花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

朝霧

2012年10月21日 | Weblog
朝霧の晴れゆく島へ橋伸びる
澄む秋のホームを駆ける男の子
夕映えのパールブリッジ灯る秋

秋祭り近づく古き街道筋

蕎麦の花

2012年10月20日 | Weblog
秋高し鳶の翼を見上げおり
近代は銀の馬車道蕎麦の花
吊るされしばかりの柿に陽のさんさん

黄の薔薇に差して秋陽は金色に

薄紅葉

2012年10月19日 | Weblog
遠きビル朝日の中にそぞろ寒
かたまって咲くや背高泡立草
境内の楓先より薄紅葉

晩秋の随身門をひとり入る

秋深し

2012年10月18日 | Weblog
秋深し森に高かり風の音
曇天によく響きおりひよの声
風強く吹き晩秋の空黄金

秋の薔薇優しき色を持ちにけり

2012年10月17日 | Weblog
晩秋の雨降り初めしひそやかに
椋鳥の群れ来てうまそうに啄ばめる
掘りたての芋よ今夜は煮っ転がし

拝殿のシンメトリーに向かう秋

コスモス

2012年10月16日 | Weblog
優嵐スケッチブック


いびつなることもうまさよラ・フランス
秋麗の朱塗りの門をくぐりゆく
コスモスに子らの合奏続きおり

晩秋にダリアの紅さいよよ増す

敗荷

2012年10月15日 | Weblog
晩秋や全天雲無き朝の空
敗荷に陽のさんさんと降り注ぐ
鳶高く桜紅葉の空に飛ぶ

芒揺れ彼方に稜線なだらかに

秋思

2012年10月14日 | Weblog
秋思ふと日の入る空に光る雲
山萩や今日は誰にも会わぬ道
蟷螂やフロントガラスにひしと伏す

空の色海の色かも常山木の実

2012年10月13日 | Weblog
有明の近き東天鎌の月
城下町ひと巡りして秋うらら
金木犀香りし千姫天満宮

天平より続く社の秋の声

えのころ

2012年10月12日 | Weblog
オリオンを仰ぎ始まる秋の朝
秋の風吹けばまず鳴る竹林
えのころのころころ風に吹かれおり

秋萩の垂れにし道を歩みおり