ひぐらしのなく頃に 業:第13話の感想→世界のルールを再考察してみる

2020-12-28 12:20:20 | ひぐらし
ほうほう、これはなかなかトリッキーなのが来おったわ。〇〇〇を疑わせといてこの展開か~。あ、どうもムッカーです。今回は早めに見れたんで早速感想を書いておきたいと思い〼。ちなみにネタ成分多めです。また当然ながらネタバレ全開でいきますんで悪しからず。
 
 
〇沙都子が解放されるまでは「雑な皆殺し編」
まあそりゃあそうやろ。そもそもリピーターはこの展開を知ってるんだから、むしろ一度描かれたものを丁寧に描き直したらもっと意味不明ですわいや(「エンドレスエイト」をやりたいなら話は別だけどね)。それに、OPの歌詞にもあるように、そもそもこの世界が誰かの意図によって成立した、いわば「二次創作的」世界である可能性は相変わらず強く残っている。
 
後述するが、「誰が信じられるのか」(言うまでもなくOPと関連する)という点で意図的に古手梨花(と視聴者)を揺さぶっている感も、どこかこの世界に誰かの意思が介在していることを伺わせるんよねえ。
 
 
〇沙都子は本当に虐待されてたのか?
わざわざシャワーシーンまで出したのは、「外傷がないこと」を示すためか。ここから「実は虐待がない」と推測することも可能だ。鉄平の粗暴さに関するこれまでの描写は、あまりに繰り返されすぎてわざとらしいとも感じるため(沙都子に関連しないところでは彼の粗暴さは少なくとも4回出てくるのに、沙都子との直接的な描写は一度もない)、沙都子の虐待が皆殺し編とは違ってミスリードと考えることもできるからだ。
 
ただねえ・・・それを言ったら旧ひぐらしも同じなんよなあ。例えば祟殺し編ではバスタオル一枚の沙都子の立ち絵があるが、記憶の限りそこに外傷の後はないし、そのようなものについての説明描写もなかったはず。さらに言うなら、そもそも一度児童相談所の通報があった後は虐待がより目立たない陰湿なものになったという話もあったわけで、具体的に手を出すのではなく、言葉による虐待をしていた可能性は少なくない(大体、悟史と沙都子が身を寄せ合っているシーンでは二人とも痣があるしね)。とするなら、今回のシャワーシーンは視聴者をトネガワの「蛇」に誘う演出だと思うがどうかね?
 
まあここはもう少し考えた方がよさそうな場面やね。
 
 
〇今回のリバーシブルは・・・鉄平おじさん!!
 
圭一にデレデレした沙都子が彼を家に連れていく描写を見て、「あっ、これは死亡フラグや」と思いドキがムネムネしたのも束の間、電気を点けたらお目々が真っ赤な鉄平おじさん登場(・∀・)いつだって、忘れない!凶器には、悟史バット♪そんなの常識~♪
 
なんて当時生まれてもいないアニメ番組のオマージュはさておき、鉄平が待ち伏せで圭一を攻撃してんのは祟殺し編と完全にリバーシブル展開ですな。ただ、ここでも圭一くんは驚くべき強靭さを発揮し、DIO様でさえまともに立てなかったであろう頭部への不意打ちを食らってもなお反撃を試み、むしろ鉄平を、死ぬまで、殴るのを、やめない!スタイルで返り討ちにしたりましたよと。てか圭一くん某神父みたいにリジェネレーターでも搭載してんのかな?かな?(・∀・)
 
うーん、一応これは鬼騙し編の圭一VSレナ・梨花VS沙都子、綿騙し編の魅音VS沙都子の相討ちを連想はするが、ちゃんと考えにゃあかんとこだな。
 
まあ一応鉄平が地蔵を破壊してる描写があって「バチが当たるぞ」と村人に言われてるシーンがあるのでそういった点に理由を求めることはできなくはないが、もはやそこまでいくと何でもありやんけ!て話である(;´∀`)
 
 
〇蔵人、キレる
といっても「何だぁてめぇ?」とか言って剣豪とバトり始めるわけじゃあない(・∀・)どっちかと言うと天才バカボンの警察官的振る舞いをお祭りの場でリアルでやっちまったという話である。何言ってるかわからねーと思うが本当のことだ・・・
 
