まあ、結構面白かったが・・・映画のデキというより私の好みの問題なんですが、こういう映画は嫌いです。記事の前半、こき下ろして、後半、褒めます。
ドラマ化の前に映画を売って、と・・・そんなフジテレビの戦略が見え見え
ヲタク頑張れ!!というエールを送っているように見えて、ヲタクを侮蔑する一般人たちの心理でしか描いていない。あからさまにデートムービーと化し、バカだねヲタクって、クスクス・・・という優越感が根底にあるように感じる。
エピローグ。余計、どころか腹立たしい。色々訳ありだった奴らが立ち直ったり成長したりする様は感動的なように見えもするが、インターネット文化への皮肉のつもりだろうか?ネットに噛り付いてちゃダメだよ、立ち直ってよかったね・・・って、そういうヲタク、引きこもり、現実逃避、毒男たちのおかげで金儲けしたくせに、彼らを全否定している。(もちろん、そんなこと何も考えずに一般人向けデートムービー作ろうとしただけなんだろうけど)
エピローグといえば、最後の定期券のくだりとか、"だから何?"でした。
単純に自分の嗜好の問題だが、電車男をサポートする周囲の人間たちの描き方が最悪!!特にあの三人組。ムシズが走る。台詞は原作(?)とほぼ一緒だが、ああいう発言はモニタ相手にキーボードで話すからできるんだろう。
三人組も、引きこもりの男の子も、失恋に傷つく女の子も、キャスティングミスかあるいは演技力のせいかもしれんが、楽しく人生を生きているように見えて、電車男を応援する焦燥感というか切実感というか、そんなものがまるで感じられない。
それは電車男にも言える。
映画の中では、書き込みする姿と、恋に燃える姿しか映されないが・・・それ以外の時間に彼は、プラモつくったり、通販でフィギュア買ったり、アニヲタ仲間と語り合ったり"一般人が引くような行為"いっぱいしてるはずだ。普段の生活何も見せないところ、娯楽映画作りとして上手いが、卑怯だ。
おまけに、不自然な説明的独り言「がんばったね電車クン」「ふざけんなよ」とか、もう、ああいう台詞運び大嫌い!!いっそカメラ目線で観客に問いかけてくれ!!
しかも、「おまいには俺たちがついている」とか言う割りに、応援してるの少なすぎじゃないですか? 5組しかいない。
(もっとも、5組中2組が実は・・・ってあたり、ちょっとしたサプライズで楽しかったが)
わかるよ。しょうがないさ。あれ以上出したら、90~120分の尺に収まらないし、あの脚本・監督では描き分けも不可能だったろうからさ。
「電車男」を映像化するなら、(1)電車男とエルメスを文字だけの存在にし登場させない・・か、(2)周囲の人間たちを文字だけの存在にする・・か、してほしかった。(2)だと森田芳光の「HAL」のパクりみたくなるけどさ。ただ、周囲の人間排除したほうが、主人公二人をもっとじっくり描く時間は稼げたと思うのだけど・・・
インターネットの向こう側ってどうなってんだろ?こんなんだといいな・・・っていう希望的妄想が映像化された「電車男」からは、流行便乗の商売臭があまりに強く立ちこめ、映画作家としての野心も挑戦も何も感じられない。
************************************
と、さんざん文句を言ったけど、最初にも書いたように、結構面白かったんですよね。
普通の恋愛ドラマとしてシナリオ運びはセオリー通り。とんとん拍子で話が進み、だれることない。テンポの良さ。テレビドラマくさいと言えばそうだけど。
あと主役二人は健闘したと言える。
特に、中谷美紀の、小悪魔的存在感は良かった。
エルメスは妙に生々しいリアルな存在となって、映画を支配する。いくつかのエルメスの台詞・・・
「頑張って!!」彼女が抱いていたのは母性本能?ダメ男への優越感?
「私は楽しかったですよ。」一生懸命に、なけなしの勇気を振り絞る電車男をほほえましく見守る彼女。でも電車男がオドオドする様を見て楽しんでいる。
「約束ですよ」そして小ずるい計算。・・・この台詞。自分から一方的に押し付けた"要求"なのに、"約束"と言葉をすりかえることで、相手に義務感を抱かせる。じらし、含み持たし、カマかけ・・・そんな計算女だからこそ、電車男の真摯な姿に心惹かれたのかもしれない。
山田孝之もいい演技してた。もともと顔がイケてる辺りがキャスティングとしては嫌なのだが、がんばってヲタクっぽくキョドってた。
先に書いた日常描写排除の卑怯さに加えて、細部の演出
●百式Tシャツしか持ってないのかよ!!
