負けるな知的中高年◆本ときどき花のちコンピュータ

「知の崩壊」とかいって、いつの間にか世の中すっかり溶けてしまった。
「知」の復権に知的中高年よ、立ち上がれ!

顔立ちで評価される女性は心の醜さにも敏感である

2004年09月26日 | 詞花日暦
自分が……いかにこわい……ばけものか
ということに呆れることが多い
――岡部伊都子(随筆家)

 概して男は顔立ちの美醜をいわれないせいだろうか、自分の心の醜さに鈍感である。逆に女は何かにつけ目鼻立ちのありようで評価されるから、自分の心の醜さには敏感である。男が感じる以上に、心の底にある自分の恐さや卑しさを知り尽くしている。女性が同性にいじわるできびしいのもそのためのようだ。
 岡部伊都子も女性としてもの心つく頃からその事実に気付き、「そういう自分に愛想をつかして生きるのをやめてしまいたいと思う日」があった。涙も流すこともあった。その結果、見出した解決策は「自分の正体」を冷静に見つめ、少しずつでも「自分の描く理想の女性像の方へ近づけて」いくことだった。
 岡部にとって理想の女性像は、「他の人への思いやりをもてる心情が言葉や態度ににじみでる」人。それは取りも直さず、やさしさをいつも心に抱くことである。女性の美しさは目鼻立ちの美醜とは関係ない。顔立ちがさほど整っていなくても、心のやさしさが滲み出るとき、女性の美しさが輝く。