花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

夏休み

2012年07月21日 | Weblog
優嵐スケッチブック


夏休み始まる朝の子らの声
雷電や所在の無さに寝てしまう
雷神はいつしか去りぬ昼寝覚め

百合白く真昼の光を吸い込みぬ
射干やむかし宮中ありにけり

はたた神

2012年07月20日 | Weblog
筆ペンを三本選ぶ土用入
涼しさは土用次郎の朝の雨
朝に来て午後に再びはたた神

一鉢の朝顔新居の前にあり
朱を重ね尽くし盛りの凌霄花

炎熱

2012年07月19日 | Weblog
旭日やはや炎熱の色をして
吾もまた吹かれし青田を吹く風に
片陰に子ら遊ばせて立ち話

渦紫陽花いずれミニーかミッキーか
跪きグラジオラスを近く見る

梅雨明け

2012年07月18日 | Weblog
西の雲黄金に染めて梅雨明ける
消しゴムを使い終わりて梅雨明ける
ぎらぎらと戸外は眩し葛饅頭

朝の雨へくそかずらに残りおり
忘れたきことはそれぞれ忘草

熱帯夜

2012年07月17日 | Weblog
窓開けて早めに眠る熱帯夜
朝涼に花を一枚描きあげる
夏真昼風の極楽の中に

花くちなし白し甘き香をまとい
高原の風の思い出ダリア咲く

海の日

2012年07月16日 | Weblog
茫洋と槐の花に雨上がる
海の日の窓より程よき風の入る
梅雨明けと思いつ仰ぐ白い雲

半夏生草誰かペンキをかけたよう
梅雨明けを待つひまわりの高さかな

ヨット

2012年07月15日 | Weblog
子を送り夏のホームに手を振る母
ヨット帆を揚げて沖の明るさへ
梅雨晴れの波に向かいて糸を垂れ

ハイビスカス光と影の強き色
お多福かおかめか渦紫陽花咲きぬ

パリ祭

2012年07月14日 | Weblog
露を帯び李は鉢に盛られおり
オスカルはいずこにありやパリ祭
梅雨曇り熱き番茶を飲みにけり

家々の塀越しに揺れのうぜん花
梅雨深き空を仰いで薔薇咲きぬ

梅雨深し

2012年07月13日 | Weblog
曇天に盛んに鳴いて夏鶯
地に倒れ咲く紫陽花の毬重き
梅雨深し緑の濃さのいちだんと

快晴の日差しを受けし藪萱草
ルドベキアそれぞれ少し違う顔

のうぜん花

2012年07月12日 | Weblog
雨運ぶ風が揺らせるのうぜん花
遠くまで行きたる心地昼寝覚め
通り雨今日は二度来て梅雨深し

紫陽花に午後いっときの通り雨
陽の色を集めトマトの熟れてゆく