菅原貴与志の書庫

A Lawyer's Library

講義録:会社法と中小企業

2013-02-01 00:00:00 | 会社法学への誘い

 会社法の分野では先端的な技術性の高い議論も出てまいりますが、株式会社の基本構造をしっかりと把握したうえで、関係条文を確認しておけば、大概の問題はご理解いただけるのではないかと思っております。

 最後に一つだけ補足いたします。今日は、取締役会設置会社について、また、上場会社のような大会社を念頭にお話をいたしました。しかし、現実の株式会社の95%以上は、そういう会社ではありません。資本金が5億円に満たず、貸借対照表上の負債額も200億円に達しない会社です(会社法2条6号参照)。要するに、日本の主流・典型・最大多数派の株式会社とは、いわゆる中小企業なのです。

 この中小企業の実態と、今日お話をした会社法の枠組みとは少し異なっているところもあります。しかし、会社法を学ぶ際には、まず典型的な上場会社をイメージし、それとの比較で中小企業の法律問題を考えていただければ、宜しいのではないでしょうか。

(次回へ続く)


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