クリント・イーストウッド(のようなじーさん)になりたい!!
心からそう思った。
アカデミー賞をとった俳優二人は、それはもちろん素晴らしい演技だったのだけど、僕には俳優クリントの方がはるかに輝いて見えた。
彼は自分が歳をとったことに気付いていないのではないだろうか?
「マディソン群の橋」で土砂降りの中立ち尽くし、薄くなった髪がぺったりしてまるで河童みたいだったクリント。
「ブラッド・ワーク」で、すっかり衰えた体をさらけ出してまでセックスシーンを演じたクリント。
自分の醜い部分も全てさらけ出してきた彼。
今作では肉体的な衰えはさらけ出さなかったが、精神的なガキっぽさを前面に出す。
「お前のせいだ!!お前が押し付けたからだ!!」なんて大人気ないにもほどがある。
後々モーガンに「あんなこと言ってすまなかった。間違ってた」と誤るが、モーガンは「当たり前だ」と一蹴。そりゃそうだ。(この二人の関係、すごく良かった)
泣きべそはかくし、打ちひしがれてもそれを吹っ切って復活するでもなく、逃げ出す。
かっこ悪いことを何でもかんでもやって・・・
そこがいいんだ。あんなにかっこ悪い役をやってのけるスターが他に何人いるというのか?(だから自分で主演したのかもしれんが)
悲しみと後悔を抱えて、一人でしょいこんで、おめおめと生き残る。
自分勝手な解釈ですが、つまんない失敗にくよくよせず生きていけよ・・・と言われたような気がします。
イーストウッドの映画って、どえらい失敗やらかして、俺はなんてダメな奴なんだ、と打ちひしがれた時に観たくなる映画です。
*************************
あと、彼のユーモアセンスも重要です。
シリアスなテーマで、辛い瞬間でもみなユーモアを惜しみません
「レフェリーなら、テンと言う所だ」(クリント)
「行きは飛行機、帰りは車」(ヒラリー)
「110試合目だ」(モーガン)
ユーモアによって、キャラたちは生き生きと輝きます。
キャラクターを慈しむ気持ちがにじみ出ています。
*************************
あの時、ああしていれば・・・
誰でも思う気持ち
マギー(ヒラリー・スワンク)があと1~2秒早く、振り向いていれば・・・
フランキー(クリント)があと1~2秒早く反応して椅子をどかしていれば・・・
まるで我が事のように、後悔してしまう
せめて、ああさせたかった・・・
マギーに、せめて最後まで試合をさせたかった
勝っても負けても、燃え尽きるまで
その上での死なら、さわやかな余韻すらあったろう。
力石やジョーのように
(以上は別に映画を批判してるわけではなく、キャラに感情移入しまくったから言ってるのですよ)
********************
ヒラリーは、顔はイマイチだし、授賞式をみる限りスピーチはど下手だしアカデミー賞授賞式についての記事、でも役者バカな女優なんだろうな・・・と、鍛え上げられた肉体を見て思った。そういえば無名のころベスト・キッド4に出ていたじゃないか。頭でなく体で演じるスポコン女優として栄冠を手にしたのなら、ミヤギ師匠の教えも無駄ではなかったようじゃ
モーガンはやはり素晴らしい。オスカーなんかいつ取ってもおかしくなかったが、さりとてこの作品が彼のベストアクトかと言うとそうでもなく、何をやってもモーガンなんだ。といっても生意気な若造をぶちのめすシーンは、この映画で一番スカッとするシーンだった。
*******************
クリント・イーストウッドはまたも期待を裏切らない最高の映画を作ってしまった。
あの技巧もへったくれもないが耳に心地よく収まるテーマ曲と共に、忘れえぬ傑作として記憶に残るだろう。
ミスティック・リバーの映評←この時は、不良監督貫いた充電期間を終え、巨匠として仕事したみたいなこと書いたけど、今は「巨匠」と「ガキ」が絶妙にブレンドされた人間なのだとそう思う。
今年のベスト1決定!!と言いたいところだが、「サマリア」でも「エレニの旅」でも言ったっけ。今年の洋画は豊作すぎて怖い
とはいえ、今年の台詞ベスト1は決まった!!と断言してよかろう。
「モ・クシュラ」
この言葉の意味をマギーに伝えるフランキー・・・思い出すたびに胸が熱くなる!!
