花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

大寒

2012年01月21日 | Weblog
大寒や麓で昼の鐘が鳴る
大寒の雨の静かに毘沙門堂
蕾日に日に春の近さを知らせおり

春近き日差し水仙花に注ぐ

2012年01月20日 | Weblog
蟷螂の卵いくつも寒の枝
寒雀等間隔に並びおり
朝夕にきりっとうまし寒の水

セビリアのユダヤ人街冬の路地

寒の雨

2012年01月19日 | Weblog
田に畑に降りしきるなり寒の雨
新しきスケッチブック日脚伸ぶ
待つことと考えること冬深し

雪原に大き朝日の昇りくる

寒ぬくし

2012年01月18日 | Weblog
寒の陽に今日の竹林動かざる
寒ぬくし頂に人と談笑す
マフラーに黙って顎を埋めている

万両のたっぷり赤き実光らせて

冬帽子

2012年01月17日 | Weblog
ひっそりと雨を待ちたる冬の川
早梅の枝にみなぎる紅の色
冬帽子被りいつもの散歩道

雲がゆく雪原に青き影落とし

松過ぎ

2012年01月16日 | Weblog
優嵐スケッチブック


海沿いの公園山茶花咲きこぼれ
早梅のしべ震わせて風過ぎる
松過ぎの境内に響く鳥の声

摩仁殿の冴えて書写山圓教寺


寒九

2012年01月14日 | Weblog
(書写山圓教寺・三句))
寒九なり六臂如意輪観世音 
底冷えの書写山上の大伽藍
冷えし身をたちまち暖め大焚火

雪嶺を映して摩周湖の静か

寒風

2012年01月13日 | Weblog
寒風に日ごと日差しの明るくて
裸木の枝を離れし雲一片
待春の木々青空に枝広げ

雪の峰滑り降りること幾度

寒中

2012年01月12日 | Weblog
寒中の沖はまぶしく晴れており
寒暁や列車の音に明けてくる
しんしんと午後より冷えて寒波くる

白菊に寒の光の集まりぬ

水仙

2012年01月11日 | Weblog
地に伏してさらに水仙咲き続く
いっせいに小鳥飛び立つ枯葎
両脇に枯田したがえ高速路

蝋梅に春待つ心宿りおり