犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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父の遺産、母の遺産。

2022年12月24日 | よみものみもの
[あらすじ] アメリカ文学専門の亡父と、
国語国文学、主に万葉集や奄美方言を専門とした老母の
地下室を埋め尽くす大量の蔵書を遂に処分しようと準備している。

中には、私の興味を惹く本もたくさん有る。
そういう本を処分してしまわないように、チェックする。
背表紙を見ていると、自分で買ってしまったものも何冊か有る。
家じゅうにこんだけ本が有れば、何冊かダブるってことも有るわけだ。



亡父は生前、自力で地下室を作ろうとしていた。
計画は地下2階だったらしい。アホか。
家の北東側に有る小さめの地下室は、
途中から続きを業者に依頼して完成させたものだ。

父の打ったモルタルの壁はひどく湿気を通し、
保管した本は全てカビ果ててしまった。

10年近く前、
雨漏り対策の接着剤を何度かにわたって注入してもらったが、
うまくいかない。
どんなに埋めても、水は隙間を見付けて浸み込んできてしまうのだ。

カビてしまった大量の本と、カビてしまったたくさんの本箱と、
カビてしまった床材との始末に私は追われた。
カビのいる空間に入ること自体よろしくない。

費用も体力も掛かった。
「父の遺産」と書いて「ふの遺産」つまり、負の遺産。
などと他人には面白おかしく話したものだ。



そしてまた今、もう一つのカビくさい地下室で、大量の本の処分をしている。
前に片付けた地下室よりもずっと広いし書架も多い。



4本の通路、両側8列・7段の書架、幅約70cmが4行。
その書架に本が詰まっており、
入りきらなかった本が通路にも積んである。

どうなんざんしょ。
何冊有るんざんしょ。

文庫本から大型本や辞典類まで、様々の厚さだが、
ここは思い切って「本の暑さは2㎝だよ」ということにして計算してみる。

すると、書架の中に収まっているものだけで、
70÷2×7×4×8=えーと
たくさん。

7840。
他の部屋から運び出したものが、
500冊くらい?有る。

あらやだ。
古書店に「3千か4千か」って言っちゃった。
「素人目なんでどれくらい有るかよく分からないんですけど。」と言ったら、
「ま、たくさん有るってことですね。」と慣れた感じの返事だった。おおぶね~



亡父の本の中に、こんな本が。

フィリップ・ロス『父の遺産』

そうだよそうなんだよ、ふのいさん。



別室の老母の本の中に、こんな本が。

水村美苗『母の遺産』

おおおおお!
ちょこっと奇跡じゃないの。
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