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サンスクリットのweb辞書を引く

2023年06月13日 | 梵語入門

サンスクリットを学び始めて、6、7年経つ。
独習で始めたが、こりゃ自分にゃ無理だと感じて、講座を探した。
すると、チャンティングの講座がいくつも見付かった。

ヒンドゥー教の神様のマントラだとかありがたい詩節だとかを唱えることを
チャンティングと言う。
ヨーガのブームに乗って、おそらくアメリカ経由で入ってきたのだろう、と思う。

ヨーガ教室で開かれていることが多く、
お値段も高い。
ケッ。
私のお嫌いな世界である。
金と暇の有る奥様方が意味も分からんでお祈りを唱えるんだろう。(わるくち)

サンスクリットの詩節は、意味が分からなくて唱えても、
音、言葉、声そのものの持つ力が働くという。

こういう思いは、嫌いじゃない。
でも、「じゃあ唱えればいいや」とか
「ちょっと勉強してお客さんに教えて稼ごう」とか
そのあたりの層とは、私は合わない。

いや実際にそういう人と話した経験が有ってね。
そんでもう近付くまいと思ったのです。

市民講座のようなところにも、サンスクリット講座は無いわけではなかったが、
少なかった。

そしてやっと見付けたのが、東大仏教青年会の講座だった。
私は仏教も合わない。
だから、最初はちょっと迷った。

しかし、そういう母体が有るおかげか、受講料が安かった。
それに、講師は東大の講師陣であって、学者が多い。
ブツブツしさは強くなく、研究者の雰囲気が有る。

受講生は、ヨーガへの興味から入ってきた人もちらほらいるようだが、
仏典を読みたいという思いを持った人も多いようだ。

私がサンスクリットを学ばねばならないと思ったきっかけの一つは、
上に書いた、
「意味も分からんくても唱えていたらご利益が有るよ」の
検証をしたかったのだ。
音に力が有るのなら、どんな発音なのか学んだほうが良かろうと思った。

今んとこ、
インド人の発音は地域差が大きくて、
しかもインド人はそういう差に対してとても寛容だから、
カタカナサンスクリットで唱えてもいいんじゃん、
それよりもやっぱ人の思いというものの作用が強いんだろう、
ってなふうに思っている。



サンスクリット辞典を買おうと思うと、
数が無いので高い。
6年前はそう思った。

梵和辞典は、荻原雲来『梵和大辞典』しか無い。
無いと言っていい。
1940年から74年にかけて分冊で発刊されたものだと言う。

万円かけて買うか?買わん。

そうすると、梵英辞典に頼ることになる。
サンスクリットを勉強する中で、久しぶりに
お堅い英語を読む羽目になった。



とにかく辞書と言えばここ。
https://www.sanskrit-lexicon.uni-koeln.de/

ケルン大学のサイトで、
サンスクリット辞典が集められている。
画像も見られるし、テキスト化されたものを検索することもできる。
うわー。

ここに行き着く前に、私はもっぱら、「まんどぅーかのサンスクリット・ページ」
を頼りにしていた。
https://www.manduuka.net/sanskrit/index.htm

研究者でも学者でもない、一介のタクシー運転手で、
MTF(男性から女性に性転換した人)であり、
キリスト教の伝道師である。

残念ながら、私がこのページを知った前の年に
亡くなっている。
この人の勉強量と、webに上げた情報量はすごい。
長生きして欲しかった人である。



これを上回る情報提供量の個人サイトが在る。
https://ashtadhyayi.com/

上記のケルン大学のサイトの辞書を横断して検索できるのだ。
つまり、
一語を検索すると、複数の辞書の記述が表示される。

うひー。大助かり。

辞書というのは、それぞれにコンセプトが有る。
一つの辞書を引いても、それでは足らない。
あっちに載っててこっちに載ってない語が有ったり、
あっちの説明では至らない部分が有ったり、
対義語・同義語が載っていたり、
文法的な説明に強かったり、
語誌に詳しかったり、
神話に触れていたり、
といった調子で、色々なのだ。

それが横断検索できる。
トップページ(मुखपृष्टम्)の右上のプルダウンメニューから
14行目(くらい)のकोशान्वेषणम्(辞書検索)を選択。
検索窓に入力すれば、ずろろろろろろろろと結果が並ぶ。
結果の出た辞典名が、検索窓のすぐ下に青字で表示されるので、
そこをクリックすれば目的の辞書の所に飛ぶことができる。

至れり~尽くせり~
https://ashtadhyayi.com/kosha



というわけで、
サンスクリット学習は過去現在未来にわたって明るいのだ。


…紙の辞書が一冊欲しい…。

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