犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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ドジョウの命

2023年07月18日 | イキモノタチ
飼っているドジョウの具合が悪い。

普段は水槽の中のお気に入りの場所にじっとしている。
いるのかいないのか分からない。

それが、泳ぎまわっている。
水面に向かって泳いでは、
力尽きて沈んで、
底で腹を上にしてしまっている。

もう、呼吸がうまくできていないのではないだろうか。



3年前、多摩丘陵某所で幼魚を掬ってきた。
数㎜のそれは、最初、何だか分からなかった。
育つにつれて、ドジョウの形がはっきりと見えてきた。

採った場所は小さな流れで、底はやわらかな砂だった。



2020年、
自宅で同居していた老母の要介護度の変更申請を1月にして、
要介護2から5に上がった。

特別養護老人ホームへの入居を希望し、
数軒のホームに申し込みをした。

特別養護老人ホームには要介護3以上で入ることができるのだ。

変更申請をすることによって、2から3になれば御の字、と思っていた。
それが、最高位の5が付いた。
要介護度の高いほうから受け入れられていく。

ちょうど、家から2㎞ほどという近さに、新しい特別養護老人ホームができた。
資料を貰いに行ったら、見学できますよと言う。
それでは今度、面接しましょう、となる。
診断書を準備する、
とんとん拍子で入居が決まった。



オープンしたものの、新型コロナウイルスの流行が始まってしまい、
ショートステイは中止するわ、事前の面談はできないわで、
入居が進んでいなかった。

入居希望者はいるのだけれど、
入院している場合、施設の人が面談しに病院に入ることができない。

新型コロナの影響で、我が家は助かったのだ。



その頃、前の飼い犬ジーロくんが、まだ生きていた。
腎臓を患っていて、毎日、自宅で皮下点滴をしていた。
てんかんの発作もたまに出るようになっていた。

それに、ジーロは独りになると不安で鳴いてしまう。
私が洗濯物を干しに出ている間にも鳴いてしまう。

留守にできない。

老母のホーム入居の直前に、
私は大好きな多摩丘陵の散歩に出かけた。
そして、とある谷戸の奥の水路で、小さな魚を掬ってきた。

小さな水槽に小さな魚を飼って、
谷戸の景色に思いを飛ばした。



10匹いたのが、すぐに半減してしまった。
若い5匹のドジョウが、みんなで同じ石の上にいたりして、
楽しかった。

5匹が3匹に減り、ついに最後の1匹になってしまった。
この1匹が、静かに生きのびた。

いつも、水槽の中の物陰にいて、見えない。
つ、つまらん。
つまらんけど、生きている。



そのドジョウがついに、死を迎えている。

さっきは苦しそうに泳いでいたが、
今、底で横たわって、動かなくなっている。

3年。

調べてみると、ドジョウの寿命は野生では3年程度と言われている。
飼育下では5年、環境が良ければ10年と言う人もいるそうな。

あんまり住み心地の良い水槽ではなかったか。
一旦、大々的に掃除することにしよう。



どじょえもん、なんて名前で呼んだのがいけなかったかな。
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