犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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誰が誰の尻を拭くのか

2020年05月10日 | うつろい
蚊が出るようになる前に、庭の草取りを進めてしまいたい。

春の雑草も勢いが良い。
雑草なんていう括りはけしからん、草ひとつひとつにはちゃんと名前が有る。という人も多い。
昭和天皇がそう言ったとかいう嘘か真か分からんような尾鰭まで付く。

分かっておる。
ひとつひとつに名前が有り、それぞれの繁殖法が有る。
抜き去ってしまいたい草の特性を調べるにも、名前が分かっていると調べやすい。

私にとって、名前はその草の複数の特性をまとめるための看板であり、
それは戦い方と直結する。
「マメダオシは双葉より下をつまんで引っこ抜く。」
「ヤブカラシは根茎をまっすぐ引くと切れにくい。」
「イモカタバミは周囲の土ごと処分する。」
といった具合だ。



ひとつひとつの草に対して、それぞれに適した戦略が有る。
とは言え、どれもこれもが敵だ。
自分の愛するものを傷付けるものが敵である。

オキザリス・なんちゃらスやイモカタバミの類は、やたらと殖えて、
殖え過ぎると葉の表面に橙色の粉を吹く病気が出る。
この病気が、ニラに移る。
ニラは食べられるので、守りたい。
オキザリスは敵だ。

マメダオシは蔓が切れにくい。
引っ張って取ろうとすると、その細い蔓で他の植物を折ったり抜いたりしてしまう。
マメダオシは敵だ。

ヤマブキは、花の色が好きだ。
しかし、地下茎を伸ばして、ちょっと離れたところから生えて
やたらと殖える。
ヤマブキの隣に元々植えてあったコムラサキシキブが枯れてしまった。
こうなると、ヤマブキも敵である。

ハナモモは、花の白が美しい。
春、早くに咲いて、気持ちが明るくなる。
しかし、ずいぶん枝を広げるので、陰になってしまったムクゲが枯れてしまった。
ムクゲは丈夫でよく育つ。
盛んな木なので、韓国では尊ばれるほどだ。
ムクゲがのさばるのもたいへんなのだが、それを枯らすほどの勢いだと、
ハナモモも敵と言える。

セリが生える。
庭中がセリになりそうなほど生える。
フキが生える。
庭中がフキになりそうなほど生える。
ミョウガが生える。
庭中がミョウガになりそうなほど生える。
敵は食う。



・ものすごい生命力でやけに丈夫なもの。
・やたらと殖えるもの。
・その勢いで他の植物を枯らすもの。
・他の植物に病気を移すもの。
・うかうかしてると庭中に広がるもの。
・食いきれないほど殖えるもの。

こういうものは花だろうが食用になろうが樹木だろうが
私のココロの中では雑草扱いである。



細い蔓で、節ごとに小さな丸い襟のような葉があり、
葉らしい葉は三葉でひと組の三角形のもの、
蔓には細かいトゲが有る。

蔓を引いて抜こうとすると、このトゲが小さいくせに案外痛い。

イヤな雑草だ。
名前を知っておきたい。
「ツル 三角 トゲ」で画像検索してみると、すぐに写真がヒットした。



その名も
「ママコノシリヌグイ」だという。

継子の尻拭い。
自分の腹を痛めたわけでもない子の尻など、
トゲの有る蔓草で拭ってやりゃあいいわい。

という、想像すればするほど恐ろしい名前だ。
日本の農村社会の暗澹たる歴史を思わせる。

この草を見てこの名前を思い付いた人、
その名前を聞いてこの草にぴったりだと思ってそう呼ぶことにした人、
そうやって名前が定着していくこと・・・

更に調べると、「韓国では”嫁の尻拭き草”という」とある。
お嫁さんの尻を拭いてやる、ということは考えにくいので、
嫁が誰かの尻を拭く時に使う草、という意味なのだろう。
前妻との間の子の尻を拭くこと、ということで
日本では継子の尻拭いと呼ぶことになったのだろうか。

今の日本なら、舅や姑の介護で使う、という解釈もできるな。
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