運命と出会う瞬間

映画・小説・音楽・・なんでもありの気ままな感想

ドラムリンとエリー

2007年02月02日 16時05分58秒 | Weblog
とても好きな映画の一つに『コンタクト』がある。
カール・セーガン原作で、ジョディ・フォスターが、地球外生命体との交信を試みてついに返答を得る物語だ。
 先日、『不都合な真実』を観ながら何かに似ていると思い、そのままずっと胸にシュクシュクしていたが、今朝わかった。
そうだ、ドラムリンだ!!

『コンタクト』では、地球外生命体からの返答、(これは明らかにジョディ・フォスターが演じる主人公エリーの努力への返答だった)、そのメッセージが宇宙船の設計図であることもエリーが判読して、いよいよその宇宙船が完成されて宇宙に向けて飛び立つための乗組員を選ぶ段になって、いや、宇宙からの返答があった時点で急に、あたかも自分の研究成果のように振舞いだしていた、エリーの上司でもあるドラムリン教授が、アメリカ人の心理をついて巧みに選出される。心中の思いをふっきって最後には彼に『成功を』と、握手するエリー。あのときのドラムリンとエリーのことを、誰より妨害してきたくせに、選挙ではCO2削減を自分の政策に挙げて当選を果たしたブッシュと、敗れたゴアとの関係に触発されて思い出したのだ。

『コンタクト』を観た人ならしかし、うまいことやったはずのドラムリンがどうなったかを知っている。
彼はテストに紛れ込んだテロリストの自爆と共に砕け散る・・。
そうしてエリーは、その後思いがけない招聘で密かに作られていた予備の宇宙船に乗って、『真の招待者』として宇宙に向かう。..その後になお残されている大きな課題がこの映画の本題なのではあるが。

・・・正直者が馬鹿をみたのは昔の話。
これからはもう、正直者だけが残っていく時代に突入していくと聞いている。
ブッシュがドラムリンのようになるかどうかは知らないが、大いなる意志はすべてをきっと見ている、報復や裁きは人間がすることでなく、原因がまわりまわって結果へとつながっていく。
わたしたちは、自分のやることを、誠心誠意やっていくだけなのだと思う。