いや~、これ完全に振り切ってきたな。「鷹野が強い意思を持ち同じことが繰り返される旧ひぐらしとは違う世界線らしい」とは何度も書いてきたが、まさかここで大石タンご乱心とは恐れいったわ。
 
まあこれも旧ひぐらしのリバーシブルと考えることはできるが(旧ひぐらしでは大石は事件を解決しようとする側なのでね)、蔵人さんがヤられたのって山狗からの狙撃ですよね?てなわけで、鉄平ほどには納得のいくリバーシブルではない。そもそも、旧ひぐらしはもちろん、ひぐらし業の鬼騙し編・綿騙し編を見ても、ホル・ホース大石(ぶちまけろっ!!)の暴走は必然性を欠いており、全くのところ意味不明である。
 
という点は、それこそレナが最後に放ったセリフが全てを表しているが、あれをわざわざ喋らせるってことは、こちらの反応も計画通り!(悪笑)ということなんだろう。圭一の元を訪れた描写が熊谷とレナだけなので、事態がレナの言葉通りではない可能性を疑うことはできるが、例えば綿騙し編だと圭一の事情聴取は大石が行っており、状況的にも熊谷が一人で来るのは非常に違和感があるため、「レナの妄想」と断じるのはちと厳しそうだ。
 
ちなみに、犯人が大石なら、鉄平が釈放されて家にいたのも納得はいく(旧ひぐらしの大石なら、鉄平は4年目に綿流しの被害者となる可能性が高く、逃亡が絶対起こらないよう最大限の警戒をするはずだし、まして積極的に釈放するとは考えにくい)。ただ、鉄平が家にいたタイミングがあまりに良すぎるし(だいたい圭一が北条家に来るのは、沙都子がそれを始めから狙って鉄平などと示し合わせていない限り、偶然の要素が強すぎて読めるわけがない)、赤みがかった映像の色=症候群?=幻覚?という疑いもあって、この描写を見たまんま受け入れていいのかさえ疑問である(というかサイレントヒルみたいだねと勝手に思った)。
 
 
〇ルールを考えなおしませう
 
第13話で改めて思い浮かんだのが、「うみねこのなく頃に」だ。つまり、ある惨劇(梨花の死?)が結論として先にあって、そこに過程が妄想として後付けされていくって寸法だ(だから例えば、うみねこのepisode2はスターウォーズ的な描写が突然登場するし)。個々の話とその必然性(どうしてそうなった?)を考えると、今回の祟騙し編ほど意味不明すぎて頭痛を伴うものはないが、そこから「結局、『ひぐらし 業』とはどういう世界なのか?」という広い視野で考察すると違ったものが見えてくるのかもしれない。
 
自分は第13話によって沙都子の疑いが晴れたとは全く思っていないが(そもそも玄関に上げる際に電気を点けないのは明らかに不自然で、誘導の可能性を示唆する)、一方で混迷が深まったのも事実である。そこで少し全体に関わるおぼしき世界のルール=共通項を整理しておきたい。
 
(A)大災害は起こらない
 
祟騙し編も富竹の死という「時報」が存在しない=鷹野の強い意思が介在しない世界という予測と完全に一致するため、このルールはほぼ確定していいと思う。ただ、ようわからんのはそうすると山狗たちの行動原理は旧ひぐらしとどう異なるのかってことである(綿騙し編終盤のこともあるしね)。
 
(B)前原圭一は生き延びる
 
毎度毎度ひどい目には遭うが、生還はしている。特に鬼騙し編の圭一は明らかに異常で、どう考えても死ぬとしたら圭一であってレナではない。ここからすると、「前原圭一は死なない(生き延びる)ということが始めから決まっている世界」と推測することが妥当であるように思われる。
 
(C)古手梨花は死ぬ
 
死に方は刺殺、絞殺(溺死?)、銃で撃たれ死亡と一定しないが、「死ぬという事実だけは共通」している。
 
(D)毎回四話というわけではない
 
まあこれは綿流しの「連続怪死事件」と同じで、鬼騙し編・綿騙し編と二回同じものが続いたことで「全て四話構成だと錯覚させる」狙いだったかもしれないので何とも言えない(;´∀`)まあ沙都子がこの世界の生成に深く関係しているとすれば、彼女が軟禁のような状態に置かれたことで世界の法則が乱れたのかもしれない(だから、彼女が解放されると一挙に世界は崩壊に向かっていく?)。まあちょっとメタい話なんでこの考察は今のところここまでかな。
 
