ひぐらしのなく頃に 業:第11話の感想

2020-12-12 12:53:05 | ひぐらし

月曜から昨日にかけた一連の記事(兎鞠まりにじさんじの印章的な歌い手川崎放浪八王子城)の続きを書くか、はたまたひぐらしの最新話について書くか迷ったが、後者の方が先にまとまりそうなので今回はそちらを扱うことにする(一応今回は虐待や抑圧の話が出てくるので、一連の記事と無関係でもないしね)。

 

以下、気になった部分を箇条書きにしつつコメントを加える。

 

・皆殺し編をなぞる展開

そもそも鬼騙し編が鬼隠し編+罪滅し編だったので、別段驚くべきことではない。

 

・児童相談所の対応

旧ひぐらしからすでに15年経っており、今では「毒親」という言葉もある程度人口に膾炙している。また今年裁判が行われた虐待死事件やその経緯を思い出す人も多いだろう(ちなみに言っておけば、今回の描写は皆殺し編などの時とほぼ同じで、そういった事件の影響を伺わせるような変化が見られた、というわけではない。むしろ「ひぐらしのなく頃に」という作品の先見の明を示す事例と言える)。差し当たって今はそう述べるにとどめておく。

 

・オーバーな演出

今回は身振り手振りに表情、セリフも含め、オーバーと感じられる演出が多い。ただこれは鬼騙し編におけるレナの微細な違和感の表現(→彼女が凶行に及ぶ伏線)、前話(10話)における表情のアップで内面を推測させるような描写あってのものなので(綿騙し編ラストの扉に体当たりする圭一みたいな劇画的描写もあるにはあるが珍しい)、単純に稚拙と切り捨てるのは早計であるように思える。

旧ひぐらしの皆殺し編もそうだったが、盛り上げる演出+興奮から惨劇への落差を作るという意図ではないかと予測する(まあ皆殺し編段階では、斜めった突っ込みに対する防波堤の意味合いや、若干の「照れ」要素もあったかもしれないが)。

 

・詩音の描写

詩音というキャラクターをよく描けとりますなあ。旧ひぐらしを知っていると(椅子で殴っといて謝りもせず座り込むところとか=とりあえず矛を収めたけど納得はしていない)頷きしかないんだけど、初見の人は綿騙し編から豹変したように見えて驚くだろうなあ。

 

・梨花の「これが奇跡」発言

いやあなた祭囃し編を経た梨花ちゃまじゃないんですかい??と思わず突っ込みそうになったシーン(;´∀`)まあ第10話の梨花の立ち居振る舞いが自分の予測した意図の元に行われているならば、「鬼騙し編と綿騙し編でハッピーエンドのために積極的に動いたにもかかわらず、自分の知っている世界とは違う要素でバッドエンドに突入してしまった。よってこの世界のルールがよくわからないためあえて凡庸な振る舞いをしたら、それでも圭一が皆殺し編と同じ奇跡を引き起こす原動力になりそうな状況が生まれていて感動している様」(国語の説明問題並感)というあたりだろうか。

 

・最後に大石が出てきた意味

その前の部活メンバーの会話を踏まえると、大石が鉄平と沙都子を引き離すキーパーソンになることを暗示か。皆殺し編では園崎家当主を説得しつつ魅音の叔父なども巻き込んで行政を動かすという展開だったが、大石の場合は鉄平が今回の綿流しの犠牲者になると踏んでいるため、マークしているはず(だから学校にもやってきて圭一などに聞き込みをしていた)。

となると、鉄平を雛見沢(≒沙都子)から引き離すことは、大石にしてもメリットのある行為なため、彼を説得&共闘して沙都子と鉄平の引き離しを図るのが祟騙し編の次なる展開ではないかと予測される。

 

・祟騙し編の今後

今までのパターンからするとあと1話しかないのだが、とてもこれで祟騙し編が終わるようには思えない状況だ。とはいえ、仮に次で完結だとすれば想像するに

大石を巻き込んで沙都子の救出に成功

それでも惨劇が起こり梨花は死亡
(ただしそれは鷹野の強固な意思による一連の事件ではない。北条家から連れ帰った沙都子が暴走?)

梨花が絶望して「やってらんねーよ!」となりながら、梨花視点で「ひぐらし 業」の世界ルールを探求する新編がスタート

という感じだろうか。第11話の露骨なアゲアゲ演出(?)からして、上げて落とす意図だろうとは予測されるが、かと言って皆殺し編のように強大な陰謀の顛末を描く尺は全くないため、こうした急転直下の死によって「この世界から抜け出す方法がわからない!」と梨花の絶望が深まった状態で次なる話が始まる(cf.EDでは梨花が不安そうに座り込み、羽入が厳しい表情で見下ろしている)んではないかと考える次第である。


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