犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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チャンチンの若葉を食う

2023年04月05日 | たべもののみもの

山笑う
という季語が好きだ。

木は種類によって若葉の色が違う。
いろいろな樹に覆われた山は、様々な色で包まれる。

これが5月を過ぎると、どれもまあ「緑」になる。
もちろん緑にも色々有るわけだけれど、
新芽ほどには異ならない。

新芽が開いてきた今が一番、山が色んな色に染まる。
どれも柔らかい色なので、山全体がもやっと和やかになる。



我が家の庭に、チャンチンの木が聳えていた。
あまりに高く伸び、そして、上のほうが枯れかけてきたので、
危ないから、この冬に伐った。
木は9メートルほどの高さが有った。
https://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/7683d65733675e20913c22d212db034e

木を伐ると、切株から細く「ひこばえ」が伸びてくる。
伐っただけで即死したりしない。
ひこばえはワッとたくさん生えてくる。
だから、新芽はひときわ美しい。


チャンチンの新芽は紅く、開くと透明感のある朱色になる。

この新芽が、食用になるという。
香りが良いらしい。
ほんとかよ。



台湾にはチャンチンジャンという調味料が有るらしい。
探してみると、Amazonに芝麻香椿醤が有った。
ゴマと合わせているわけだ。

また、新芽そのものを料理に使ったりもするらしい。

高級食材などと言われているようだが、
それはつまり、採れる時期が新芽の時季だけだから、ということじゃなかろうか。



ひこばえのおかげで、低い位置で新芽を手に取ることができる。
採って炒って食ってみんべえ。

しっかし、
紅い。


食欲が湧くかと言ったら、あまり湧かない。

切って、切り口を嗅いでみるが、なんにも香らない。
どういうことだよ。



これは、相当にエグいのではないか、という気がする。
苦みエグみは、毒性の証拠でもある。
たくさん食べないでおこう、と思う。

紅い。
インターネット上で見た、食材として売っているチャンチンの葉の写真では、
もうちょっと緑色っぽい。
本当に同じものだろうか。
疑念がつきまとう。
でも食べる。

調べたところ、「おひたしを胡麻和えにする」というのが見付かったが、
そんな勇気は無い。

しっかり油で炒めると良いかもしれない。
それだけでなく、茹でこぼしてからにしよう。



塩を入れた熱湯に、チャンチンの真っ赤な新芽を投入。

予想どおり、見る見る色が変わっていく。
緑に・・・
と言い切れない色になる。
赤と緑の中間の色である。

赤い絵の具を使った筆を洗った赤い水のところで
緑の筆を洗った経験が有りますか。
有れよ。
あの、結果、どんよりと濁った色になる、あの色。
赤と緑の中間とは、あんな色。

食欲をそそる色ではない。

ざるにあけて、水で洗う。
ゆで汁はもちろん、赤と緑の中間の
つまり筆洗いバケツの水の色になっている。
うげー。

これは相当にアクが強そうだ。



フライパンにたっぷりの油を熱して、
茹でたチャンチンを入れる。

豚肉と合わせようか、と思うが、
まずかった場合、豚肉も全滅すると思い、やめる。

熱が入ったら、香りが立ち始めた。
おお。なるほど!
ここで香るのか!
おお?

うーん。
嗅いだことの有るような無いような、無いような香りである。
でもまあ、まずくはなさそうな。

中華だしの粉末をつまんで入れる。
うまみが有れば食えるかもしれない。

冷蔵庫を開けたら、卵が一個残っていたので、
合わせて炒る。
卵が瞬く間に、あの色に汚れていく。
ああ。
もう一回茹でても良かったかもしれない。



できあがり。
そそらない色である。
そして独特の香りがしている。

おそるおそる食べてみる。

うーん。
これは、
何かで嗅いだことの有る香りのようでもあるし、
初めてのような気もするが、
どこか記憶をくすぐられるような、
うーん。

私は20年くらい前の一時期、
新芽を見ればちぎり取って食べてみる、ということをしていた。
意外と食えるものが多かった。
うまそうに見えてもひどくエグいものも有った。

この香りは、あの頃に嗅いだことが有るのかもしれない。



結論。

たぶん二度と調理しない。
しばらく口の中に香りの記憶が残って、参った。

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