●コンタクトを捨てるのはまだしも、ジャケットとシャツまで捨てるのはちょっと・・・
・・・とか問題は色々あるのだけど、それらはプロデューサや監督への批判要素であり、俳優としての彼は持てる能力全てを使って自分なりの電車男像を体現していた。
************************************
そういえば、エンドクレジットで、アバレキラー田中幸太郎と、アバレイエローいとうあいこの名前を見かけたけど・・・どこに出ていたのかな?
↓面白かったらクリックしてね
人気blogランキング
自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
ドラマ化の前に映画を売って、と・・・そんなフジテレビの戦略が見え見え
ヲタク頑張れ!!というエールを送っているように見えて、ヲタクを侮蔑する一般人たちの心理でしか描いていない。あからさまにデートムービーと化し、バカだねヲタクって、クスクス・・・という優越感が根底にあるように感じる。
エピローグ。余計、どころか腹立たしい。色々訳ありだった奴らが立ち直ったり成長したりする様は感動的なように見えもするが、インターネット文化への皮肉のつもりだろうか?ネットに噛り付いてちゃダメだよ、立ち直ってよかったね・・・って、そういうヲタク、引きこもり、現実逃避、毒男たちのおかげで金儲けしたくせに、彼らを全否定している。(もちろん、そんなこと何も考えずに一般人向けデートムービー作ろうとしただけなんだろうけど)
エピローグといえば、最後の定期券のくだりとか、"だから何?"でした。
単純に自分の嗜好の問題だが、電車男をサポートする周囲の人間たちの描き方が最悪!!特にあの三人組。ムシズが走る。台詞は原作(?)とほぼ一緒だが、ああいう発言はモニタ相手にキーボードで話すからできるんだろう。
三人組も、引きこもりの男の子も、失恋に傷つく女の子も、キャスティングミスかあるいは演技力のせいかもしれんが、楽しく人生を生きているように見えて、電車男を応援する焦燥感というか切実感というか、そんなものがまるで感じられない。
それは電車男にも言える。
映画の中では、書き込みする姿と、恋に燃える姿しか映されないが・・・それ以外の時間に彼は、プラモつくったり、通販でフィギュア買ったり、アニヲタ仲間と語り合ったり"一般人が引くような行為"いっぱいしてるはずだ。普段の生活何も見せないところ、娯楽映画作りとして上手いが、卑怯だ。
おまけに、不自然な説明的独り言「がんばったね電車クン」「ふざけんなよ」とか、もう、ああいう台詞運び大嫌い!!いっそカメラ目線で観客に問いかけてくれ!!
しかも、「おまいには俺たちがついている」とか言う割りに、応援してるの少なすぎじゃないですか? 5組しかいない。
(もっとも、5組中2組が実は・・・ってあたり、ちょっとしたサプライズで楽しかったが)
わかるよ。しょうがないさ。あれ以上出したら、90~120分の尺に収まらないし、あの脚本・監督では描き分けも不可能だったろうからさ。
「電車男」を映像化するなら、(1)電車男とエルメスを文字だけの存在にし登場させない・・か、(2)周囲の人間たちを文字だけの存在にする・・か、してほしかった。(2)だと森田芳光の「HAL」のパクりみたくなるけどさ。ただ、周囲の人間排除したほうが、主人公二人をもっとじっくり描く時間は稼げたと思うのだけど・・・
インターネットの向こう側ってどうなってんだろ?こんなんだといいな・・・っていう希望的妄想が映像化された「電車男」からは、流行便乗の商売臭があまりに強く立ちこめ、映画作家としての野心も挑戦も何も感じられない。
************************************
と、さんざん文句を言ったけど、最初にも書いたように、結構面白かったんですよね。
普通の恋愛ドラマとしてシナリオ運びはセオリー通り。とんとん拍子で話が進み、だれることない。テンポの良さ。テレビドラマくさいと言えばそうだけど。
あと主役二人は健闘したと言える。
特に、中谷美紀の、小悪魔的存在感は良かった。
エルメスは妙に生々しいリアルな存在となって、映画を支配する。いくつかのエルメスの台詞・・・
「頑張って!!」彼女が抱いていたのは母性本能?ダメ男への優越感?
