花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

神無月

2011年11月19日 | Weblog
銀杏まだ緑残せる神無月
赤き実のそこここにあり冬の森
雨あがり夕陽が照らす冬紅葉

山茶花の白さ際だつ日当たれば

紅葉散る

2011年11月18日 | Weblog
蔦紅葉散るは社の石段に
高きより桜紅葉の散りきたる
釜揚げのぶっかけうどん湯気の中

初冬の陽を楽しめり実むらさき

落葉

2011年11月17日 | Weblog
廃屋に白き山茶花咲き続く
冬陽浴び蔦の紅葉の揺れ続け
落葉踏み山を巡りて戻りけり

光芒の短さ淡さ冬落暉

柿落葉

2011年11月16日 | Weblog
つややかに夕陽の色の柿落葉
捨てられし大輪の菊に差す冬陽
万両や歳月ことに足早に

渡り来て真鴨ゆったり浮かびおり

冬の蝶

2011年11月15日 | Weblog
口中にキャラメルありぬ冬山路
ひらひらと陽に舞い降りて冬の蝶
木枯しの森に陽光きらめける

金色に染まり木立は冬に入る

蜜柑

2011年11月14日 | Weblog
冬ぬくし真綿のごとき雲の出て
海山を包みて冬の霞たつ
おしゃべりの友に蜜柑の三つ四つ

一枚の落葉よろずの色を持つ

冬紅葉

2011年11月13日 | Weblog
奥播磨山々急ぎ葉を落とす
稜線を目差す山路に冬紅葉
スキー場近づく雪を待っており

その葡萄皮ごと食べて桃太郎

三冬

2011年11月12日 | Weblog
ぴかぴかのオーブンレンジ冬はじめ
掌に小さき冬のりんご載せ
三冬の美しきもの描きたし

広げおる楓紅葉に冬陽燦

山茶花

2011年11月11日 | Weblog
細やかに初冬の雨の降り続く
山茶花の長き季節の始まりぬ
冬鳥へ残せる柿の色増せり

初冬や菊の赤さの深まりに

初しぐれ

2011年11月10日 | Weblog
優嵐スケッチブック


遠山をめぐりゆくかな初しぐれ
ことごとく折れ尽くしたり蓮の骨
冬菊のほのかに紅を刷きにけり

菩提樹の根方に咲けり石蕗の花