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
心からそう思った。
アカデミー賞をとった俳優二人は、それはもちろん素晴らしい演技だったのだけど、僕には俳優クリントの方がはるかに輝いて見えた。
彼は自分が歳をとったことに気付いていないのではないだろうか?
「マディソン群の橋」で土砂降りの中立ち尽くし、薄くなった髪がぺったりしてまるで河童みたいだったクリント。
「ブラッド・ワーク」で、すっかり衰えた体をさらけ出してまでセックスシーンを演じたクリント。
自分の醜い部分も全てさらけ出してきた彼。
今作では肉体的な衰えはさらけ出さなかったが、精神的なガキっぽさを前面に出す。
「お前のせいだ!!お前が押し付けたからだ!!」なんて大人気ないにもほどがある。
後々モーガンに「あんなこと言ってすまなかった。間違ってた」と誤るが、モーガンは「当たり前だ」と一蹴。そりゃそうだ。(この二人の関係、すごく良かった)
泣きべそはかくし、打ちひしがれてもそれを吹っ切って復活するでもなく、逃げ出す。
かっこ悪いことを何でもかんでもやって・・・
そこがいいんだ。あんなにかっこ悪い役をやってのけるスターが他に何人いるというのか?(だから自分で主演したのかもしれんが)
悲しみと後悔を抱えて、一人でしょいこんで、おめおめと生き残る。
自分勝手な解釈ですが、つまんない失敗にくよくよせず生きていけよ・・・と言われたような気がします。
イーストウッドの映画って、どえらい失敗やらかして、俺はなんてダメな奴なんだ、と打ちひしがれた時に観たくなる映画です。
*************************
あと、彼のユーモアセンスも重要です。
シリアスなテーマで、辛い瞬間でもみなユーモアを惜しみません
「レフェリーなら、テンと言う所だ」(クリント)
「行きは飛行機、帰りは車」(ヒラリー)
「110試合目だ」(モーガン)
ユーモアによって、キャラたちは生き生きと輝きます。
キャラクターを慈しむ気持ちがにじみ出ています。
*************************
あの時、ああしていれば・・・
誰でも思う気持ち
マギー(ヒラリー・スワンク)があと1~2秒早く、振り向いていれば・・・
フランキー(クリント)があと1~2秒早く反応して椅子をどかしていれば・・・
まるで我が事のように、後悔してしまう
せめて、ああさせたかった・・・
マギーに、せめて最後まで試合をさせたかった
勝っても負けても、燃え尽きるまで
その上での死なら、さわやかな余韻すらあったろう。
力石やジョーのように
(以上は別に映画を批判してるわけではなく、キャラに感情移入しまくったから言ってるのですよ)
********************
ヒラリーは、顔はイマイチだし、授賞式をみる限りスピーチはど下手だしアカデミー賞授賞式についての記事、でも役者バカな女優なんだろうな・・・と、鍛え上げられた肉体を見て思った。そういえば無名のころベスト・キッド4に出ていたじゃないか。頭でなく体で演じるスポコン女優として栄冠を手にしたのなら、ミヤギ師匠の教えも無駄ではなかったようじゃ
モーガンはやはり素晴らしい。オスカーなんかいつ取ってもおかしくなかったが、さりとてこの作品が彼のベストアクトかと言うとそうでもなく、何をやってもモーガンなんだ。といっても生意気な若造をぶちのめすシーンは、この映画で一番スカッとするシーンだった。
*******************
クリント・イーストウッドはまたも期待を裏切らない最高の映画を作ってしまった。
あの技巧もへったくれもないが耳に心地よく収まるテーマ曲と共に、忘れえぬ傑作として記憶に残るだろう。
ミスティック・リバーの映評←この時は、不良監督貫いた充電期間を終え、巨匠として仕事したみたいなこと書いたけど、今は「巨匠」と「ガキ」が絶妙にブレンドされた人間なのだとそう思う。
今年のベスト1決定!!と言いたいところだが、「サマリア」でも「エレニの旅」でも言ったっけ。今年の洋画は豊作すぎて怖い
とはいえ、今年の台詞ベスト1は決まった!!と断言してよかろう。
「モ・クシュラ」
この言葉の意味をマギーに伝えるフランキー・・・思い出すたびに胸が熱くなる!!
