犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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やめないバンドマンたち

2014年07月24日 | 日々
7年前に、生活をがらりと変えた。

それまで、月の前半は朝から昼過ぎまで軽労働(水道のメータ検針)をし、
夕方は近所の学校でオーケストラの指導。
あれば夜はバンドの練習で、午前1時くらいに帰って、
朝はまた7時から仕事…。
という毎日だった。

そんな生活だったのが、思い立って、鍼灸の学校に通うことにした。
同時に、二人の娘のある人と付き合いはじめた。
家庭を持つことと、手に職を付けることは、密接に関係していた。

しかし、結局のところ数年で家庭は失敗してしまった。
手に職は付いたが、稼ぐ目的は無くなってしまった。
まあ、自分を食わせなきゃいかんのだが、家族があることと比べたら、
自分ひとりなど、どうにでもなる。

目的を見失うと、どうやら人は太るようで、
なんのために生きているのか分からないというように
ぶよぶよと無駄を身にまとった。

しかし、そこで、そもそも自分は何をやってきたか、
ということに立ち返った。
というか、音楽のムシが全身の中でムズムズムズムズとうごめく。

そんな次第で、今は時間をかけて、楽器のリハビリ中だ。
そろそろステージにも立ちたくなってきた。



バンド仲間たちも、ともに歳を重ねる。
それぞれに、暮らしがあっただろう。
それでもなんでも、ずっと続けてきている中、
ちら、ほら、と、辞める話が耳に入る。

わかる。
でもどうせやめらんないよ。と思う。

どうせやめられなくて、またぞろやろうとした時に、
楽器に触れると、以前のようには思うようにいかない。
それはちょいとたいへんなことだ。
練習すればいいと言っても、以前できていた自分というイメージがあるので、
とても歯がゆい。
リハビリのツラさというものがある。

私は根っからのお節介なので、
辞める、今度のライブが最後、なんて話しが聞こえてくると、
すっ飛んで行く。
どうせやめらんないんだから、ライブしないまでも、
楽器はいじり続けておけ、と言いたいのだ。

結局そんなふうには言わないで帰ってくるのがオチなんだが。



2000年頃、主にライブ、レコーディングでも少し参加したバンド、
What's Love? のマッツが、無期休養宣言をする、という。
すっ飛んでくわけ。
どうやら、休む理由は私とはまるで違うようだが、ともあれ、
20年、バンドをやってきた人が、一旦やめる、というのは
おおごとだ。

ライブ会場で、懐かしい当時のメンバーに会った。
家庭を持った者、
自分のバンドを続けている者、
よりビッグ・ネームのバンドのメンバーになった者。

曲を聴けば、やったことなど忘れていた曲でも、
歌は口をついて出てくる。

壁には、古いフライヤーがたくさん貼ってある。
自分の参加していた頃の物もある。
対バンの名前なども、懐かしい。

最後の曲が終わって、メンバーたちがステージを去る。
マッツは客席に背を向けて残る。

できれば、当時のメンバーと、一杯やりたかったな。
商店街をゆっくり歩いて、駅に戻った。

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