勢いで始めて、まあそのままいけるやろと思っていたら、想像以上に手間がかかったり、他のものに手を取られたりして、結局ずーーーーっと後回し・・・なんてものはないですかね?自分は頻繁にありをりはべりいまそかりという状況ですが、今回の「名前の由来から逃げるな」は、まさかの夏休みの宿題をブッチどころか最終日前に仕上げてきた感じのサプライズ動画でありマス。
自分も前に「アカシックレコード<<<<ネタ」などで「アレクサンドロス→アレックス/イスカンダル」、「アブラハム→イブラヒーム」といった由来の話はしてきたけど、由来の理解って今までカタカナでバラバラに聞いて記号化していたものを、ツリー構造で体系的に把握するのに役立つから重要だしおもしろい。
動画で触れられている名前ということで言えば、「フィリップ」だけでも、元サッカー選手で現監督のフィリッポ・インザーギ、ルネサンスの先駆者的芸術家のフィリッポ・リッピはもちろん、フェリペは国名フィリピンの語源だし、あるいは「フィリップ」の語源として「フィリア」が出てくるが、こちらは「愛」ということでフィリア、エロス、アガペーと並べて解説されることが多い単語で(エロスではないから「友愛」的なニュアンスというわけ)、よく知られているようにフィリア(愛)+ソフィア(知恵)でフィロソフィア(愛知w)=philosophia=哲学となる・・・といった具合だ。これらを衒学的に思われる向きもあるかもしれないが、例えばフィリピンの語源を知っていれば、その宗主国が容易に記憶できるのはもちろん、同地がいつ頃スペインの植民地となったか(レパント海戦やアルマダ海戦から16世紀後半)も想起しやすいという意味で有用と言える(こういった視点は、例えば新しく高校の教科で始まった「歴史総合」とやらでも使えるのではないだろうか)。
ちなみにこういった名前の由来というか名称の構造化は、他にも応用できる。例えば、サイクロプスはドラクエなどRPGゲームなどによく出てくるが、そのビジュアルから「サイクロピア(cyclopia)」と聞いた場合、「insomnia」や「heterochromia」など疾患にまつわるラテン語由来の単語だと知っていると「単眼症」という意味が連想できる、といった具合だ(他にもGBのサガ2で出てくる「ゲイザー」はgaze、ドラクエ4の「スペクテット」もaspectやspectatorなど「目」に関連する単語由来だとわかれば、逆にそれらの単語を覚えるのに役立ったりする)。
逆にこういう意識がないと、例えばマーティン・スコセッシ(Martin・Scorsese)とサン・マルティン(San・Martin)の共通性にまるで気付かなかったり(rの発音の違いだけだが)、あるいは「ノビスパン」という日本史で習う言葉をただそのまま丸暗記して他に何の応用もできないことになるのである(ノビスパンが「Nueva Espanya→New Spain」であることがわかれば、宗主国をスペインとする植民地のことだと理解しやすい)。
とはいえ、「訂正する力、越境する知、自律した人間の養成」でも述べたように、私たちはカタカナによって「外来のものをとりあえず記号化して丸呑みする」というスタンスに慣れきっているから、それを自発的に更改するためには、ツリー構造化がおもしろと感じたり、それを普段からやるような習慣付けが必要不可欠なのだけど(これは昨日書いたdecision fatigueや情報のフォアグラ化の話につながるが、大量の情報がある時、人間はその分析力を十全に発揮するよりもむしろ、思考停止して目の前にあるわかりやすいものに唯々諾々と従いがちであって、そこに掉さすには相応の訓練が必要となる)。
というわけで、そういう物事を体系化して整理・理解する一歩を踏み出すためにも、今回の動画は非常に有用だと思うので紹介した次第。それでは、サリュー(・∀・)
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