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「クラッシュ」を見る前に、見ておきたいなと思ってみたのですが、さすが・・・と思います。
全てが良かったデス!
ヒラリー・スワンクみたく1RKOできたら、気持ちいーだろーなー♪ラストは衝撃でしたが・・・
二度美味しい映画でした♪♪
映画を観ている最中、マギーの対戦相手から繰り出される
強烈なパンチが観ているこちらにまでヒットする感覚。
そして、ラストで心までをも打ち砕かれる衝撃。
どこを取っても痛々しい、
それでいて、どこか暖かさを感じ取れる素晴らしい作りの映画でした。
結果だけ見て、賛否を唱えるのは意味の無いことなのですね。
皆さんのコメント・記事を読み後から余韻が湧いてきています
こっちゃん
それこそが言葉のパラドックス?」と貴方は言われましたが、そういうことなんです。言葉を獲得するためには、多くの犠牲(伝え切れない多くの意味たちを排除する)が伴います。”獲得と排除”が同時に行われるんですね。
クリントのTV番組(インタビュー)を観ましたが、
すばしい人柄が滲み出ていました。
ブックマーク有難うございます。当方にも掲載させていただきました。よろしく。
あちこちトラックバックで飛んで見ると面白いです。いろんな方がいて。
映画撮ってるんですかぁ。いつかレモンパイで面白い場面撮ってくださいね(笑)
でもなんか、良かったな・・・。
実際クリントが一番良かったと思うんですよねぇ
>ココ様
今でももてるし、大した奴です
>ELM様
こういう映画で引く分、トゥルー・クライムやブラッドワークで目立ってるんで
>さばきち様
こないだサントラ買いまして。同じような曲ばっかなのに、何度も聞いてしまいます
私は全然予備知識なしで観に行って、スポ根映画だとばかり思っていたので、途中からの展開にはただもう唖然、すごいショックでした。
音楽、ほんとなんてことないけど、映画の雰囲気にあっててとてもよかったと思います。
TBもレスも遅れてごめんなさい。
ELMもイーストウッドのようなじじいになりたい。
イーストウッドは、自分の監督で自分が主演なのに
いつも引いた演技をして他の役者を立てるところが
大好きです。
また、お邪魔させて下さい。
「ドッジボール」へのコメントもありがとうございました
こちらにまとめてコメントさせていただきますね、ご了承下さい
やっぱりイーストウッド、カッコいいですね
永遠のガキんちょ大将ですね!
実は若い頃のイーストウッドって好きじゃないんです、ダーティーハリーとか
でも年取るごとにドンドン好きになっていくんですよね
不思議な魅力をもった男性です
だからきっとモテるんですね(笑)
主な登場人物三人の中でクリント・イーストウッドを
第一に賞賛している人はやや少ないように思えたので、興味深く読ませてもらいました。
あの時あーしていればの連続でしたね。
デンジャー大好きです。なんとなく自分みたいでした。
ああいうダメ男への愛情がいいです。
クリントの映画って、悪役に対してもキャラへの暖かい視線がいいです。(マギーの母に対しても、怒りより、哀れみを感じる)
>nemo様
神様の決めた運命だったゆえ、神の教えに反逆したのかな・・
あの椅子・・・
人間の肉体ってもろいんだなぁと思いました。
>suguru様
あたしゃてっきり東京の人だと思ってました。長野は映画公開が早くて(松本より)いいですよね[北信っつっても長野じゃないのかな?]
