ひぐらしと「虐殺」

2007-01-18 02:23:54 | ひぐらし
ひぐらしについてはしばらくまとまった内容の記事を書いていないが、それは別に興味を失ったからではなく、むしろ書くべき事が多すぎて困っているくらいだ(新編が出たり他の機種に移植されてもいるし)。要はカラマーゾフの兄弟や君が望む永遠と同じ状態なのだが、まあ書きたいという欲求と書けるだけの時間の確保が重なるという「奇跡」が実現すれば、その時は怒涛のように書くことだろう(どれだけ早くとも、それはGW以降になりそうだが)。


とまあ言い訳なのか告知なのかわからんことをだらだら書いててもしょうがないので、本題に移る。皆殺し編で提示された真相が推理ものとして終わっているのは以前述べたとおりだが(過去に携帯から上げたままでまとめていないが、とりあえず次のを参照)、推理を離れて純粋な物語として見た場合、なかなかおもしろい構図が提示されていることに思い到る。ひぐらしをプレイしてきた人にとっては、このゲームが児童相談所の話などを通して社会問題を訴えてきたことは周知の事実だし、また政治問題と言うと印象が偏ってしまうかもしれないが、警察への圧力を始めとして政界の裏といった話題も出てくるのもよく知られている通りだ。ところで、そういった中に綿流し編で731部隊の話が出てくるのを覚えているだろうか?そして「東京」がどういう性質の組織であったかも。


そう考えていくと、皆殺し編で提示される大災害の真相、すなわち村人の虐殺は単なる事件の真相以上の意味合いを持っていると考えるのが普通だろう。そして南京の事件を連想すると、今度は「国家による村人虐殺」というひぐらしの真相を受け入れないプレーヤーは、何のメタファーなのだろう?という疑問に繋がる。とするとそれは、「南京の事件を受け入れない人」になるわけだ。まあ率直に言って、今ここで南京の問題そのものについて論じる気は全くないが、少なくとも731部隊の話や「東京」の性質を考慮すると、村人の虐殺が南京事件の雛身沢版であり、それを読めなかったり受け入れられなかったりするプレイヤーは南京事件を否定する人々、という構図が容易に成り立つことを指摘しておきたい(もっと単純に言えば、雛身沢の人々を二次大戦時の大陸の人々に置き換えると…ということだ)。あるいはより一般的に、国家陰謀説とそれに対する態度と言ってもよいだろう。


そういった構図・メタファーをどう考えるかは別として、ひぐらしの真相の裏に二次大戦の要素が絡んでいることは考慮に入れておく必要があるように思う。

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2 コメント

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Unknown (バイシ)
2007-01-19 23:30:01
そうですね。だいたい「ひぐらし」公式HPの各掲示板のトップに7月7日と8月15日が書いてある時点で、結構わかりやすかったとおもいます。日にちからいうと、二次大戦というより日中戦争ですかね。
それで早くから陰謀説を唱えていたんですが、不評でしたね。最後には攻撃的な書き込みをされたので、公式板には行くきがなくなってしまいました・・・。
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Unknown (ギーガ)
2007-01-20 01:12:43
その書き込みを見たことはありませんが、それに対する反応は何となくわかる気がします。昔は時々UFO説が出たりもしていましたから、たとえ論理的な内容を書いたとしても最終的にそれと同列に考えてしまう人が多かったのでしょう。


まあ辛らつな言い方をすれば、みんな「人為100%」にしがみついていましたからね(苦笑)その波及効果として国家も「オカルト」に入れられたというわけでしょう。
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