花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

昼寝覚め

2011年07月12日 | Weblog
昼寝覚めいつしか雨はやんでおり
にわか雨去りて槌音戻りけり
大夕焼け絹ごし豆腐は売り切れに

しののめもたそがれもあり紫陽花に

日盛り

2011年07月11日 | Weblog
夕暮れてしきりに鳴くよ不如帰
日盛りの竹林ゆっくりと揺れる
夏木陰離れる吾と影法師

萱草の花に雷鳴遠くあり

夏旺ん

2011年07月10日 | Weblog
家中の窓開け放ち夏の風
吹き上げる雲高々と夏旺ん
梅雨明けやすべてのものを陽に干せり

睡蓮に誘われし昼のまどろみを

真夏

2011年07月09日 | Weblog
渓流を渡り涼しさ渡りけり
森抜けて真夏の空の青さへ出る
頂や沖の光に盛夏あり

確実なもののひとつに茄子の花

梅雨明け

2011年07月08日 | Weblog
梅雨明けに普請の音の高かりし
立葵ラストシーンは高々と
初蝉が真昼の森に響きおり

弾け咲くアガパンサスは陽の花火

青梅雨

2011年07月07日 | Weblog
あずまやに座せば涼風全身に
山も田も煙り青梅雨深々と
夕凪のテニスコートに茜雲

額あじさい見上げる先の低き雲

薔薇を描き---花冠332号(2011年5月)

2011年07月07日 | Weblog
羽ばたいて飛沫輝く夏の鴨
緑さす中に始まる地鎮祭
芍薬のつぼみ開かんとする丸さ
黒揚羽蒼き光を引いて飛び
若葉雨降りてもやみても明るかり
薫風や沖まで青き播磨灘
雨音を聞きつつ薔薇を描きおり

涼風

2011年07月06日 | Weblog
枇杷の実を頬張ってのち山に入る
不如帰鳴き続く下通り過ぎ
涼風に会うため山を歩きけり

菩提樹の花を咲かせて古刹かな

朝涼

2011年07月05日 | Weblog
夜来の雨あがりし万緑に霧
紫をとりどり持ちて額の花
朝涼の窓開け放ち絵を描く

みずいろは紫陽花の色そらの色

梅雨の雷

2011年07月04日 | Weblog
梅雨の雷遠く静かに鳴り終わる
萱草の花へ揚羽の潜り込む
隊列を組んで玉蜀黍の花

枇杷熟れて水銀柱の上がりけり