を生かさせていただいていること自体が弥栄である。
何千年も営々と、朝暗いうちから神と先祖に捧げる手作りの野菜と穀物を主とした神餌(みけ)。そして、二十年ごとに遷座しては守り続けてきた神殿とリサイクルしていく木々・・あんな場所をもっている国がほかにあるだろうか。
あそこから、発信されなくてはいけないことが、学ばれなければならないことが確かに存在している。

西行が詠んだ歌で、大好きな一首。
『ねがわくは、桜の下に春死なん、その如月の望月のころ』
満開の夜桜からはらはらと散る花びらを、横になって見上げていると,このままあっちに移行するのもいいなあ、なんて本気で思ってしまいそうになる。
だから、桜は美しくあやしい花なのである。
     *写真の桜は、伊勢でなくて熊野の大斎原の桜