花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

澄む秋

2009年10月12日 | Weblog
秋祭り太鼓の音が風に乗り
澄む秋の静けさにひとり座りおり
秋祭り済みほろ酔いの男たち

秋祭り

2009年10月11日 | Weblog
秋の陽に屋台飾りのきらめける
子を抱いて廻しの男秋祭り
「よーいやさー」声をそろえて村祭り

コスモス

2009年10月10日 | Weblog
コスモスを二輪飾りしカウンター
ひとまわり大きなおにぎり天高し
座す我を薄のひかり囲みおり

秋茄子 花冠11号(2009年8月)

2009年10月09日 | Weblog
秋茄子の不ぞろいなるも強靭に
草の葉のかえす光も晩夏かな
瑠璃色の夏の空あり塔の上
見上げおるサングラスには帆を映し
炎熱を鉄路果てまで伸びゆけり
光から肌から秋の来たりけり
初秋の朝くっきりと水鏡

台風

2009年10月09日 | Weblog
台風をついて宅配便届く
備えあればあっけなく去る野分かな
荷物出し台風一過の空仰ぐ

野分

2009年10月08日 | Weblog
秋の尾根天空の中を歩みけり
分け入ればいのこづちとは知りながら
野分くる気配に木々のざわめける

秋空

2009年10月07日 | Weblog
山なみの果てなし秋空はさらに
播州のこんなところに林檎園
見下ろせば稲穂の国は山ばかり

十六夜

2009年10月05日 | Weblog
澄む水をたどりて山の懐へ
トーストにスライス林檎を乗せて食ぶ
山降りて十六夜の月を愛で帰る

名月

2009年10月04日 | Weblog
時折はつくつくぼうし残りおり
名月や午前三時の静けさに
名月の少しうるみて山の端に