花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

空仰ぐ 花冠315号--水煙より通巻(2009年12月)

2010年02月08日 | Weblog
師走くる何か終わりし気配かな
風なくてしんと始まる夜の冷え
青空に飾りなく立ち枯薄
あたたかき陽が冬菊を包みおり
桂川ほとりに冬菜畑並べ
厳寒の深く晴れにし空仰ぐ
枯野原川は光りて流れけり

早春

2010年02月08日 | Weblog
奥山にはるか降りけり春の雪
薄氷を載せて揺れおり春の波
早春の光は遠き雪嶺に

淡雪

2010年02月07日 | Weblog
淡雪や松の根方に残りけり
きらきらと淡雪森へ流れ入る
照り返す余寒の光播磨灘

薄氷

2010年02月05日 | Weblog
竹林を騒がせ余寒の風過ぎる
早春の明るき風に森揺れる
竹鳴らし風が降り来る薄氷へ

追儺

2010年02月03日 | Weblog
火渡りを終えて今年の春が来る
青空へ追儺の太鼓こだまする
冬終わるいつか過ぎたる分かれ道

鯛焼

2010年02月01日 | Weblog
蝋梅の揺れて雫を落としける
鬼もまた用意して待つ鬼やらい
美しきひと鯛焼を頭より