(E)毎回、想定外の人物が暴走する
 
これは梨花視点という意味合いでもあるが、
 
鬼:鬼隠し編ぽいので圭一フォローした→なのにレナが暴走した
(鬼隠し編に見せかけて梨花を騙し、梨花を亡き者にする話=鬼騙し編)
 
綿:綿流し編ぽいので魅音フォローしたことで詩音暴走止めた→魅音が暴走した
(綿流し編に見せかけて梨花を騙し、梨花を亡き者にする話=綿騙し編)
 
祟:祟殺し編ぽいので沙都子を団結して救い出した→鉄平カムバック&蔵人ホルホース化
(祟殺し編に見せかけて梨花を騙し、梨花を亡き者にする話=祟騙し編)
 
てな感じで、それぞれの世界線を見て旧ひぐらしの知識からハッピーエンドの方向に持っていこうとすると、思わぬところで足元を掬われる(殺される)という展開になっている。そこからしても、やはり「古手梨花を殺すための世界」という印象が拭えないんだよなあ。それが彼女に対する憎悪からなのか(cf.北条沙都子の場合)、はたまたうみねこであったような惨劇を好事家的に考察した結果から生まれたのかは謎だけど。
 
(F)これってどういう世界なんよ?
 
以上を踏まえると、「大災害は起きていない」・「前原圭一は生存している」・「古手梨花は死んだ」・「北条沙都子は死んだ」という世界線で編まれた二次創作なのだろうか?はたまたそういう世界での誰かしらの罪悪感や憎悪などが生み出した世界なのだろうか??ただ、それにしては部活メンバー=主要人物でさえ生存する人間がバラバラであり、その点はうみねこに比して考察するのは無理があるとも思える部分だ(だいたい、キーパーソンの可能性を疑っている北条沙都子の死に方も今回は明らかに今までと違っており、特異な地位ではなくなっている)。
 
ただやっぱり、大石や鉄平が暴走する理由を必要以上に考えすぎるとドツボにはまるとは直感的に思う。もうちょい考える材料がほしいところやね(それこそ、うみねこの「魔法は存在するか否か」議論と同じ)。
 
(G)沙都子が世界の創世や構造に深く関わっているとしたら・・・
 
綿騙し編の意味深な言動・行動や二度にわたる相討ち描写を含め、「ひぐらし 業」の沙都子にはどうも何か秘密がありそうに感じられる。
 
そう考えて今回の祟騙し編を見るに、沙都子が軟禁されている(抑え込まれている)状況では旧ひぐらしと全く同じ展開が生じ、一方で沙都子が解放されたら途端に既存とは全く違う流れになったことが非常に興味深い。というのもこれは、(少なくとも軟禁されていない状態の)沙都子が「梨花を罠に嵌めるためにあるような世界」とでも呼ぶべき「ひぐらし 業」の生成に強く影響を与えていることを疑わせるからだ。
 
(H)「猫騙し編」とは?
 
もし次が暇騙し編ならゴロわりーなあとか思っていたら、なんと「猫騙し」編らしいwまあ祟騙し編の次では梨花が「何じゃこの意味不明な世界わーーー!!!」とブチぎれる展開やろうと思っていたので、その意味では梨花=猫とした場合解釈一致である。多分これまでの話を踏まえて、梨花がどういう行動原理で動いてきたのかを彼女視点から解説する話なんジャマイカ。
 
まあここまで希望を持たされたのにまた死んでしまい、その上に旧ひぐらしと違う展開がこれだけ続いたら、EDのように「もうわけわかんねーぞなもし」と座り込んじまうのも無理はない。その様子を描きつつ、羽入と脳内会話(?)しながらこの世界の脱出方法を模索するって感じになるんじゃないかしらん。
 
祟騙し編は、話数も含めて、かなり世界のフレームが歪んだ(or破壊された)印象があるので、それをどう再構築していくのか興味深いところである。
 
 
まあこんなもんすかねー。とりあえず他にまた気になることが出てきたら書いていくとしますわいや。ほならAuf Wiedersehen!

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