(営利企業等の従事制限)
第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
2 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。
★地方公共団体の特別職の職を兼ねて、その報酬を得ることには任命権者の許可を得ることが必要である(行政実例昭和26年3月12日)
★許可無く農業協同組合、水産協同組合、森林組合、消費生活協同組合等の営利を目的としない団体の役員に就くことはできるが、報酬を得てこれらの団体の役員に就く場合には任命権者の許可を必要とする。(行政実例昭和26年5月14日地自公発203号)
★営利を目的とする限り農業も含まれる(行政実例昭和26年5月14日地自公発204号)
★住職の職を兼ねて、お布施を受ける場合、お布施は報酬とは考えられないので許可を必要としない(行政実例昭和26年6月20日地自公発255号)
★身分上の義務なので、勤務時間外であっても許可を受ける必要がある(行政実例昭和26年12月12日)
★勤務時間内に国家公務員の職を兼ね報酬を受ける場合において、営利企業等に従事する許可と職務専念義務の免除の承認が必要である(行政実例昭和27年10月10日自行公発84号)
★刑事休職中の職員にも、許可が必要である(行政実例昭和43年7月11日公務員第一課長決定)
★本条第1項前段は国家公務員法第103条第1項、本条第1項後段は、国家公務員法第104条と同様の規定になっているが、離職後や株式所有に関する制限に対応するものは地方公務員法上は存在しない。
●国家公務員法---------------------------
(私企業からの隔離)
第百三条 職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
○2 職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関、特定独立行政法人又は日本郵政公社と密接な関係にあるものに就くことを承諾し又は就いてはならない。
○3 前二項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。
○4 営利企業について、株式所有の関係その他の関係により、当該企業の経営に参加し得る地位にある職員に対し、人事院は、人事院規則の定めるところにより、株式所有の関係その他の関係について報告を徴することができる。
○5 人事院は、人事院規則の定めるところにより、前項の報告に基き、企業に対する関係の全部又は一部の存続が、その職員の職務遂行上適当でないと認めるときは、その旨を当該職員に通知することができる。
○6 前項の通知を受けた職員は、その通知の内容について不服があるときは、その通知を受領した日の翌日から起算して六十日以内に、人事院に行政不服審査法による異議申立てをすることができる。
○7 第九十条第三項並びに第九十一条第二項及び第三項の規定は、前項の異議申立てのあつた場合に、第九十二条の二の規定は、第五項の通知の取消しの訴えについて、これを準用する。
○8 第六項の異議申立てをしなかつた職員及び人事院が異議申立てについて調査した結果、通知の内容が正当であると決定せられた職員は、人事院規則の定めるところにより、人事院規則の定める期間内に、その企業に対する関係の全部若しくは一部を絶つか、又はその官職を退かなければならない。
○9 人事院は、毎年、遅滞なく、国会及び内閣に対し、前年において人事院がした第三項の承認の処分(第一項の規定に係るものを除く。)に関し、各承認の処分ごとに、承認に係る者が離職前五年間に在職していた第二項の人事院規則で定める国の機関、特定独立行政法人又は日本郵政公社における官職、承認に係る営利企業の地位、承認をした理由その他必要な事項を報告しなければならない。
(他の事業又は事務の関与制限)
第百四条 職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
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★教育公務員には特例が定めれられている。
●教育公務員特例法---------------------------
(兼職及び他の事業等の従事)
第十七条 教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十七条第一項に規定する県費負担教職員については、市町村(特別区を含む。)の教育委員会。第二十三条第二項及び第二十四条第二項において同じ。)において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。
2 前項の場合においては、地方公務員法第三十八条第二項の規定により人事委員会が定める許可の基準によることを要しない。
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★人事委員会の規則の例としては、札幌市では以下のように定めている。
●札幌市職員の営利企業等の従事制限に関する規則---------------------------
昭和47年3月24日人事委員会規則第7号
(目的)
第1条 この規則は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第38条第1項の規定に基づく任命権者の許可を受けなければ兼ねてはならない地位及び同条第2項の規定に基づく許可の基準を定めることを目的とする。
(許可を受けなければ兼ねてはならない地位)
第2条 法第38条第1項の規定により任命権者の許可を受けなければ兼ねてはならない地位は、同項に規定する役員のほか、顧問、評議員、発起人、清算人及びこれに準ずるものとする。
(許可の基準)
第3条 法第38条第1項の規定により許可の申請があつたときは、次の各号の一に該当する場合を除き、かつ、法の精神に反しないと認める場合に限り、許可することができる。
(1) 職員の占めている職と兼ねようとする地位又は従事しようとする事業若しくは事務との間に特別な利害関係があり、又はその発生のおそれがある場合
(2) 職務の遂行に支障を及ぼすおそれのある場合
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