ルーン文字の由来:ヴァイキング、ラテン語、呪術化

2024-03-31 11:17:49 | ことば関連

 

 

おー、ルーン文字解説か~。ネタ的なもんじゃなくてその由来とか広がりをちゃんと説明してくれてるんで、こういうのはありがたいね。

 

以前、漢字の到来に絡めて英語にフランス語・ラテン語の他に古ノルド語からの借用語もあることは触れたが、ブリテン島には多数のヴァイキングが来航・侵攻し、それを撃退したアルフレッド大王、あるいはブリテン島を征服して大帝国(デーン朝)を一時的に築いたクヌートのことを思えば、まあ当然のことではあるだろう(「来航」と書いたように、商業活動でのやり取りもある点に注意。これは中華地域と北方遊牧民の関係性と同じである)。

 

それは動画内で説明されていgift(ゲボw)やneedのように日常的な単語が多いが、sowiloは思わず「solar」を連想するも、あっちはラテン語のsol由来やったなと思いなおしたり、ちょっとした頭の体操になった(まあルーン文字自体がラテン文字に由来してる訳だから多少はね)。ちなみに、sunがあるのになんでsolarもあるの?ってなったりするワケだけど、こういうのって大体の場合は由来が別言語で、「火」に関するfireとflame、「仲間」に関するcompanyとfellow、「体調が悪い」に関するsickとillなどを例に挙げることができる(ちょっとズレるが、solarがラテン語=古代ローマ由来でその影響力の大きさを理解していると、映画「太陽がいっぱい」などで有名なフランスの「ソレイユ」もそれ系なんやなとわかったりする。そしてこれもついでに言えば、「いっぱい」のpleinは一寸英語のplain?と思わせて、plenty ofのplentyとわかれば英語にもある「たくさん」の意味で使われてるなと気付く)。

 

ちなみにウクライナで発掘されたという「ゴート語をルーン文字で刻んだ遺物」もちょっと色々思い出されるので触れておきたい。まず、時間の制約で動画では触れていないのだと思うが、例えばウクライナの中心キーウ(キエフ)はドニエプル川を通じて広域の商業圏を形成しており、実際12世紀にはノルマン人のオレーグがそこを中心にキエフ公国を建国している。その意味で言えば、「ウクライナでルーン文字発見」というのは地図上の距離でこそ離れているように見えるものの、それほど驚くべきことではない。

 

また、ここで「ゴート語」が出てきたので少し自分の話をすると、だいぶ前に書いた話として、そもそも大学で歴史を勉強しようと思ったきっかけは、ルパン3世「カリオストロの城」と、「黒山羊」というエロゲーだったりするwその両方で「ゴート文字」やら「ゴート族」というのが出てきて、なんじゃそら?と思い(96年~97年頃なのでネット回線もなく)高校の図書館に通いながら言語学辞典やら西洋史辞典なんかを見ていたら、まさに「ルーン文字」なるものが登場し、ほげー、おもろー(・∀・)!!と中二病ならぬ高二病を発動したものだった(少し補足しておくと、ゴート語は4世紀頃のゴート文字発明以前だとルーン文字で書かれていた・・・という記述に触れたのが「ルーン文字」なるものを初めて認知したきっかけである)。

 

んで、高2の時にクラス内でみんな英語プレゼンで発表をせにゃいかんというイベントがあった時、特に喋りたいこともないのでゴート文字をでぇがくで勉強したいっス(テミー並感)と話す準備してた折、「ゴート」文字が英語ではGothic letterとなるのを知り、中世建築の「ゴシック」式ってそっから来てんだなあと知って興味が湧いたりしたもんだ。

 

まあここまでくれば普通は大学で西洋史を学ぶはずなのだが、なぜか東洋史に進み研究内容も「突厥」というゴート族に全然関係ないヤツを選んだのは自分でもいまだに謎である( 。∀ ゜)

 

まあ実は突厥が発明した文字がルーン文字に形態が似ており「突厥ルーニック文字」なんて言われたりもするが(実際にはアラム・ソグド語系に由来するので見かけがそれっぽいだけ)、そのことを知ったのは、護雅夫の凶器みたいな『古代トルコ民族史研究』を読んだり、小野川秀美の「突厥碑文訳注」を読んだりするようになってからのことであったとさ(ちなみに後者が掲載された1943年の『満蒙史論叢』なる書名は、当時の日本の国情をよく反映していておもしろかった)。

 

色々な記憶が掘り起こされておもろかったので、徒然なるままに書いてみましたよと。


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