「私は楽しかったですよ。」一生懸命に、なけなしの勇気を振り絞る電車男をほほえましく見守る彼女。でも電車男がオドオドする様を見て楽しんでいる。
「約束ですよ」そして小ずるい計算。・・・この台詞。自分から一方的に押し付けた"要求"なのに、"約束"と言葉をすりかえることで、相手に義務感を抱かせる。じらし、含み持たし、カマかけ・・・そんな計算女だからこそ、電車男の真摯な姿に心惹かれたのかもしれない。
山田孝之もいい演技してた。もともと顔がイケてる辺りがキャスティングとしては嫌なのだが、がんばってヲタクっぽくキョドってた。
先に書いた日常描写排除の卑怯さに加えて、細部の演出
●百式Tシャツしか持ってないのかよ!!
●コンタクトを捨てるのはまだしも、ジャケットとシャツまで捨てるのはちょっと・・・
・・・とか問題は色々あるのだけど、それらはプロデューサや監督への批判要素であり、俳優としての彼は持てる能力全てを使って自分なりの電車男像を体現していた。
************************************
そういえば、エンドクレジットで、アバレキラー田中幸太郎と、アバレイエローいとうあいこの名前を見かけたけど・・・どこに出ていたのかな?
↓面白かったらクリックしてね
人気blogランキング
自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
どうやって持ち上げるんだろうと思ったら、
こうきましたか。
中谷美紀のくだりは、特に笑えました。
同感です。
完璧なヲタクで皆と共通するところがあったからこそ住人たちに愛されたと思うのに・・・
今大ヒットしてるのは、それほど邦画に純愛映画がないということなのでしょうか・・・
私も同感です!!定期券もホント「だから何?」ですよね!(笑)
ヲタクの私生活、私も見てみたいです^^
絶対引きますよー
こちらからもTBさせてもらいます。
中谷美紀は実際輝いてましたよね。実物より歳は幾分上かもしれないけど・・・おかげで、大人の余裕が全身から発散されて良かったのかな?
>kossy様
新書の後日談を読むと、電車男はエルメスに同人誌買い中止の命令を受けたそうです。脱オタク化が進んでいるようでしたが、実際はどうなのかな?
ちなみに私、日曜のお決まりコースで、マジレンジャー、響鬼、の流れでプリキュアも観てしまいます。うわ、俺もヲタク。ついでにその後ガッシュ観て、いいとも増刊観る
>優みゃ☆様
ファン・・・ついて来れるかな映画オタクに
真にヲタクへのエールを考えるなら、彼らの暗部も描くべきだったと思うんですが・・・それじゃみんな引くかな、やっば・・・
ツッコミ処も多々あり、冷静に観てしまうと
「冷めて」しまう点もありますが、あまり深く
考えずに観る分には、楽しめますよね♪
そう!自分も田中幸太郎が何処に出てたのか
わからないんですよ~。多分に山田孝之との友
情出演的な感じだったと思うのですが…
これからも多分フジや東映はこういう品質より商売っ気たっぷりの映画を作るでしょう。
私も電車男、つい先日見てきました。
私もちょっとこの手の映画は苦手ですかね。
いえ、楽しめたのですがもやもや感がいくつも残ってしまいます。
役者の演技は、二人とも良かったですよね。
この映画をガッツリ支えてくれていたと思いました。
トラバさせていただきますね。
ただ、ネット、本、朗読劇、映画、テレビ、漫画といったマルチメディアでの「電車男」の出現を誰かが仕掛けたとしたら、それこそがものすごい野心と挑戦だと思います。
私は、2chanでの書き込みも含め、すべてを仕掛けた人(グループ)があるんじゃないかと想像するんですが、実際、どうなんでしょうかねぇ。
深く考えてもしょうがない映画ですしね
>あかん隊さま
自分も夜おそくキーボードたたいてます。百式Tシャツはもってないけど、百式のブラモはちょっと欲しい
>NOVさま
本当であるという前提で観なくてはならない映画なので・・それでも露骨に脚色しすぎ?
>ミヤ様
役に救われた感じはします。でも顔だけならドラマ版の方がいいな(見てないけど)
>まり様
仕掛けたのがCIAだったら面白いなぁ・・・