英語教師のひとりごつ

英語教育について考える。時々ラーメンについて語ることもある。

海外ドラマに夢中になる

2014-05-25 20:05:00 | 日記
英語を勉強するために海外のドラマや映画を観る、あるいは逆に海外のドラマや映画を観ていて英語を勉強しようと決意する。どちらも重要な英語学習のきっかけです。私は日頃から海外ドラマや映画をよく観ますが、楽しみながら英語を学べるのはすばらしいことです。ただし、海外ドラマで英語を学ぶにはベースとなる知識がかなり必要だということもまた事実ですが。とっかかりとしてはトイ・ストーリーなどのアニメやアルフやフルハウスなどのsituation comedy(これをsitcomといいます)は比較的とっつきやすいでしょう。

また、ある程度土台ができれば、フレンズは非常に優れた学習教材になります。また、シンプソンズはアニメですが、アメリカの文化を学ぶこともできる大人のアニメです。

私の最もおすすめの海外ドラマはchuckです。シーズン5をもって惜しまれつつも終了しましたが、おもしろくてDVDボックスまで買ってしまいました。観た人は100%(といっても過言でないくらい)イヴォンヌ・ストラホフスキーという女優さんの虜になります。さらにそれだけでなく、1人ひとりのキャラが濃く、観ていて飽きません。最終回や特典映像の出演者のコメントに思わず涙してしまいます。主に笑いあり、そして感動もあるchuckが映画化することを心底望みます。最終回をまさに今日見終わった私は、何を楽しみに生きればいいのでしょうか。。。

イヴォンヌ・ストラホフスキーに恋をして英語を勉強したいと思う人が増えるなら、それはそれでawesome!です。

Why don't you ~?の悩ましい問題

2014-05-25 08:03:00 | 日記
Why don't you~?はどの高校教科書や文法解説書を読んでも「提案や勧誘」を表す、と載っていますが、実際に使われている用法を観察してみると、そうとはいえないものにかなり遭遇します。もう少し広く捉えなければこの用法を使いこなすことはできないでしょう。

まず押さえておかなければならないのは、Why don't you~?もHow about~?も「提案や勧誘」を表すのですが、Why don't you~?のほうが少し強く響くので、「助言」と捉えられる場合がある、ということです。特にWhy don't you~?はわりと親しい間柄で用いられるのが普通です。例えば友達を自分とどこかへ行くように誘うときには次のようにいいます。

(1)Why don't you come with me?(一緒に行かないか?)

このような用法だけでなく、もう少し強い意味、つまり「助言」として用いられると、次の例のようにも使えます。

(2)Why don't you go to the beach?(ビーチに行ったらどうだい?)(Huddleston&Pullum(2002;906)より)

Huddleston&Pullumも述べているように、Why don't you~?はshouldのような意味合いで用いられています。他にも例えばタバコを吸いすぎている友人に対してこのようにいうこともできます。

(3)Why don't you quit smoking?(タバコはやめたら?)

これは「助言」ともとれますが、場合によってはもう少し強く「軽い命令」ともとれます。柏野(2006)は軽い命令あるいは依頼として以下の例を挙げています。

(4)Why don't you go upstairs and get me a thermometer?(上に行って体温計持ってきてよ。)

(5)(父親が子供に対して)Why don't you sleep?(寝なさい。)

また、教師は生徒に次のように言うこともできます。

(6)Why don't you open your textbook to page 20?(20ページを開いて。)

これらの例をみても、Why don't you~?が一筋縄ではいかないことがわかります。ひとつの表現をいろいろな例からインプットすることで少しずつ日本語での暗記から脱却して、メンタルレキシコンなるもの(が本当にあるのなら)を修正していく地道な作業が必要です。この地道なプロセスが実は確かな英語力(というものが具体的に何を指すかは一旦棚上げして)になるのでしょう。ちなみにはじめはあくまでも日本語で覚えることが手っ取り早く、そして重要だということを繰り返し強調しておきます。


【参考文献】
Huddleston, Rodney& Pullum, Geoffrey K. (eds.)(2002). The Cambridge Grammer of the English Language. Cambridge University Press.
柏野健次.(2006).『英語学者が選んだアメリカ口語表現』.開拓社.