そうそう、「あのときあぁしてれば・・・!」って後悔は誰にでもあるものなんですよね。結果としてああなっちゃったけど、これも神様の決めた運命なら、しょうがないのかなぁ・・・とも思ったり。ヒラリーがイスでガツン!と頭を打ったところは、思わず私も自分の頭を抑えて「いてぇ~」と小声でいってました。(^◇^;ゞ
偉大な監督であり、巧みな俳優であり、音楽の才能もあるクリント・イーストウッドは少年の心を持ち続けているおじいさんでもある。観客が家に帰ってからも、気になって考えてしまう映画。
暗く重いけれど独特のユーモア感覚も良かったですよね。ヘナチョコボクサーのデンジャーの存在も良かった。
何と言っても、お勧めの1本です。
いつもどうもです。私ももう一回観に行こうと思ってます。
>tomy様
そうです。アカデミーだから・・って偏見はやめましょう。
チャックは偏見通りの人ですが
>丞相様
スペースカウボーイも良かったなあ。
月を見上げるイーストウッドと、月に転がる残骸と
感動したものです。
「エレニ」と「サマリア」と「ミリオン」。今年はいい年ですね
>ミヤ様
イーストウッドの監督賞はまあ当然だったとは思うのですが、むしろ主演男優賞を与えてほしかった。渋い。かっこいい。いないよ。こんな俳優。
リンクの件、全然、不都合ないです。がんがんリンクして下さい。
>cocoa様
伝えずにいた「モ・クシュラ」が二人の関係を象徴していたのかなあ。泣かせるね、クリント。
だからオスカーはさぁって思う年と、やっぱりオスカーは判ってるなぁって思う年があるんですよね。
>えい様
かっこわるいとはなんてかっこいいんだろう
>しんちゃん様
ほんと無駄も隙もない映画でした。ストーリーはお好みで・・・
>AISYA様
ごんぎつね・・・懐かしいなあ
>大澤大介
次回作は硫黄島の話でしたっけ?どんな戦争映画になるんでしょうね
ほんとに、「モ・クシュラ」の意味と、
それを伝えるシーンは胸が熱くなります。
フランキーとスクラップの関係も良かったですね。
フランキーとマギーの絆も、両方とてもよかったです。
私もヒラリーやモーガンも素晴らしかったのですが、どうしても
イーストウッドの演技が一番印象に残りました。
彼の演技の熟練さ、動きや表情そして空気だけで伝わる思い。
これだけの名優っぷりを見せられたら、泣くしかありませんでした。
ひっそりとあるユーモアのセンスも、とても素晴らしいですよね。
ディズニーランドのシーン、あれは字幕ミスじゃなくてユーモアですよね?(笑)
(本当はユニバーサルスタジオですよね、アレって)
あの、私のブログのほうからリンクさせていただきたいと思っているのですが
宜しいでしょうか?何か不都合等ございましたら、お手数ですがご連絡下さい。
また遊びにこさせていただきますっ。
このときも「青臭い爺さま」でしたね。
映画全体の印象としては、『エレニの旅』『サマリア』に軍配をあげたいのですが、
観客を物語に引きこむ力ではこの作品が一番勝っていたと思います。
アカデミー賞も捨てたもんやないですよね。
偏見は持たないようにしないと。
チャック・ノリスの記事熱いですね。
おもろかったです!
ではではまた遊びに来て下さいね
もう一度観に行こうと思っています。ありがとうございました。
映画を見終わってもう幾日も過ぎ、忙しい毎日を過ごしているのにもかかわらず、僕たちの頭は「ミリオンダラー・ベイビー」の中にあるようですね。
この尽きぬ関心はいつ終わるでしょうか?
イーストウッドの過去作を見ても気休めにもなりません。
ああ、はやく次回作を!
と、ファン心理まるだしで、願ってます。
『あの時 ああしていれば…』(笑)
そのもどかしい気持ち、す~~っごくわかります!
子供の頃、「ごんぎつね」を読むたびに、そう思っていました。
“あの時、気づいてくれれば…”って…
実生活でも良くある事ですよね。
私たちの時間って そんな後悔の連続の上で成り立ってるんだと思うと、なんだかなぁ…って感じです。
登場人物が比較的多い映画だったけど、すべてキャラ立ちしていたなぁ・・・
無駄な場面のない・・・凝縮された映画だと思いました
話は嫌いだけど(しつこい?(笑))
こちらを読ませていただいて
早川義夫の昔のアルバム
「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」
というタイトルを思い出しました。
重く現実を突きつけられたような映画でしたが心から見て良かったと思いました。
正直オスカー獲ったからってなぁと侮ってましたが・・・
イーストウッドごめんなさい!!